巨大自動車メーカー同士の「提携」はナゼ起こる? それぞれで独自のクルマを開発するなか「何が共有」されるのか

2024.09.11 13:00
この記事をまとめると
■自動車産業界では最新技術や部品などの「共有化」や「共通化」が多く見られる
■共有化の目的はEV用モーターや電池開発にかかる巨額コストの負担の分散にある
■今後は各ブランドが生き残りをかけた競争をしながら場合によっては手を結ぶことになる
自動車業界の勢力図は電動化と知能化で大きくさま変わりした
  最新技術、部品、そしてクルマそのものまで、近年は「共有化」または「共通化」が自動車産業界でのキーワードになってきた。背景にあるのは、クルマの電動化と知能化だ。
  電動化については、2010年代後半からグローバルでEVシフトが一気に進み、自動車メーカー同士でつくるアライアンスによって、「やりくり」する考え方が広がった。
  たとえば、ルノー・日産・三菱アライアンスの場合、「リーダーとフォロワー」という表現を使ってきた。目的は、市場競争力と収益性を上げることだ。
  リーダーは、技術をリードすること、または地域(国)で販売をリードすることなどを指す。3社がそれぞれ得意分野でリーダーとなり、そのほか2社がフォロワーになるというわけだ。
  その上で、電動化については、モーター、インバーター、そして電池の開発で巨額の初期投資が必要となる。これをアライアンス内で分担して負担するのか、またはリーダーが先行投資としてフォロワーが製品や技術を買い取るのか、さまざまなケースが想定される。
  そこに日産がホンダと包括的な技術連携に踏み込んだため、日産にとっては他社との「共有性」の幅が一気に広がったカタチだ。
  日産の内田社長は、ホンダとの連携、またルノー・三菱の関係との連携を、それぞれ具体的にどう進めるのかについては、現在検討中との見方を示すにとどめている。
知能化に対してはメーカー間での主導権争いが続く
  もうひとつ、共通化で重要視されている知能化については、リーダーとフォロワーという発想とは少し違う。いわゆるデータプラットフォームを共有化し、知能化に対する大きな土台作りをするイメージだ。
  そうした協調領域が、具体的にどこまで広がるのか、まだハッキリしない。ほかのアライアンスのデータプラットフォームと共有化するのか、それとも部分的な共通化にとどめるのかなど、メーカー(アライアンス)間での主導権争いが活発化している状況だ。
  一方で、自社で14のブランドをもつステランティスの場合はどうか? こちらは、技術や部品の共通性が前提となっているが、まだ道半ばといった印象がある。これまでは、ブランドそれぞれの個性を際立たせるためにさまざまな施策を打ってきた。たとえば、特化したユーザー向けの限定モデルの積極的な導入がある。
  つまり、ステランティスは「リーダーとフォロワー」ではなく、「選択と集中」といったイメージのビジネス戦略だといえるだろう。
  こうしたルノー・日産・三菱アライアンス+ホンダや、ステランティスのように、今後は多様なブランドの集合体同士が生き残りをかけて激しい競争を繰り広げながら、場合によっては手を結ぶことになりそうだ。

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