上位車種の最廉価グレードと下位車種の最上級グレード! 価格差が小さいならドッチが買いか考えてみた

2024.09.24 07:00
この記事をまとめると
■上位モデルのベースグレードと下位モデルの上級グレードで価格差がほとんどないものがある
■使い方やライフスタイルによって選ぶべきモデルも変わる
■装備内容をしっかりと比較して自分にあったモデルを選びたい
上位モデルと下位モデルでもグレードによっては価格がかぶる
 アルファードZ ガソリン2WD 540万円 vs ヴォクシーHV S-Z E-Four 396万円 差額144万円
  クルマで幅を利かせたい、あるいはVIPのショーファーカーとして使うケースは別にして、アルファードでもっとも安いZ ガソリン2WD 7人乗り(2列目キャプテンシート)、540万円、WLTCモード燃費10.6km/Lと、トヨタのミニバンとして弟分となるヴォクシーの最上級、最高価モデルとなるHV S-Z 2WD 7人乗り(2列目キャプテンシート)、374万円(4WDは396万円)、WLTCモード燃費23.0km/Lの差額は、2WD同士で166万円に達する。3列目席をひんぱんに使うなら、ボディサイズ、室内空間、全席の快適度、静かさ、装備の豪華さ、3列目席の居住性にゆとりあるアルファードを薦める。
  とくに2列目キャプテンシート(アルファードは現在、キャプテンシートのみ)の快適度はトヨタのフラッグシップミニバンならでは。ノア&ヴォクシーのキャプテンシートとは、オットマン完備でも比較にならない。
  そもそも新型アルファードはベースモデルのZでも先代の上級グレード(2番目)なのだ。現時点で先代のベースモデルにあった2列目ベンチシート、そしてリラックスキャプテンシート仕様は存在しない。だから、最廉価モデルでも540万円という値付けになるのだ。差額は大きいものの、アルファードの堂々たるクラス感、もてなし感は別格。
  ただし、ファミリーミニバンとして使うのであれば、先進運転支援機能も充実した(プロアクティブドライビングアシスト、渋滞時ハンズオフ機能を含む)ノア&ヴォクシーの幸福度はまったく劣らない。ノア&ヴォクシーにもユニバーサルステップ(スライドドア開閉に連動した地上200mmのステップ/3万3000円のOP)の用意もあり、高齢者の乗降も楽々だろう。
  欲をいえば3列目席の静かさがもう少しレベルアップすればいうことなしだ。クルマを所有する価値観は人それぞれだが、幸福度はそう大きくは変わらないトヨタミニバンとして優れた両車といっていい。
 ZR-V X FF 320.87万円 vs ヴェゼル e:HEV Z PLaYパッケージ4WD 377.63万円 差額56万7600円
  ホンダのSUVは現在、2024年国産SUV上半期販売台数NO.1のヴェゼル、WR-V、ZR-Vの3車種。ここではヴェゼルの最高額車、e:HEV Z PLaYパッケージ4WDとZR-Vのベースモデル、X FFを比較する。その差額は56万7600円だ。
  両車の違いは、ボディサイズはもちろん、とくに頭上方向のゆとりとラゲッジスペースの容量、使い勝手にある。室内空間でいえば、フィットベースのヴェゼルは身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で後席頭上に125mm、膝まわりに240mm! ラゲッジスペースは奥行き790mm、最小幅1000mm、最低天井高830mm(e:HEVは容量392リットル)だ。
  一方、最新のシビックベースのZR-Vは後席頭上に130mm、膝まわりに245mm! ラゲッジスペースは奥行き880mm、最小幅1020mm、最低天井高745mm(e:HEVは容量395リットル)。数値的には大きく変わらないように思えるが、ヴェゼルのラゲッジスペースにゴルフバッグを積み込むことは実験上、不可能(後席使用時)。しかし、ZR-Vであれば9インチのゴルフバッグ3個を積み込むことができるのだから(後席使用時でも)、その使い勝手の差は大きい。
  もちろん、車格の違いから、ボディサイズもヴェゼルの全長4340×全幅1790×全高1590mmに対して、ZR-Vは全長4570×全幅1840×全高1620mmと、とくに全幅が50mm幅広い。ここも使い勝手に影響するかもしれないが、いまや全幅1840mmはとりたてて幅が広すぎるわけでもないので、運転のしやすさについては、SUVの高い視界もあって、決定的な差にはなりにくいと考えていいだろう。
  走行性能にも違いがある。TVCMでも声高に触れているように、e:HEVモデルの走りがメチャいいシビックベースのZR-Vの乗り心地はやや硬めながら、SUVにして重厚でスポーティな走りが自慢。ヴェゼルは軽快感がもち味となる。なお、走破性にかかわる最低地上高は、ヴェゼルのe:HEV Z 4WDが180mm、ZR-Vは全車190mmで大きな違いはない。
  ただ、今回の比較では、ヴェゼルがe:HEVモデルで1.5リッターエンジンが106馬力、13.0kg-m、モーター131馬力、25.8kg-m、ZR-Vはガソリン車となり、エンジンのみで1.5リッターエンジンは131馬力、24.5kg-mだから、動力性能ではe:HEVのヴェゼルとZR-Vのガソリン車で、車重はほぼ同じながら(ZR-V X FF 1460kg、ヴェゼルe:HEV Z・PLaYパッケージ4WD 1450kg)、ヴェゼルのほうはトルクフルなモーターが加わるため、加速性能、トルク感を含め優位に働くことになる。
