「リトラ」というだけで偉かった時代があったのよ! 国産各社の「リトラクタブルヘッドライト」なクルマを総ざらい!!

2024.09.30 13:00
この記事をまとめると
■1970年代にスーパーカーで採用されたことでリトラクタブルヘッドライトは人気を博した
■国産メーカーのラインアップからリトラクタブルヘッドライト採用モデルを紹介
■スポーツカーだけでなくセダンやハッチバックにも採用されていた
スーパーカーの条件のようになっていたリトラクタブルヘッドライト
  カッコイイクルマの条件のひとつに、「ノーズが長く尖っている」がある。これを邪魔しているのがヘッドライトだったりするわけで、だったらライトを必要としない昼間は、ヘッドライトを隠してしまえ、といって開発されたのが、「格納式前照灯」、いわゆるリトラクタブルヘッドライト。
  そのルーツは古く、1930年代には登場していたといわれるが、本格的に脚光を浴びるようになったのは1960年代以降。とくに1970年代に、ランボルギーニ・カウンタック、フェラーリ512BB、フィアットX1/9、マセラティ・ボーラ、マセラティ・メラク、デ・トマソ・パンテーラなどのイタリアンスーパーカーがこぞって採用したことで、スーパーカー少年たちに「かっこいいクルマ=リトラクタブルヘッドライト」という図式が強力な刷り込み効果になってしまった。
  その方程式は、国産車のデザインにも影響を与え、リトラクタブルヘッドライトの名車・珍車を多数生み出している。その代表的な車種をざっと振り返ってみよう。
■トヨタ
  まずはトヨタから。国産初のリトラクタブルヘッドライト採用車は、1967年に登場したトヨタ2000GT。あの歴史的名車の美しいフォルムもリトラクタブルヘッドライトあってこそ。
  あとはAE86のトレノ。現役時代は固定式ライトのレビンのほうがやや人気があったが、土屋圭市、イニシャルD効果で、トレノ推しが増えた⁉ セリカXXやT160セリカも忘れられないリトラ車だ。
  AW11とSW20のMR2も、リトラクタブルヘッドライト+ミッドシップで正しいスーパーカー路線。70スープラもいいクルマだったが、コンパクトカーのターセル、コルサ、カローラIIまでリトラにしたのはやりすぎだった感がある。
■日産
  日産も意外にリトラ好き。もっとも印象深いのは180SX。これはデザイン的にも完成度が高い1台だった。
  その180SXの祖先にあたるS12シルビア/ガゼールもリトラだった。FJ20ターボを積んだFRスポーツで、シルエットフォーミュラでも、日産ターボ軍団の1台として活躍。
  スポーツ路線では、Z31フェアレディZもリトラを採用。Z31は半眼タイプのリトラで個性的。また、個性でいえば、パルサーEXAも個性的。EXAは初代も2代目もリトラで、2代目はキャノピータイプとクーペタイプを選べたところが斬新だった。
リトラクタブルヘッドライトはスポーティイメージ付与に最適
■ホンダ
  国産リトラの本流はホンダともいえる。それは日本車初の本格的スーパーカー、NSX(NA1)にリトラクタブルヘッドライトを採用したから。オールアルミの軽量ボディに3リッターVTECエンジンをミッドシップに搭載。ニュルブルクリンクで徹底的に走りこみ、当時、世界一のハンドリングと称された。その走りはフェラーリやマクラーレンF1にも影響を与えたほど。
  その性能に加えて、スーパーカーのアイコンともいえるリトラクタブルヘッドライトを採用したのは大きなポイント。
  それだけではなく、ホンダは2代目プレリュードや、3代目アコード、アコードエアロデッキ、ビガーにもリトラを投入。FF車なのにリトラクタブルヘッドライトにすることで、異例に低いボンネットを実現。見た目だけでなく、Cd値0.32と空気抵抗の低減にも貢献した。
■マツダ
  日本の自動車メーカーで、もっともリトラクタブルヘッドライトが好きなのはマツダだったかもしれない。
  SA22C、FC3S、FD3SのRX-7シリーズをはじめ4ドアの3代目コスモにもリトラクタブルヘッドライトを採用。ファミリア アスティナとその兄弟車のユーノス100もリトラだったが、これはなんだか???
  そしてユーノスロードスター。ユーノスロードスターの成功は、安価で誰が乗っても楽しい軽量オープンツーシーターというだけではなく、あのリトラによる愛嬌のあるデザインの効果も非常に大きい。
  そして現状、国産最後のリトラクタブルヘッドライトは、FD3Sであり、コンセプトカーとはいえ、アイコニック SPでリトラクタブルヘッドライトを復活させてきたのは、マツダならではのこだわりといえるだろう。
■スバル
  スバルでリトラクタブルヘッドライトを採用したのは1台だけ。1985年に登場した初代のアルシオーネだ。アルシオーネはスバルが作った初めてのスペシャリティカーで、これ以上わかりやすいウエッジシェイプはないというほどスタイリングにこだわったデザインに仕上がっている。このくさび型ボディに欠かせなかったのは、いうまでもなくリトラクタブルヘッドライト。
  アルシオーネは、このボディを武器に、国産車で初めてCd値0.30を下まわる0.29を達成。マイナーチェンジでは、量販車世界初の電子制御アクティブトルクスプリット4WDも追加された。
■三菱
  最後に三菱のGTO。「プアマンズフェラーリだ」「ディアマンテベースの似非スポーツカーだ」と散々悪口をいわれたGTOだが、4WDに4WS、アルミ製4ポット異径対向ピストンブレーキキャリパー(国産初)、ゲトラグ社製MT、アクティブエグゾーストシステム、可変リヤスポイラー&アクティブエアロシステムなど、ハイテク満載のパフォーマンスカーで、それなりに存在感はあった。
  NSXと同様にマイナーチェンジで、リトラクタブルヘッドライトから固定式ライトに変更された1台。

