100年ものづくり企業の危機と変革 〜コロナとサイバー攻撃による危機をDXでチャンスに変える、真工社の挑戦〜

2024.06.12 07:00
創業1922年、100年以上にわたり埼玉でめっき加工業を営む当社・株式会社真工社は、2020年に新型コロナウイルス感染症とサイバー攻撃のダブルパンチという前例のない危機に陥りました。


しかし、この危機をチャンスと捉え、全従業員が一丸となって「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に乗り出すことを決意。社長自らDX推進室を立ち上げ、デジタルツールの実践的な学習に着手しました。


「製造現場のアップデート」「データドリブン経営」「アジャイル組織」「新規事業創出」の4本柱を掲げ、全社で業務変革に取り組みました。最初はGoogle無料ツールを活用し、業務の効率化に着手。可視化によりムダが一掃され、社員の意識改革の きっかけとなりました。


さらにその後、どのようなプロセスとメンバーの想いを経て変革を遂げていったのか。新規事業の立ち上げから業績回復に至る軌跡とは。今回はそうした具体的なストーリーをメンバーの生の声を交えてご紹介します。DX推進で悩む企業の皆様の参考になれば幸いです。
コロナとサイバー攻撃で陥った前例のない危機
2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行と同時期に、当社のシステムはサイバー攻撃を受けました。この新型コロナとサイバー攻撃の二重の脅威により、当社は業績不振と重要データの喪失という前例のない危機に見舞われました。


眞子:「新型コロナの影響で、対面での営業活動が制限されたため受注が激減しました。さらに同時期に起きたサイバー攻撃で、長年蓄積してきた顧客データや設計データなどの重要なデータを失ってしまいました。生産現場の混乱も加わり、余談を許さない状況でした。」
(代表取締役社長 眞子岳志)


業績不振に加え、重要データの喪失という事態が重なり、当社を取り巻く環境は厳しいものとなりました。しかし、この逆境こそが新たな気づきと行動を生む好機となりました。
危機を乗り越えるため改革へ、社長自らDX推進室を立ち上げ
この危機を契機に、当社は「DX(デジタルトランスフォーメーション)」による全社的な改革に乗り出しました。


眞子:「当時は会社の存続すら危うくなっていました。だからこそ、大胆な改革に踏み切る決意がありました」
社長自らDX推進室を立ち上げ、デジタルツールの実践的な学習に着手。「製造現場のアップデート」「データに基づく経営判断」「アジャイル組織」「新規事業創出」を4本柱に掲げ、全社員が現場主体で業務のデジタル化に取り組みました。


眞子:「私自身がデジタルツールを学び、社員一人ひとりとも議論を重ねながら、現場の声に耳を傾けて進めていったんです」
デジタル化で効率化された業務、実感して意識が積極的に
最初の一手は、Google無料ツールのAppSheetやスプレッドシートを活用し、お弁当発注業務や工場収支管理などをデジタル化することから始めました。


上原:「従来は紙で発注したりデータ集計していた業務を、タブレットでの入力と自動集計に変えただけなのですが、その効果は驚くべきものでした」
(DX推進室 室長 上原 和也)


人為的ミスがなくなり、業務工数が大幅に削減されただけでなく、リアルタイムでデータが可視化されるようになりました。社員一人ひとりが、データに基づく意思決定の重要性を実感でき、これが意識改革への大きな第一歩となったのです。


上原:「最初はデジタルツールへの抵抗感があった社員も、自分の目で業務が劇的に効率化する姿を見て、みんな積極的になっていったんですよ」
データの可視化で向上する生産性、データドリブンな経営の実現で強い組織へ
業務のデジタル化が進むにつれ、徐々にその成果が表れてきました。最初は単純な業務の効率化からスタートしましたが、データの可視化が進むことで、その効果は想像以上のものとなりました。


上原:「業務がデジタル化され、可視化されたことで、生産性は飛躍的に向上しました。単純作業の自動化によるリードタイムの大幅な短縮や、むだな動きの削減など、想像以上のコスト削減効果がありました」
眞子:「従来は勘と経験に頼った判断が多かったのですが、今ではデータに基づく正確な判断ができるようになり、的確な方針決定が可能になりました。機会ロスもなくなり、適切な時期に適切な判断ができるようになったのが大きかったですね」
データに基づく意思決定が可能になったことで、生産計画の立案や在庫管理、設備投資の判断など、経営の要であるあらゆる側面で、これまでにない質の高い判断が可能になったのです。単に業務効率が上がっただけでなく、企業経営そのものの質を飛躍的に高めることができました。


このようにデータドリブンな経営を実現できたことが、当社の大きな変革(トランスフォーメーション)につながりました。作業工数の削減などによるコスト削減効果も重要ですが、それ以上に意思決定の質が高まり、強い組織体質を持てたことが最大の成果だったと言えるでしょう。
組織運営が高く評価され、第1回「埼玉DX大賞」優秀賞を受賞
当社のDX推進による組織変革の取り組みは高く評価され、2024年に開催された第1回「埼玉DX大賞」において、優秀賞を受賞しました。埼玉DX大賞は、埼玉県と埼玉県DX推進支援ネットワークが主催する、県内中小企業等の優れたDXの実践事例を表彰する賞です。