  当然、燃費性能もハイブリッドのe:HEVとガソリン車ではさすがに大きく異なり、ヴェゼルのe:HEV Z・PLaYパッケージ4WDはWLTCモードで21.3km/Lと、4WDのSUVとしてはかなりの好燃費(e:HEV X FFなら26.0km/L)。ガソリン車のZR-V X FFは14.6km/Lとなる(ZR-Vの名誉のためにいっておくと、e:HEV X FFは22.1km/Lだ)。SUVはほしいけれど、燃費は気になる、というなら、ラゲッジスペースの使い勝手はともかく、ヴェゼルの選択がいいかも知れない。
  先進運転支援機能のホンダセンシングについては、両車、基本的に同一。ただし、車線変更時などでの接触事故を未然に防いでくれるブラインドスポットインフォ―ションは、ZR-Vの場合は全車標準で、ヴェゼルもe:HEV Zグレードに標準装備されるから、その内容に大きな差はないことになる。もっとも、走り好きの人にとっての幸福度では、ZR-Vとなるはずだ。
軽自動車でも最上級グレードはかなり高価で装備も充実
 フリード AIR 250.8万円(ガソリン) vs N-BOX CUSTOM ターボ コーディネートスタイルFF 222.97万円 差額27万8300円
  発売されたばかりの新型フリードは室内空間のゆとり、全席の居住性の良さ、2列目キャプテンシートの用意、快適性、驚異の静粛性、走行性能の良さ、シートアレンジのしやすさなどで、このクラスのミニバンとして最上の仕上がりを見せるコンパクトミニバンだ。ここでは、そんな新型フリードの最廉価モデルとなるAIRのガソリン、FFモデルと、クロスオーバータイプのJOYが加わった、2024年上半期にフィットなどの登録車を含む国内販売台数No.1のホンダのドル箱、N-BOXの最上級、最高価モデルを比較する。
  グレードは フリードがガソリンAIR FFの250.8万円と、N-BOXはカスタムターボコーディネイトスタイルFF、222万9700円とした。そしてその差額は意外に小さく、27万8300円だ。
  もちろん、3列シート、6名乗車がマストというならN-BOXの選択はなくフリードになるが、ともに両側スライドドアを備える両車の後席(2列目席)の居住性を比較すれば、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で、N-BOXは頭上に235mm、膝まわりに最大420mmもの、ボディサイズからは想像もできない驚くべき広さがある(フロアはフルフラット)。
  新型フリードはといえば、同、頭上に215mm、膝まわりに最大360mmのスペースが確保されている。数値には違いがあるが、フリードでも圧巻の広さを、より贅沢でかけ心地のいいキャプテンシートで味わえるのだから、後席(2列目席)の居住感覚では、ミニバンのフリードが圧勝して当然だ(残念ながら新型フリードの売りであるリヤクーラーはAIRグレードには付かない)。
  では、ラゲッジルームの使い勝手はどうか。ここでもボディサイズの違いがモノをいい、フリードは3列目席使用時で奥行き240mm、3列目席格納時の奥行き990mm、幅930〜970mm、最低天井高1140mm。N-BOXは奥行き330~540mm(後席スライドによる)、幅900mm、最低天井高1200mm。つまり、1-2列目席(N-BOXは前後席)使用時の奥行ではフリードの990mmが圧倒、幅方向も広く、荷物の積載性ではやはり登録車のフリードが有利ということになる。
  動力性能を見ると、2列目キャプテンシートの6人のみのフリードAIR FFは1370kgの車重で4気筒1.5リッターエンジンは118馬力、14.5kg-m。WLTCモード燃費16.5km/L。一方、N-BOXのカスタムターボコーディネイトスタイルFFは940kgの車重で3気筒660ccのターボエンジンが64馬力、10.6kg-m。WLTCモード燃費20.3km/Lとなる。
  つまり、燃費性能ではさすがに軽量な軽自動車のN-BOXがターボモデルでも有利だが、 絶対的動力性能で、フリードはガソリン車でも優位に立つ(新型フリードが穏やかな走行性能にこだわっていても)。つまり、登坂、高速走行を含め、余裕ある走りが可能ということだ。
  先進運転支援機能のホンダセンシングについても、フリードはさすがにホンダ最新モデルだけに、後方誤発進抑制機能やトラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)、そしてブラインドスポットインフォメーション(EXグレードとクロスターのみ)と充実度を高めている(ACCの作動範囲は両車ともに渋滞追従機能付きで0~135km/h)。
  こうして見ると、あくまでN-BOXを最上級グレード、最高価グレードで選んだとすればの話だが、新型フリードの最廉価モデルとの差額27万8000円はフリードの内容からして決して大きくはなく、どうしてもN-BOXのサイズじゃないと困る、というケースを除いて、e:HEVモデルもガソリン車もぶっちぎりの完成度を誇り、6名が快適に乗れる、所有する幸せ感もある2列目キャプテンシートを備えた新型フリードを選ばずにいられない……というのが、燃費差をわかった上での筆者の本音である(新型フリードの真打ちはe:HEVモデルだが)。

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