で掲げた「テクノロジードリブンの人材サービス企業」の実現に向けて“テクノロジー人材・組織の進化”をテーマとした取り組みを進めています。この取り組みの中核としてグループ全体の事業やサービスにおけるテクノロジー実装・活用を強化するため、2023年4月に発足したのが「CoE(Center of Excellence)」です。
今回ご紹介するのは、2023年4月、パーソルホールディングスのCoE(Center of Excellence)内にプロダクト開発チームとして組成された「SBU*デジタル開発室」です。CoEとして行うグループ各社への技術支援の取り組みにおいて、内製開発の推進や技術的な知見をもとにした提言のほか、エンジニアがはたらきやすい環境づくりにも取り組んでいます。
*SBU:Strategic Business Unitの略称。サービス事業領域ごとに分けた組織単位
CoEの取り組みを牽引するデジタル開発部の中桐と、同じくデジタル開発部にて、SBUデジタル開発室の室長を務める吉澤に、SBUデジタル開発室の取り組みの現在地と今後の展望を聞きました。
パーソルホールディングスが運営するWebメディア「
」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。
価値あるプロダクトの追求をミッションとする内製開発組織
―まずは、おふたりの経歴と現在の役割から聞かせてください。
中桐:教育系の会社で 社内SEとして社内システムの企画・開発ディレクションやデータ基盤構築プロジェクトの推進、組織のマネジメントなどを経験した後、2020年にパーソルホールディングスに入社しました。
入社後はCOVID-19対応や、人事系システムや財務系システムのリニューアルなどを、2022年からはCoEの立ち上げと運営を担当し、現在はCoEから派生したデジタル開発部門の部門長としてエンジニア組織をまとめる役割を担っています。
吉澤:私は社会インフラ系の開発を長く手がけた後、事業会社におけるビッグデータ基盤の開発、保守運用に携わり、この経験を活かしてより高度なデータ利活用に取り組みたいとの思いで転職活動に取り組みました。当時パーソルホールディングスでデータ基盤構築プロジェクトが実施されていたことをきっかけに、グループ横断のデータ利活用を実現したいとの思いで入社を決めました。
2023年の4月からCoEのメンバーになり、以来SBUデジタル開発室の室長としてエンジニア組織のマネジメントに取り組んでいます。
―「SBUデジタル開発室」について、組織概要を教えてください。
中桐:SBUデジタル開発室は、グループのデジタル化を推進していくために「パーソルグループをより良くしていこう」というマインドと深い事業理解のもと、アジャイルにプロダクト開発を担う内製開発組織です。
CoEのプロダクト開発チームという位置付けですが、単に良いプロダクトを作ることだけがSBUデジタル開発室のミッションではありません。グループ全体を見通すホールディングスの立場を持ちつつも、事業会社の立場で開発に取り組めるという“いいとこ取り”をしながら、パーソルグループのビジネスやプロダクトにとって価値ある提言からその実現までを手がけられるチームであることを目指しています。
―どのような経緯で、SBUデジタル開発室が立ち上がったのですか?
中桐:企画からプロダクトを形にすることまで一気通貫で担うCoEには、IT企画、データサイエンティスト、ITコンサルタント、エンジニア……と多様な職種のメンバーが在籍しています。CoEのメンバーの多くはITコンサルタントのため、その中でエンジニアのはたらきやすさを担保するためには、“エンジニアのための”育成プランや評価基準、開発上の不便を解消し、エンジニア向けの環境を整備する必要があると考え、組織として切り出しました。
―SBUデジタル開発室の組織体制についても教えてください。
吉澤:SBUデジタル開発室は、プロダクト開発に取り組む3つの「スクラムチーム」、技術力とリーダーシップをもって、エンジニアチームのアウトプットを最大化する「Techlead」、そして開発に欠かせない環境や標準化されたルールの整備を担う「SRE(Site Reliability Engineering)チーム」、で構成されます。
TechleadとSREチームが横断的な役割を担うことで、スクラムチーム*はプロダクト開発に集中できるように体制を整えています。
*パーソルホールディングスでは、柔軟さや迅速さを特徴とするアジャイル開発手法のひとつである「スクラム」を取り入れています。「スクラム」では、少人数のチームに分かれチーム同士が協力することにより短期間の開発を実現します。
―なぜこのような体制にされているのでしょうか。
吉澤:今後組織が拡大していく際に新たなスクラムチームが素早く自立・自走できるように、ナレッジや環境を各スクラムチームの中に閉じず共有できる仕組みを、と考えて横断的な役割と組織を設けました。現在は全部で9名(2024年6月時点)という少人数の組織なのでこのような体制をとっていますが、組織の成長に合わせて柔軟にやり方を変えていく予定です。
立ち上げから一年。プロダクト開発と組織づくりにおいて実感する “大きな一歩” の手応え
―現在SBUデジタル開発室ではどのような取り組みを進めていますか?
