長澤まさみさんを起用したCMもヒット! ハッキリいって中国メーカーのBYDは日本で確実に成功に向かっていた

2024.07.05 13:00
この記事をまとめると
■2023年1月から日本市場での販売を始めたBYDは1年半で2277台のBEVを販売
■BYDの購入者層は40〜50代が多く輸入車・国産車を問わない乗り換えが多い
■ディーラーネットワークの構築で購入へのハードルを下げてきたことで売り上げを伸ばした
登録台数でいえばアルファロメオと同等に売れている!
  長澤まさみさんを起用した「ありかも、BYD!」のCMが話題となり、最近知名度を広げているBYD。公道で見かける機会も増えてきたが実際にどんなユーザー層が購入しているのだろうか? 現状のオーナーはATTO3もしくはドルフィンのオーナーということになるが、そのオーナー層に迫った。
スタートダッシュは成功
  まず、ここまでBYDがどれくらい売れているかを確認してみよう。2023年1月から日本市場での販売を開始したBYD。2024年5月まで、約1年半の期間で2277台を登録した。2023年の1年間では1446台を登録している。期間が2023年4月~2024年3月までの2023年度の1年間となるため、直接的な比較は難しいがJAIA(日本自動車輸入組合)のデータを見てみると、1年間の登録台数でいえばアルファロメオの1488台に迫る台数となっている。
  ちなみに日本市場への導入時期の近さや、電動車オンリー(日本市場では)という側面から何かと比較されがちのヒョンデの2023年度の販売台数は585台となっている。このような数値から見ると、新興のBEVインポートカーとして考えた場合、BYDはかなり善戦しているといえるだろう。
  日本でのインポートカーというのはほかの国よりも商売的に難しい。日本には多くの自動車メーカーがあり、安くて高品質なクルマを手厚いアフターサービスも含めて手に入れることができるからだ。日本市場でのインポートカーはどうしてもブランド力が重要となってしまう。そのような側面を考えるとBYDのスタートダッシュは成功しているといえる。
どんなユーザー層が多い?
  では実際にどのような人がBYDオーナーとなっているのだろうか? もっとも多い年齢層は40代で、次いで50代、3位に30代となっている。コストパフォーマンスがいいといわれるBYDだが、やはりフルバッテリー駆動のBEVであるためどうしても本体価格はある程度高くなってしまう。そうなると若年層には気軽に手が出せるモデルではないということだろう。実際にディーラーのオープンイベントを開催すると50代が多いとのことだ。
  どのようなクルマから乗り換えが多いかという点に関しては、最近変化が見えるそうだ。最初はテスラや日産リーフなどのBEVからの乗り換えが多かったそうだが、ここ最近は輸入車、国産車、内燃機関搭載車問わずの乗り換えが増えてきているという。
成功の理由はディーラーの整備など日本に合わせた販売戦略の賜物
  正直、BYDの日本市場への参入は成功しやすい環境ではなかった。先に述べたように、日本でのインポートカーはブランド力が必要となるし、その辺りは歴史あるヨーロッパメーカーには敵わない。また、実用の面ではBEVには否定的な声もある。
  そのようななかでもここまでの成功を納めることができたのは、日本市場でクルマを売るということをしっかりと考えているからだろう。2024年6月現在、ディーラーネットワークは開業準備店も含めて55拠点となっていて、ショールームは30拠点だ。これからも販売ネットワークを増やす予定とのことで、「ディーラーへ行って営業マンからクルマを買う」という日本流のクルマの買い方に準拠した地道なネットワークの構築が功を奏しているといえる。
  また、冒頭で伝えたCMの効果も大きいそうだ。CMを見てディーラーへ足を運んでみる人も多く、来店プレゼントや試乗プレゼントなども用意されている。ディーラーへ行く心理的ハードルを下げて、まずはBYDのBEVを体感してもらい「電気自動車ってありだね」と思わせる戦略を取っているようだ。
  そして、0金利キャンペーンや認定中古車制度の導入も購入への心理的ハードルを下げていて、販売台数を増やしている要因といえるだろう。とくに認定中古車制度は、リセールバリューが不安になるBEVの購入にとっては嬉しい制度といえる。
  クルマそのものの完成度も高いと評されることが多いBYDだが、売れている理由はそれだけではない。日本という特殊な市場に合わせた売り方にも理由があるといえそうだ。これからどこまで輸入車メーカーとして延びていくかも注目だ。

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