コダシップはCHERIアライアンスにCHERI RISC-V SDKを寄贈し, 安全なLinuxを実現

2024.10.23 13:01
Codasip GmbH
Linuxカーネルを含んだ完全なSDKにオープンアクセスできるため, CHERI対応RISC-Vアプリケーションの構築とテストが容易になります.
2024年10月21日, ドイツ・ミュンヘン - RISC-Vカスタム コンピュートのリーダーであるコダシップは, 新たに開発したCHERI用ソフトウェア開発キット(SDK)をコミュニティ利益団体であるCHERIアライアンスに寄贈し, 同団体はSDKを
上で自由にダウンロードできるようにしたと発表しました.

CHERI (Capability Hardware Enhanced RISC Instructions) は, ケンブリッジ大学が2010年からSRI Internationalとの共同研究で開発した高度なセキュリティ技術です. この研究は, システムのセキュリティを向上させるためのハードウェアとソフトウェアの基本的な設計の選択を見直すことを目的としており, DARPA (Defense Advanced Research Projects Agency), UKRI (UK Research and Innovation) などから資金提供を受けています. 2023年, この技術は初めてコダシップによりライセンス可能なプロセッサとして市販が始まりました.

CHERIは命令セットアーキテクチャ(ISA)を拡張して, きめ細かなメモリアクセス制御を行います. これにより, バッファオーバーフローやメモリ破壊などの一般的な脆弱性を防ぐことができます. ただし, この技術を利用するには, 開発者はCHERIに適合したソフトウェアツールとパッケージにアクセスする必要があります. 特にコンパイラは, ISAとハードウェア コアに新しく導入された拡張命令を活用したアプリケーションを生成できる必要があります. コダシップは他のCHERIアライアンスメンバーと協力し, 既存のオープンソース プロジェクト上にこれらのツールを構築し, RISC-VでCHERIを活用するすべての人が無制限に使用できるように, SDKをCHERIアライアンスに寄付しました.

コダシップ最高経営責任者(CEO) Ron Blackは,「既に多く政府や組織が, 世界を守れる可能性をCHERI技術に見出しているため, この技術を実際のシステムで活用できるため展開を迅速に行う必要がある.」と述べています. また「私たちは, Linuxに完全対応したSDKを実装するために多大な努力を払ってきました. そして今, それを誰もが使えるように公開しています. これがCHERIと RISC-Vコミュニティにとって大きな財産になると確信しています.」とも付け加えています.

「CHERIアライアンスは, CHERIセキュリティがすべてのハイテク製品で活用されるように, コラボレーションとオープン性に重点を置いています. コダシップがアライアンスを通じてSDKを公開したことは, CHERIのRISC-V標準化の取り組みを後押ししています. CHERIはエレクトロニクスのより安全な未来をもたらすことができます. そのためには, 学界, 産業界, 政府が協力しなければなりません.」と, CHERIアライアンスのディレクターであるMichael Halsall氏はコメントしています.
CHERI RISC-V SDKには次のものが含まれます:
・ LLVM17ベースのC/C++コンパイラとツールチェーン
・ CHERI-RISC-V Sailモデル
・ QEMUオープンソース・エミュレータ
・ OpenSBI RISC-Vスーパーバイザー・バイナリ・インターフェース実装
・ Das U-Bootブートローダー
・ Linuxカーネル6.10
・ FreeRTOS
・ GNUデバッガ
・ Yocto Linuxビルドシステム
・ Busyboxをベースとした基本的なユーザー空間環境
からSDKにアクセスください.

