エンタメニュース、SNSの情報や口コミから、見たいと思った番組がいつ放送されるのか、自分の好きな芸能人がどんな番組に出演して、どこでどのように見ることができるのか。など、エンタメコンテンツについて調べたことはありますか?
もしかすると、検索エンジン等で調べる中で、一度はIPGが提供しているコンテンツ情報に触れているかもしれません。
ミッションは「エンターテインメントで人を豊かにする」
IPGは1999年に創業し、より多くの人々に視聴コンテンツを最適に届け、エンターテインメントのある豊かな生活の構築をサポートするため、電子番組表
の運営から事業をスタートしました。
現在では、全国の放送局や配信事業者から正式にコンテンツ情報の提供を受け、公式に視聴コンテンツメタデータを集積、整備して各種事業に展開しています。
近年は動画配信サービスの急増に伴い、コンテンツとの出会い方や楽しみ方も多様化しています。
数多あるコンテンツの中から、みなさんが求めるコンテンツへより素早く、正確にたどり着くことができるようにするために、IPGではコンテンツメタデータをどのように活かしていくべきか日々模索しています。
そんなIPGのコンテンツメタデータとはどのようなデータなのか、
テクノロジーでデータ事業を支える、データ戦略本部 開発部を統括する木村にIPGのメタデータについて話を聞きました。
前編ではIPGのメタデータを活用したプロジェクトの裏側について、後編ではIPGが目指していくメタデータと展望を語っています。
コンテンツプロバイダーから提供されるメタデータ。IPG独自のデータベース「minds」で整備し各メディアへ配信
―各サービスに配信している、IPGが整備しているコンテンツのメタデータとはどのようなデータでしょうか?
IPGは、放送局を主とした様々なコンテンツプロバイダーのみなさまから、コンテンツのメタデータをお預かりしています。これらのメタデータはそのままサービスに配信しているのではなく、まずIPG独自のデータベース「minds(マインズ)」に集積して、配信できる形にデータを整備しています。
収集したコンテンツに対し、何シリーズの第何シーズン目の第何話目なのかを位置づけて、出演者情報や番組広報情報、見逃しなどのVOD情報や映画情報など、関連するデータ同士をつなぎ合わせ、視覚的にも分かりやすいデータに整備してテレビ、モバイル、PCといった各デバイス、各メディアサービスに配信をしています。
mindsは事業の核であり財産。開発部が担うのはmindsを守り、進化させてゆくという役割
―IPGのデータ事業をテクノロジーで支える開発部ではどんな業務を行っていますか?
開発部は、システムマネジメントチームとエンジニアチームの2チームで構成しています。システムマネジメントチームは、新機能の構築に伴うプロジェクトマネージメントや、安全にデータ提供を行うためのmindsのシステム保守などをメインに行っています。エンジニアチームでは、新たなサービスへのデータ提供を行うためのシステム構築や、同じくデータ戦略本部に属するメタ運用部が、日々膨大な数のデータ整備作業を行うために利用するユーザインターフェースや作業を効率化するための自動化の仕組みなどを作っています。
長年のデータ運用からmindsには膨大なメタデータが集積され続けており、IPGのデータ事業はすべてmindsを軸として各プロジェクトに派生します。
mindsはシステムである以上に、事業の核であり、財産ですね。開発部はまさに根幹であるmindsを守り、また進化させる役割を担っています。
放送コンテンツのメタデータの3層化に難航。開発が運用を、運用がシステムを理解することが課題に
ーIPGのメタデータを活用したプロジェクトでのエピソードを教えて下さい。
開発部とメタ運用部が協力し合って進めた、Googleへのメタデータ提供のプロジェクトが印象的ですね。
当時、業界で放送と配信を繋ぐ取り組みが活発になり、IPGのメタデータが重要な立ち位置になると考えていました。ただ、具体的にどのようにメタデータを活用していけるのか、どのように整備を行うべきなのか、サービスや仕組みともにイメージが浮かばず動けずにいました。
そんな時、Google 検索の機能として、検索結果に関連するテレビ番組やタレントの出演番組を提示させるというプロジェクトが立ち上がり、GoogleへIPGのメタデータを提供することになりました。
そこで立ちはだかったのが、ネット上での検索性を重視させるためのメタデータの構造化です。
IPGの保有する放送コンテンツのメタデータを、配信業界では浸透している「シリーズ」「シーズン」「エピソード」の3層化にして、世界的にも共通性の高いデータ構造に整備する必要がありました。
今までのメイン事業は、放送コンテンツのメタデータを番組表として配信することだけだったため、放送までに必要な情報を番組ごとにグループ化して集約するだけで、3層化まで構造化ができていませんでした。
そのため、大幅な運用ルールの変更や新たな考え方の導入が必要でした。
メタ運用部がデータ整備を行うにあたって、既存の運用作業をこなしながら、新たな作業も行わなければならず、また膨大なメタデータの整備が必要になるため、2重作業となり作業コストが増大しないように、既存作業を踏襲しつつ新運用を融合させる必要がありました。
そこで、最重要の課題となったのが、開発が運用を理解し、運用がシステムを理解するという相互理解です。
開発と運用が連携しプロジェクトチームを発足!
