重さがネックで苦戦していたGRカローラ! ついに全日本ラリーで初優勝を遂げた!!

2024.07.15 17:30
この記事をまとめると
■全日本ラリー選手権・第6戦「ARKラリー・カムイ」でトヨタGRカローラが初優勝
■GRカローラはGRヤリスよりも重いが安定性が高くニュートラルなハンドリングで扱いやすい
■GRカローラは9月6〜8日に開催の全日本ラリー選手権・第7戦「ラリー北海道」にも参戦予定
全日本ラリーでGRカローラが初優勝
  全日本ラリー選手権・第6戦「ARKラリー・カムイ」が7月5〜7日、北海道虻田郡ニセコ町を舞台に開催。既報のとおり、新井大輝選手がシュコダ・ファビアR5を武器に最高峰のJN1クラスを制し、シーズン4勝目を獲得したが、それ以上に歴史的なリザルトとなったのが、JN2クラスの松岡孝典選手の優勝だといえるだろう。
  というのも、松岡選手のマシンは2022年にリリースされたトヨタGRカローラで、ついに全日本選手権で初優勝を獲得したのである。
  GRカローラが全日本ラリー選手権にデビューしたのは2023年の開幕戦「新城ラリー」で、名門チーム「ラックスポーツ」が世界のラリーシーンに先駆けて最高峰のJN1クラスに投入。松岡選手がドライビングを担当していたが、同じ4WDターボのGRヤリスよりも車両重量が重たいことから、苦戦の展開を強いられていた。
  これと同様に2023年の全日本ダートトライアル選手権には山崎利博選手がいち早くGRカローラを投入していたが、こちらもヘビーウェイトに苦戦。
  しかしその一方で、GRカローラはGRヤリスよりもホイールベースが長く、安定性が高いことから、グラベルラリーでは抜群のパフォーマンスを発揮。事実、松岡選手は2023年の第6戦「ラリー・カムイ」で4位に入賞、噂に違わぬパフォーマンスを披露していたのだが、1年間の時を経てGRカローラは進化を遂げており、2024年のラリー・カムイで再び素晴らしい走りを披露していた。
  GRカローラを武器にオープニングのSS1でベストタイムをマークした松岡選手は、SS2、SS3でもSSウインを獲得。セカンドループのSS4、SS5、SS6ではラックスポーツで、スバルWRXを駆る三枝聖弥選手にSSベストを奪われるものの、松岡選手はセカンドベストをマークし、2番手の三枝選手に10.6秒の差をつけて、6日のレグ1をフィニッシュしていた。
9月の「ラリー北海道」での活躍にも大期待
  7日のレグ2でも松岡選手は余裕のクルージングを見せながらも、SS9、SS10、SS11、SS12でベストタイムをマーク。さらに2番手につけていた三枝選手が脱落したことで、後続に1分30秒以上の差をつけて自身およびGRカローラの初優勝を獲得した。
  こうして全日本ラリー選手権、そしてダートトライアルやジムカーナのスピード競技を含めてすべての全日本選手権で初優勝を獲得したGRカローラだが、その勝因は前述のとおり、ロングホイールベースが生み出した安定性だといえるだろう。
  ドライバーの松岡選手にGRカローラの利点を尋ねた際、「どこでタイムを稼いでいるのかよくわかりませんが、コントロールがしやすくて、リヤが出るようなことはなかった。安心してドライビングできました」と回答。GRカローラは、GRヤリスはもちろん、スバルWRXよりも車両重量が重く、ルーズなウエットグラベルではヘビーウェイトが不利となるはずだが、松岡選手はGRカローラのニュートラルなハンドリングを武器にラリーを支配していた。
  また、JN1クラスからJN2クラスにクラスを変更したこともGRカローラの勝因のひとつで、2023年のJN1クラスでは、シュコダ・ファビアR5やGRヤリスRALLY2といった国際規定モデルやスバルWRX S4など大胆なモディファイを行った国内規定モデルを前に苦戦。GRカローラはJN1クラスに参戦するために仮ナンバーで登録していたが、大幅なアップデートが行われなかったことから、JN2クラスのナンバー付き車両に近い状態となっていた。
  しかし、2024年はJN2クラスに参戦すべく、ラックスポーツはナンバー付き車両としてGRカローラの競技車両を新規制作。開発が遅れたことから、GRカローラのJN2仕様車のデビュー戦は第5戦のモントレーとなったが、JN1クラスで得た経験を随所に盛り込んだことで、松岡選手×GRカローラは待望の初優勝を獲得した。
  もちろん、ドライバーの顔ぶれにおいても、新井敏弘選手、勝田範彦選手、奴田原文雄選手、鎌田卓麻選手など、全日本ラリー選手権のチャンピオン経験を持つベテランが集結するJN1クラスに対して、JN2クラスは前述の三枝選手などの若手ドライバーを中心とする顔ぶれとなっていることも大きな要素。2023年にJN1クラスで強豪たちに揉まれてきた松岡選手にとって、JN2クラスのトップ争いは比較的に戦いやすかったに違いない。
  このように、いくつかの要因で待望の初優勝を獲得した松岡選手×GRカローラは、9月6〜8日にかけて、北海道帯広市を舞台に開催される全日本ラリー選手権・第7戦「ラリー北海道」にも参戦する予定となっているだけに、高速グラベルラリーで2連勝を果たせるのか、その動向に注目したい。

