CoEの1年を振り返って ー協業によって踏み出せた新たな一歩を”事業貢献”につなげる

2024.07.24 11:00
パーソルグループでは、
において目指すべき方向性として「テクノロジードリブンの人材サービス企業」への進化を掲げ、グループの各事業・サービスがテクノロジー活用の取り組みを加速させています。また、2023年4月に“テクノロジー人材・組織の進化”のテーマのもとパーソルホールディングス内に「CoE(Center of Excellence)」を立ち上げ、事業やサービスにおけるテクノロジーの実装・活用を強化するべく、グループ各社への技術支援を進めています。


今回はCoEとパーソルテンプスタッフの協業をテーマに、パーソルホールディングスのCIO/CDOとしてグループのテクノロジー戦略をリードする柘植、パーソルホールディングスのCoE戦略の実行を担う中桐、CoEが重点的に支援を行ったパーソルテンプスタッフのデジタル推進担当である藻谷より話を聞きました。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「
」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。
事業を見つめる視点と、パーソルグループ全体を見通す視点のすり合わせ
―まずは、CoEの概要からご紹介いただけますか。
中桐:CoEは、多様な専門性やバックグラウンドを持つテクノロジー人材による組織で、パーソルグループの“戦略的ITリソース”という位置付けになります。
現在パーソルグループではテクノロジー活用を推進するべく、国内38社の*グループ会社がそれぞれに戦略を掲げて多様な施策に取り組んでいます。
その中で、グループとしての広い視点で見た際に特に注力すべき事業領域や施策において、優先的にテクノロジーリソースを活用し、私たちパーソルグループにとって重要なデジタル化を実現するために、各事業や施策に入り込んで技術を含めた戦略的な支援を行うことがCoEの主な役割です。
 *2024年7月1日時点の数字です。
―2023年4月に立ち上がったCoEですが、この1年間を振り返り、企画・組織づくりのフェーズにおいて、特に難しさを感じられた点などはありますか?
藻谷:「こんなスキルを持った方々にサポートしてもらえるんだ」という嬉しい驚きがあった一方、一度にこれだけ多くの方を採用してアサインするという経験が私たちにはありませんから、一つひとつ慎重に検討し調整していかなければならない難しさがありました。


中でも特に難しさを感じたのは、“視点の違い”でしょうか。事業を見てその延長線上で「このプロジェクトでリソースを必要としている」「先のことを考えると、このプロジェクトを経験してもらいたい」と考える私たちに対し、中桐さんはグループ全体や未来を見据えた考えを持っています。そういった中桐さんの視点に刺激も受けながら、お互いに苦労しつつ両者の考えを少しずつすり合わせていった感覚ですが、中桐さんとしてはいかがですか?


中桐:そうですね。事業目線で直近のニーズがないと思われるところに、「もう少し先を見て、新しい価値を生むためにこんな人材を入れませんか」と提案することもありましたよね。その背景には、藻谷さんの言う通りCoEとして描く戦略や思惑があり、またスピード感を持って始動するためにすでにCoEの採用を進めているという事情もあって。
とはいえ最初はなかなかうまくニーズと提案が噛み合わず、パーソルテンプスタッフの立場からの考えに難しさを感じることもあったなと振り返ります。


柘植:初めての取り組みだからこその葛藤という側面も大きいですよね。将来を見据えて必要なことだと両者の思いが一致しても、パーソルテンプスタッフの皆さんの立場に立って考えると「どんな人が来てくれるか分からないから、まずは協業しやすいところからステップを踏んでいきたい」という思いもあったはずです。
―そういった初期の難しさをどのように乗り越えていかれたのでしょうか。
中桐:泥臭い話ですが、藻谷さんや現場の本部長の皆さんと非常に密に連携をとって、何度も何度も提案と対話を重ねてきました。「パーソルテンプスタッフを良くしたい」という思いは、私たちもパーソルテンプスタッフの皆さんも同じです。ただその登り方に一つの正解がある訳ではないので、「こうやっていきたい」「こうすることでもっと成果が出るのでは」と対話することが大切だったと感じています。