従前は開発した仕組みを運用チームに引き渡して、運用チームでシステムに即した運用手順を考えるという流れでした。これをプロダクト設計の初期段階からユーザである運用担当者にも加わってもらう形に変更し、一緒にシステム基盤の構築を進めるプロジェクトチームを発足させました。
最初は、これまでの運用をベースにした効率的な作業をしたいメタ運用部の考えと、ユーザビリティを意識した使いやすいシステムにしたい開発部の考えといったそれぞれの領域にある習慣や、考え方にとらわれてしまうこともありました。
相互の理解を深めるべく、開発チームは、言葉だけでは伝わりづらかったシステム構想をデータの取り込みなどで検証し、取得したデータを見ながら説明することで、運用チームのイメージを醸成したり、運用チームは開発チームに実運用をレクチャーして、運用そのものを理解してもらう実践会を開いたり、地道な活動を続けました。
プロダクトにおいても、場合によってはスプレッドシートで運用できるレベルから開始し、そこで顕在化した課題を踏襲して、システムに組み込むという手法を取ることで、導入スピードを上げ、かつシステム構築による後戻りを最小限に抑えることができました。
こういった活動を通して、チーム全員が同じ目線でゴールを見つめながらそれぞれの専門性を活かせるチームができあがり、プロジェクトを無事成し遂げることができました。
また、このチームで成し得た3層化した放送コンテンツのメタデータは、次に行った見逃し配信のデータと連動の際においても、そのハードルを下げてくれました。
チーム全員で情報をシェアすることで、作業の問題を最適解へ。システムや運用が効率化され、事業拡大に大きく貢献
とはいえ、配信データとの連動も口でいうほど容易なものではありませんでした。
各VODサービス毎に最適化されたメタデータには、それぞれ特徴があり、全てを統合するには複雑に絡み合うパズルを解くような作業が必要です。
しかし、チーム全員で情報をシェアして、同じ状態で情報を把握することで、議論は活発になり自然と最適解へと向かっていくことができました。システムや運用が効率化され、その導入スピードというのはかなり早くなっています。チームで事業拡大に大きく貢献していると実感しています。
ーそれぞれの部の力がかけ合わさり、プロジェクト達成以上の大きな成果が生み出されたんですね。
はい、今ではデータベースのテーブル定義など、かなり専門的な話をメタ運用部と話せたり、別の運用作業の実践会を行いながらBPR(Bussiness Process Re-engineering)に取り組んでいます。
開発部のメンバーが運用担当者から細かい運用ルールの講義を受け、実際に作業を実践して、難しさや不便さを体感し、開発に活かしたりしていますね。様々なプロジェクトのスピーディーな立ち上げ、効率化や品質向上に繋がっています。
ー前編終了ー
▼<後編>はこちら
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リリース情報をぜひご覧ください。
会社名:株式会社IPG
所在地:東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝10階
代表取締役社長:岡本 賢人
設立:1999年4月22日
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