あわせて読みたい

トヨタ系の「ROOKIE Racing」はなぜAMG GTを使う? スーパー耐久にトヨタ車じゃないクルマで参戦する理由
WEB CARTOP
リッター1kmなんて燃費も当たり前! 全日本ラリーマシン各車の「燃費性能」をドライバーに直撃した
WEB CARTOP
ポップアップイベント 丸山百景 KEITA MARUYAMA 30TH ANNIVERSARY「丸山敬太の縁起物市 in 銀座三越」開催
PR TIMES Topics
新型GRヤリスの超絶進化はモータースポーツでわかる! ダートトライアルで見せつけた圧倒的なポテンシャルとは
WEB CARTOP
第813回:ラリーカメラマンが物申す! ここがヘンだよ「ラリージャパン」[エディターから一言]
webCG
紙を消費しない新スタイルメモ「Kaite(カイテ)メモ」リニューアル
PR TIMES Topics
ハイエースとポルシェとミライースが同じ土俵で激走! 全日本ラリーの「オープンクラス」の出場マシンが多彩すぎて衝撃
WEB CARTOP
「ヨレヨレ」「ハンター」「パッション」……ってコレ全部日本人のJAF競技ライセンス名! ダートラ参加選手の「名前」がお笑い芸人並みに個性的だった
WEB CARTOP
divan「アードワーズチョコレート」新商品「アールグレイ」も加わりアソートで登場
PR TIMES Topics
WRC通算20勝 レジェンドドライバーのディディエ・オリオール氏がFIT-EASY Racingから「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」に参戦します!
ラブすぽ
第883回:中古の「トヨタ・カローラ」がコレクターズアイテムに! イタリアの自動車ショー「アウトモト・デポカ」に高ぶる[マッキナ あらモーダ!]
webCG
相続にはトラブルがつきもの? 予期せぬ事態への対処法
antenna
「とにかく走りが好き」だったら素うどん的なクルマもあり! 安さが魅力の「モータースポーツベース」車両5台
WEB CARTOP
悪路を激速で走るタイヤってどんなもの? じつは公道走行も可能な「ダートタイヤ」の中身をプロドライバーに聞いてみた
WEB CARTOP
医療現場では選ばれてきた新商品「グアー豆食物繊維がとれるゼリープラス ライチ」発売
PR TIMES Topics
お馴染み自動車評論家の国沢光宏さんが魔改造ミラで激走! 全日本ラリーの「ミライースターボXX」はキット化の可能性も大!!
WEB CARTOP
「フォーミュラジムカーナ」の初代女王に輝いたのは吉川萌衣選手! 日本一の自動車部所属女子大生はじつは女子クラス新設の立役者だった
WEB CARTOP
「相続ナビ」で相続を手軽に! 事例とともに対処法を解説
antenna
「日産=23」「本田宗一郎さんの誕生日で17」! スーパーGTの「カーナンバー」の意味を探ってみたら意外に奥深かった
WEB CARTOP
【タイヤ】足元を優雅にドレスアップ!ホイール裏側にも工夫満載のプレミアムモデル
MADURO ONLINE
抹茶のバタークリームとクッキーの芳醇な香りの「抹茶バターサンドラムレーズン」新登場
PR TIMES Topics