あわせて読みたい

これがホントにゲームかよ! 歌舞伎町で行われたeモータースポーツの世界大会に潜入したら衝撃の盛り上がりだった
WEB CARTOP
奈良・天理に130台以上の名車が集合!やまのべ・大和三山クラシックカーフェスタ
octane.jp
【品川プリンスホテル】Strawberry Garden アフタヌーンティースイーツコース
PR TIMES Topics
今年一番アツい「日本車」はどれだ!? 24年度上半期ランキングに見るこの冬オススメの5台
OCEANS
旧車スポーツの中古価格が高騰してるっていうけどどのぐらい? まだ現実的な価格に収まっているクルマ5台の相場を調べてみた
WEB CARTOP
【八天堂】初の「2025お年賀ギフト」八天堂オンラインショップで販売開始
PR TIMES Topics
最新人気車種51車種 徹底ガイド!『2025年 国産&輸入SUVのすべて 』発売!
PR TIMES
もうクルマから降りたくない! 1990年代にオーナーを陶酔させた「唯一無二」のインテリアの国産車7台
WEB CARTOP
医療現場では選ばれてきた新商品「グアー豆食物繊維がとれるゼリープラス ライチ」発売
PR TIMES Topics
「かろやか」「ウミボウズ」「煌」! ニッポン愛溢れる国産車の「日本語グレード名」を集めてみた
WEB CARTOP
「レクサス」「アキュラ」「インフィニティ」はいかにして生まれた? 日本の高級車ブランドの歴史
WEB CARTOP
【氷と、ととと × BERTH COFFEE】ピスタチオとバルサミコフランボワーズのかき氷
PR TIMES Topics
カーオブザイヤーに「売れ筋でない車」が選ばれた理由、選考委員を経験した筆者が考える“賞の意義”とは
ダイヤモンド・オンライン
屋根なしルックはマジでイケてる! たった92台だけが生産された「MRスパイダー」という幻のオープンスポーツ
WEB CARTOP
紙を消費しない新スタイルメモ「Kaite(カイテ)メモ」リニューアル
PR TIMES Topics
貴重な国産絶版車本の完全保存版『別冊ベストカー 昭和&平成の国産絶版車 珠玉の名車試乗&レポート』本日発売!
PR TIMES
ボンゴフレンディの衝撃ももう30年前! 日本車では絶滅したメーカー謹製「ポップアップルーフ」は海外じゃまだまだ元気だった
WEB CARTOP
戸籍を調べて驚愕! 実際にあった相続トラブル
antenna
住友化学の製薬子会社の売却先候補は?・ヒューリック保有の「グランドニッコー東京 台場」の売却先判明・ホンダから日産への出資交渉が難航!
ダイヤモンド・オンライン
第883回:中古の「トヨタ・カローラ」がコレクターズアイテムに! イタリアの自動車ショー「アウトモト・デポカ」に高ぶる[マッキナ あらモーダ!]
webCG