眞子:「製造現場の課題解決からスタートし、データドリブン経営の実現、アジャイル組織への転換と、全社的な変革を成し遂げた当社の取り組みが評価されての受賞です。創業100年を越える歴史ある企業として選出されたことを大変名誉に思います」


無料ツールの活用による社内DXの推進と並行して、外部の専門人材を積極活用し、業界を問わず幅広い企業のDX支援事業への展開を実現したことが高く評価されました。自社のDXノウハウを武器に、他社のDX化支援にも積極的に取り組む先駆的な試みは大きな評価ポイントとなりました。


この受賞を機に、さらなるDX推進の加速と社外支援の強化に向けた機運が一層高まりました。
(第1回「埼玉DX大賞」表彰式の様子)
上手く進んだDXの取り組み、評判の良さから社外のDX推進も支援へ
社内でDXを推進していく中で、当初は想定していなかった新たな機会が訪れました。DXの取り組みがうまく進み、業務効率化や経営判断の質の向上など、確かな成果が出始めたことから、同業他社や取引先からその評判を耳にするようになったのです。


上原:「社内の改革が進み、業務の効率化や生産性向上の実績が出始めたことから、他社の経営者の方から"うちの会社も真工社さんにお願いしたい"とお声がけいただくようになったんですよ」
こうして、当初は社内のDXが目的だった取り組みが、いつの間にか社外への支援事業へと発展していったのです。この社外支援事業では、クラウドワーカーや副業のITプロフェッショナルなど、外部の専門人材を上手に活用しながら、社内の製造現場のデジタル化と並行して推進していきました。


上原:「中小企業では優秀な人材の確保が課題になりがちです。でも、外部の専門人材を積極的に活用したことで、社内の人材に過度な負担をかけずに育成できたうえ、支援業務の請け負いも可能になったんです」
支援先企業から好評価の声、さらに広がるDXへの取り組み
手前味噌ではありますが、これまでの取り組みについて、多くの支援先企業の皆様から好評価をいただいております。


「Googleツールの導入で情報の行き違いがなくなり、業務が円滑になりました。歩合給アプリも計算ミスがなくなって助かっています。真工社さんには丁寧にわかりやすく教えていただき、助かっています。」(株式会社ビップトップ 代表取締役)


「業務のデジタル化で大変助かっています。お弁当アプリは効率が格段にアップし、従業員の負担も軽減できました。マニュアル動画も分かりやすく、若手への技術継承にも役立っています。真工社さんには本当に感謝しています。」(株式会社ミック 総務部長)


「製造ラインアプリで業務プロセスを見直せたのが一番の収穫でした。作業の無駄が減り、意識が変わりました。さらに、真工社の方々と一緒に取り組むことで、Googleツールの活用方法なども学べそうです。現場発のサービスならではの地に足がついた支援に感謝しています。」(株式会社大倉 工場長)
「まずは小さなデジタル化から」、培ったノウハウを社会に還元しながら共にDXの道を歩み続けていく
今後は、これまでに培ったDXノウハウを社会に還元していく取り組みにも注力していきます。


眞子:「すでに埼玉県内の中小企業向けDXセミナーに複数回登壇し、私たちの経験を語らせていただいています。今後は単独の講演会の開催や、海外の日系企業への支援なども視野に入れています」
DXは大きなテーマですが、最初から無理して取り組む必要はありません。まずは小さな業務のデジタル化から始め、コツコツと継続することが大切です。全くデジタル化を行わないことこそがダメで、些細なことから着手し、徐々に大きな変革を生み出していくことが重要なのです。


当初は製造現場の一部業務のデジタル化からスタートしましたが、一歩一歩、成果を積み重ねていくことで、結果的に会社全体の大きなトランスフォーメーションにつながりました。デジタル化による小さな変化を怠らず続けることが、大きな変革を生み出す鍵なのです。


現場でDX担当に任命されたが何から手を付ければよいかわからない方、DXで会社を変革したいが経験が浅くスキルや知識に自信がない経営者の皆様は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。課題に一つひとつ向き合いながら、DXの道を共に歩んでまいりたいと考えています。
株式会社真工社について
当社は、埼玉県戸田市に本社を置くめっき・表面処理の老舗企業です。1922年の創業以来、100年以上の歴史を有し、樹脂上のめっき加工技術に定評があります。


主な事業は、めっき・表面処理事業、DX支援事業、コンシューマー向け事業の3つ。めっき・表面処理事業では、長年の技術開発で培った高い技術力を強みに、お客様の課題解決と量産化に対応しています。DX支援事業では、自社のDX推進で得たノウハウを活かし、専門パートナーとして他社のDXを包括的に支援しています。


2020年の新型コロナとサイバー攻撃の二重危機を乗り越えるべく、全従業員参加のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組み、徹底した業務効率化とデータドリブン経営の実現に成功。その実績が高く評価され、第1回「埼玉DX大賞」優秀賞を受賞するなど、地元でも認知が広がっています。


今後は培ったDXノウハウを社会に還元し、国内外の中小企業のDX化支援を一層強化していく考えです。


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