吉澤:現在は、CoEとして重点的にパーソルテンプスタッフへの技術支援を行っており、実際にプロダクト開発に着手しています。比較的小規模のプロダクトから順に開発を進め、小さな成功体験を積み重ねているフェーズです。
―協業の具体的な取り組み内容について教えてください。
吉澤:派遣スタッフ向けの求人情報の公開から、派遣就業先への紹介、契約に至るまでの営業プロセスにおいて存在するさまざまな課題を解決するために、デジタル化の取り組みを進めています。
たとえば、求人情報の文章品質を一定に保つために生成系AIを活用したツールを開発したり、派遣スタッフの職務履歴を要約してスキルシートに自動で落とし込めるシステムを開発したりしています。
―組織づくりの観点では、どのような取り組みに着手されているのでしょうか。
吉澤:エンジニアがはたらきやすい環境を構築してスケールさせていくことを目指す、組織づくりの取り組みを進めています。“個” のナレッジに頼るのではなく “チーム” として価値提供をしていくために、標準化されたガイドラインや、さまざまな技術や開発手法、事業ドメインなどにまつわる知識、施策を打った結果得られた知見などを共有し活用していこう、というプロジェクトを進めています。
―SBUデジタル開発室立ち上げから今までを振り返って、成果や手応えとして感じているものがあれば教えてください。
吉澤:組織づくりとしてはまだまだ道半ばですが、最初はただの “個人の集まり”だったものが少しずつチームになっていくさまが見え始めていることに喜びを感じます。
またパーソルテンプスタッフとの協業においては、ただ言われたものを作るのではなく、目的や背景を理解した上で「こうした方がいいのでは」と提案しながら開発を進めることができています。パーソルテンプスタッフの皆さんが思い描いていなかったような世界観を提案して形にしていくという点で、CoEとしての価値を発揮できている手応えがあり、今後はより大きな取り組みにも着手していきたいと思っています。
中桐:スクラム開発のフレームワークを使ってパーソルテンプスタッフと協業していく中で、短期間でプロダクトができあがり、議論も活発化して、「プロダクトをもっと良くしていこう」という流れができてきましたよね。
パーソルグループ全体のエンジニアを牽引できる組織を目指す
―おふたりそれぞれの視点から、SBUデジタル開発室として目指す組織像をお聞かせください。
吉澤:CoEとしての技術支援において価値を発揮する中で、多様な技術を自分たちのものにするとともにナレッジの蓄積・共有の仕組みも拡大し、将来的にはそれらをもとにパーソルグループ全体のエンジニアを牽引できるような組織になっていきたいと思っています。
中桐:リモートワークの普及に見られるように人々のはたらき方が変化し、AIによる人的リソースの代替や、メタバースなどの新しいはたらき方も予見されるなど、人材サービス業という業界自体が転換期を迎えている今、これまで通りの“守りの開発”だけでは新たな波に乗り切ることはできません。より戦略的な攻めのプロダクト開発によってテクノロジーの力でパーソルグループを変えていけるように、その強い武器としてSBUデジタル開発室を、そしてCoEを育てていきたいなと思います。
―この組織ではたらく魅力は、どのようなところにあると思われますか?
吉澤:パーソルホールディングスという大規模な組織において成長途中の組織を共に育てていく、ルールやプロセス、技術を組み合わせてものづくりの礎を築いていく、といった他ではなかなか得られない経験をしていけることが大きな魅力だと思っています。
中桐:プロダクト開発においては積極的にモダンな技術を採用しているほか、クラウドサービスなども用いています。多様な技術を活用すること、またフロントエンドからバックエンド、インフラ、クラウドまでフルスタックの経験を積むことで、エンジニアとしての幅を大きく広げていけるのではないでしょうか。
―ありがとうございます。それでは最後に、未来の仲間に向けてメッセージをお願いします。
吉澤:ルールやプロセスが定義されていないところからのスタートですから、他者からの指示を待つのではなく、自ら考え行動して成果を生み出していく “自走できるチーム”であることを大切にしたいと思っています。新たな技術に対して常に興味を持ち、それを手段として「事業にいかに貢献できるか」を一緒に考え抜ける方に、仲間に加わってもらえれば嬉しく思います。
中桐:組織としてやるべきことは明確だけれど、そこに至るまでの道のりはまだ決まっておらず、これからさまざまなアイデアをみんなで出し合って道を選択することができる。そんな環境で、一緒に「これから大きな転換点をむかえる人材サービス業において、テクノロジーを活用した新しい未来を創っていこう」という思いを持ってチャレンジしてみませんか?
※2024年6月時点の情報です。
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