外国人旅行者によるレンタカーの「路上乗り捨て」まで発生! これまでの常識は通用しないいま「交通マナー」への寛容性も重要になる

2024.10.17 06:20
この記事をまとめると
■インバウンドによるレンタカーの「乗り捨て」が問題視されている
■日本在住の外国人の増加によりクルマの運転でも多様性を重んじる必要が出てきている
■世界の誰もが理解できる交通法規に改めていく必要がある
日本ならではの交通ルールが通用しなくなりつつある
  インバウンド(訪日外国人観光客)の増加に伴い、インバウンドによるレンタカーにまつわるトラブルも顕在化しているようだ。あえて慣れない異国であっても、クルマを運転して効率的に観光したいという気もちになるのかもしれないが、事故抑止については慎重な運転を心がけてもらうしかない。
  ひところ「レンタカーの乗り捨て」という話を聞くことがあった。一般的に「乗り捨て」といえば借りた営業所とは異なる営業所へ返却することを指すのだが、インバウンドの乗り捨ては文字どおりの「乗り捨て」なのである。空港内で旅行かばんなどを載せるカートが放置されているのを見かける人も多いはず。あまり行儀のよい話ではないが、空港のカート以外でも、スーパーなどのショッピングカートも駐車場内に放置されていることがある。
  ところが、空港の出発口に横づけできる車道上にレンタカーを放置してそのまま帰国してしまうインバウンドがいたというのである。彼らのいい分としては、「料金はすでに前払いしいているのだから営業所にわざわざ戻しに行く理由はない」ということであり、なんだか納得できるようで納得できないロジックとなっている。
「私が聞いたところでは、インバウンドが借りたかどうかは定かではないですが、都内のコンビニ駐車場にレンタカーが乗り捨ててあったそうです。インバウンドなのか日本人なのかは別としても、『必要なくなったから』と放置したのではないかとのことでした」とは事情通。
  日本だけではなく、世界各国ではクルマを運転するなかで「ローカルルール」というものが存在する。「サンキューハザード」や、合流地点での1台ずつクルマが合流していくなどは日本固有のルールというよりは、マナーともいえよう。
  中国国内でのクルマの運転はかなりテクニカルなものが要求されるシビアな環境とも聞くが、「Uターン」には寛容でありUターンする意思表示をすると対向車が待機してくれたりするようだ。合流地点での譲り合いは皆無で、ぶつかりそうなぐらいまでお互い譲らずにシリアスな状況となるのだが、ひとたび隙を見て合流したとしても、そのあと日本のように追いかけまわしたり、その場でとっくみあいのケンカになるようなことはまずなく、あっさりとしたものとなっているようだ。
  ただ、インバウンドだけではなく、政府の政策もあり、今後は居住者として外国人が全国津々浦々で目に見えて増えていくことになりそうである。そうなると、お決まりとなるがクルマの運転でも多様性を重んじなければならないので、いままでどおりとはいかなくなるかもしれない。
客観的な数値を示した交通法規が必要とされている
  筆者が南カリフォルニアで初めてレンタカーを運転したのは、35年前の大学3年生のときであった。アメリカの運転について書かれたガイドブックをかじるように読んでから、アメリカで実際にハンドルを握ることとなった。渋滞までもいかないがかなり混雑しているフリーウェイで日本のつもりで車線変更したあと、渋滞で動かなくなると後続車の白人のおばあさんがクルマから身を乗り出して怒っていた。よく聞くと「車線変更が急すぎる」とのことであった。
  その後も毎年のように南カリフォルニアに行ってはレンタカーを運転していたのだが、あるとき現地の知り合いから、「最近は新しく移民となる人が増え、新移民のドライバーが増えてきたことが関係しているのか、昔のマナーやモラルが通用しなくなってきてかなり交通環境が激変している」と話してくれた(あくまでこの知人の話)。
  さらにしばらくして、テレビで大型トレーラートラックの事故が目立つようになると、「アメリカ国外からの出稼ぎ運転士が多くなってきたのかもしれないが、ここのところは事故も増えてきているようだ」と話してくれた。やや偏見も含まれているような見方なのだが、同じクルマの運転といっても、ドライバーのなかで多様な価値観をもつ人が増えてくれば、良し悪しは別としても、いままでとは異なる交通環境が生まれるのは仕方のないことといっていいだろう。
  たとえば、合流地点で本線車両が1台ずつ合流車線側のクルマを入れるという「マナー」を破ったとしても、「それは違うだろ」と怒るものではなく、価値観の異なる人が運転しているのだからと受け流す寛容さが、よりクルマの運転では必要となってきそうである。
  サンキューハザードを出さないだけでトラブルに発生したということもあったようだが、日本でも今後は、クルマの運転においては、ドライバー個々の価値観の多様化などによる環境変化への柔軟な対応が必要となりそうである。
  ドライバーだけが気をつけるのではなく、日本の交通法規は日本人だけに向けたような抽象的なものも散見できるので(肌感覚のものが目立つ)、世界の誰もが同じように理解できるものへと客観的な数値などをさらに盛り込むなど改めていく必要もあるだろう。
  たとえばいまはオートライトが当たり前となっているが、過去には「ヘッドライトの点灯は日没30分前までに」という決まりがあると某国で聞いたことがある。「朝のテレビニュースから、その日の日没時間を繰り返し知らせているのはこのためなのか」と思ったのをいまも覚えている。「暗くなったら点灯」では個々で判断が変わってしまうので、客観的な数値を用いた一例といえるだろう。