藻谷:対話の中で事業のことを知ってもらって、私たちもCoEの皆さんのことを知って、少しずつ相互理解が深まっていきましたね。


中桐:そういった理解が進むことで、「皆さんに受け入れられやすく、成果を出していける人材とは?」と改めて求める人材像を見直したり、「この領域はリソースが不足しているし成果も出そうだから採用強化を」「このフェーズはエンジニアの採用を抑えよう」など新たに方針を立てたりと、並行してCoEの組織づくりの方向性をアジャストしていくことができました。
「事業理解」の懸念については派遣事業についての勉強会をパーソルホールディングスが主体となって実施するなど、事業理解を深めるための活動をCoE内で行いました。小さな活動ではありますが、少しでも自分たちのレベルを高めて信頼を得られるように、少しでも力になれるように、という思いで積み重ねていましたね。
半年の時間をかけて相互理解を深め、プロジェクトが前進
―企画・組織づくりのフェーズを経て、どのようなプロジェクトが始動したのでしょうか。具体的な取り組み内容について教えてください。
中桐:方向性としては大きく二つで、一つはパーソルテンプスタッフにとってニーズがあり、リソースが必要とされているところに入って一緒にプロジェクトを推進していくものです。基幹系システムやクラウド化などに関する重要プロジェクトに参画し、CoEがプロジェクトマネジメントを担いました。


もう一つは、数字的な成果や新たな価値を生み出すための取り組みに企画から携わり、内製で開発を行っていくことです。営業や派遣コーディネーター向けにAIを活用したプロダクトを開発する取り組みなどを進めています。
“一体運営”の意識と体制をつくり上げることができた
―この1年間の協業を通じた成果を、それぞれの立場でどのように捉えていますか?
藻谷:CoEの皆さんとの協業に現場の各部門が前向きになれていること、以前はリソース不足から挑戦できなかったような新たな取り組みにも踏み出せたことが成果だと捉えています。


中桐:戦略の部分から私たちが入って“一体運営”を行うことが、CoE始動当初から私が描いていた目標です。最近はCoEのコアメンバーがパーソルテンプスタッフの重要な意思決定をする会議に入って意見したり、本部長の皆さんとプロジェクトの進捗や課題を一緒に確認して成果を出すための施策を話し合ったりしているシーンも見られるようになり、こういった体制を作って2024年のスタートダッシュを切る準備ができたことが、2023年の成果だと思っています。


柘植:うまくいくと信じていましたが、初期の苦労を乗り越えてここまでこられて良かったと率直に思いますね。
CoEとの協業を、テクノロジー部門のみならず全社に広げていく
―これから、どのような取り組みを進めていくのでしょうか?
柘植:これまでは実績や事例を作るために、イメージしやすくクイックに成果を出せるプロジェクトに着手してきましたが、今後は“事業に対してより大きなインパクトと価値を与えるような取り組み”に集中するフェーズに入ります。


中桐:CoEにはデジタルをベースに定量的な価値を生み出せる企画・テクノロジー人材や、データ分析によりビジネス価値を生み出すデータサイエンティスト、アジャイルにモノづくりができる内製エンジニアなど、本当に多種多様な人材が所属しています。
コラボレーションによってさまざまなことを実現できる、まだまだ新たな価値を生み出せる組織だと思っているので、この強みを活かして「パーソルテンプスタッフにおいて、いかにアジャイルで価値を出すか」を昨年以上に突き詰めていければと思います。
より長期的には「パーソルテンプスタッフのトップラインとボトムラインをデジタルで引き上げるのに寄与する」という私たちCoEの使命を果たした先に、お客さまや従業員などパーソルテンプスタッフを取り巻くすべての人たちが「はたらいて、笑おう。」を実現している状態を目指したいと思っています。そしてその実現を通して、私たちのチームとしての幸福度も高めていきたいですね。


柘植:それらを実現するためには、藻谷さんが牽引するテクノロジー組織だけでなく、営業やミドルバックの皆さんとも相互理解を深めて協力していくことが欠かせません。この1年間で育んだ協業のあり方を、パーソルテンプスタッフという会社全体に広げていくことがこれからのテーマの一つになるかもしれませんね。


藻谷:今企画しているものをいかに現場に浸透させて行動変容を起こすのか、といったテーマでもCoEの皆さんと一緒に考えて、全社と深く関わってもらいながらパーソルテンプスタッフの強みでもある「人の介在価値」を高めていければと思います。
―CoEという「組織」の観点での展望としてはいかがですか? 目指す像やそのためにチャレンジしたいことがあれば教えてください。
中桐:ROIを正しくジャッジしながら注力すべき領域に集中的にITリソースを投入できる、このCoEというスキームを2026年以降も継続していきたいですし、今後その体制をより大きくして構えていきたいと思っています。


「従業員の生産性が高まる喜びを感じるホールディングスの立場」と「事業を通じて社会に貢献する喜びが得られる事業側の立場」の“美味しいとこどり”ができる、この組織ならではの魅力をもっとアピールしていきたいなと。またメンバーのはたらきやすさやモチベーションに繋がるように、組織やプロセスの設計もさらにレベルアップさせていければと思います。


※2024年6月時点の情報です。


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