コダシップについて
コダシップは, システム・オン・チップ開発者が製品を差別化して競争力を高めることを可能にするプロセッサ技術企業です. ユーザーは, コダシップのカスタム コンピュート製品を通じて, オープンなRISC-V ISAが持つ変革の可能性を各々の方法で活用することができます. プロセッサ設計自動化ツールCodasip Studioと, 簡単にカスタマイズできるプロセッサIPシリーズの組み合わせは, 完全なオープンアーキテクチャ ライセンス モデルとなります. コダシップはヨーロッパが拠点であることを誇りとし, 世界中にサービスを提供し, すでに数十億台のデバイスが コダシップのテクノロジによって実現されています. 詳細は
をご覧ください.
CHERIアライアンスについて
CHERIアライアンスは, コンピューティング業界全体でCapability Hardware Enhanced RISC命令(CHERI)セキュリティ技術の世界的な採用を推進するコミュニティ利益団体です. 英ケンブリッジ大学とSRI Internationalによる10年以上にわたる先駆的な研究を基に, CHERIはきめ細かなメモリ保護とソフトウェアの区画化によってシステム セキュリティを強化するように設計された革新的なアーキテクチャを導入しています. アライアンスは, さまざまなコンピューティング プラットフォームにわたってCHERIを標準化し実装するために, 業界, 学界, 公共部門と積極的に連携しています.詳細については,
をご覧ください.

メディア連絡先
Tora Fridholm, マーケティング コミュニケーション マネージャー
tora.fridholm@codasip.com +46 761 619134
もしくは
contact_japan@codasip.com

あわせて読みたい

【速報】世界初の全方向耐流型水中ドローン『CHASING X』を正式発表!
PR TIMES
HPE、直接液冷スーパーコンピューティング ソリューションの展開を拡大、同時にサービスプロバイダーおよび大企業向けAIシステム2機種を発表
PR TIMES
相続にはトラブルがつきもの? 予期せぬ事態への対処法
antenna
TSMC、ラピダスはすでに動き出している…〈5Gから6Gへ〉日本の「NTT-IOWN」が世界標準になったとき起こること
PRESIDENT Online
人気シリーズ第三弾! セキュリティー編! 『Linux Container Book 3』発行 技術の泉シリーズ、9月の新刊
PR TIMES
divan「アードワーズチョコレート」新商品「アールグレイ」も加わりアソートで登場
PR TIMES Topics
【伝説の名著が待望の復刊・改訂】ハロー“Hello, World” OSと標準ライブラリのシゴトとしくみ 第2版
PR TIMES
スーパーコンピュータ「京」や「富岳」の高速化にも寄与した演算処理技術に関する発明が、関東地方発明表彰にて「特許庁長官賞」を受賞
PR TIMES
ヒルトン京都「ストロベリーハーベスト デザートビュッフェ」開催
PR TIMES Topics
アドバンテック、生成AI開発向け エッジAI サーバー「AIR-520」をリリース
PR TIMES
MXM GPUカード拡張に対応したコンパクトなエッジAI推論システム 「AIR-310」をリリース
PR TIMES
紙を消費しない新スタイルメモ「Kaite(カイテ)メモ」リニューアル
PR TIMES Topics
HPE、複雑な大規模AIモデルのトレーニングを加速するために構築されたAMD搭載ソリューションを発表
PR TIMES
ASUS IoT、多様な垂直分野に対応するArmベースのTinker Board 3/3SシングルボードコンピューターとTinker System 3Nを発表
PR TIMES
戸籍を調べて驚愕! 実際にあった相続トラブル
antenna
NVIDIAが小型の生成AIボード「Jetson Orin Nano Super」開発者キットを発表、70%性能アップで価格はほぼ半額
@DIME
精鋭メンバーが集結し発足したNECのサイバーセキュリティ戦略統括部。2人のリーダーが語る、NECが果たしたい2つの役割とその想いとは
PR TIMES STORY
ポップアップイベント 丸山百景 KEITA MARUYAMA 30TH ANNIVERSARY「丸山敬太の縁起物市 in 銀座三越」開催
PR TIMES Topics
楽天モバイルの通信品質が改善したワケ 5Gやプラチナバンドの現状、ネットワーク戦略を竹下副CTOが解説
ITmedia Mobile
次世代AIアクセラレータIP「ZIA A3000 V2」リリース
PR TIMES
日常に彩りを与えるnarumiyashiroのdessert plate展示販売開始
PR TIMES Topics