あわせて読みたい

スマホ全盛時でも高速の「非常電話」は毎日使われる! 知られざる「非常電話」の謎を探った
WEB CARTOP
「見通しのいい交差点」で重大事故が発生するワケ、ドライバーを惑わす「恐怖の錯覚」とは? - それって本当?クルマの「当たり前」
ダイヤモンド・オンライン
調香師Sariとコラボした「黒の香り」4種を発売
PR TIMES Topics
日本の送迎ママチャリはチャイルドシート使用だけどドイツではカーゴバイクが主流!?【池ノ内ミドリのジャーマン日記】
CARSMEET WEB
後付けできるドラレコ+運転支援&予防安全システムで今よりさらに安全運転を
&GP
人気パティスリー洋菓子店「リビエール」大丸神戸店にオープン
PR TIMES Topics
違反じゃないけど最低限これぐらいはできてくれ! まわりをイラつかせるマナー違反の運転5つ
WEB CARTOP
「憩いの場」のはずが大渋滞の原因に!識者が「目的をはき違えている」と斬るパーキングエリアとは? - それって本当?クルマの「当たり前」
ダイヤモンド・オンライン
あなたの動画を自然に翻訳!「AI動画翻訳くん」とは?
antenna
ハザードにパッシングにブレーキ5回点灯!? 誰が始めたか「暗黙の」灯火類コミュニケーション6つ
WEB CARTOP
けっこう見かけるウインカーやハザードの「消し忘れ」! うっかりでも違反になる可能性があるので要注意!!
WEB CARTOP
本格中国料理をネットで簡単にお取り寄せ!4種の「具だくさんの食べるスープ」新登場
PR TIMES Topics
出すの出さないの? ドッチ側に出すのが正解? 迷いがちな「ウインカー」の出し方について考えてみた
WEB CARTOP
あおり運転は論外! だけどあおりを誘発するドライバーがいることもまた事実! もし該当したら見直すべき4つの迷惑運転
WEB CARTOP
ホットミルクをイメージした冬季限定『まろやかミルク味』発売
PR TIMES Topics
キッズゾーンにいたわりゾーンに鹿ゾーンまで! 日本中の道路にある「ゾーン」が意外と知らないものだらけだった
WEB CARTOP
2024年のお盆期間は最大45kmの渋滞が発生するかも!? ネクスコ東日本が渋滞予測を発表
CARSMEET WEB
猫救助しようと骨折り損 高速道路で玉突き事故 米
AFPBB News オススメ
便利だからこそ気をつけたい!スマホのナビ機能の上手な使い方を解説
CARSMEET WEB