軽自動車販売ランキングで1カ月天下に終わったスペーシア! 王者N-BOXに再逆転を許したのは「タントの出荷が再開したから」の噂を検証した

2024.08.14 13:00
この記事をまとめると
■2024年5月にスズキ・スペーシアが軽自動車の販売台数トップになった
■4月にダイハツ・タントの生産が再開されてからはランキングの状況が変わりつつある
■販売に苦戦していたホンダN-BOXは先代モデルよりも売れるようになってきている
スズキが首位に立つもダイハツの出荷再開ですぐに陥落
  2024年上半期、自動車業界での大きなニュースのひとつが「絶対王者N-BOXが販売トップから陥落した」ことだった。具体的には、2024年5月の販売実績において、軽自動車および全体としてのトップの座をホンダN-BOXからスズキ・スペーシアが奪取したのだ。
  軽スーパーハイトワゴンは日本の自動車市場における主役といえるカテゴリーであり、その人気をけん引するN-BOXとスペーシアというライバルモデルは、2023年秋に相次いでフルモデルチェンジを果たしたことで、カテゴリーへの注目度はいっそう高まってきていた。
  スペーシアがN-BOXを超えてトップの座を奪った背景としては、もう一台の軽スーパーハイトワゴンの定番モデル、ダイハツ・タントの状況が関係しているともいわれた。
  ご存じのようにダイハツは2023年末に認証申請における不正が発覚、年始から全モデルの出荷停止が続いていた。当然そのなかにはタントなど軽自動車も含まれる。軽スーパーハイトワゴンにおける三つ巴のライバルから一台が突然消えてしまったことでパワーバランスが崩れ、それがスペーシアの追い風になったという見方だ。
  より具体的にいえば、タントの購入層の多くがN-BOXではなくスペーシアに流れたというのだ。そこにはスズキやダイハツの軽自動車は、複数ブランドを扱う自動車販売店で売れているという事情が関係しているというのが、もっぱらのウワサだった。
  自動車メーカーからすると、販売協力店、ユーザーからは街のモータースなどと呼ばれる自動車販売店の多くは、複数ブランドの看板を掲げている。そうした販売店ではスズキとダイハツの軽自動車をメイン商品としていることが多い。そのため、「ダイハツが買えないならスズキにする」というお客さまが多かったということがまことしやかに語られていた。
  はたして、それは事実に即したストーリーなのだろうか。
ランキングを見ると3車3様の販売状況が見えてきた
  全国軽自動車協会連合会による通称名別販売ランキングのトップ3推移を、スペーシアがトップになった5月以降の3カ月で見てみよう。
■2024年5月
 1位 スズキ・スペーシア 1万5160台 (191.9%) 2位 ホンダN-BOX 1万4582台(104.4%) 3位 ダイハツ・タント 6174台(55.1%)
■2024年6月
 1位 ホンダN-BOX 1万6803台(104.8%) 2位 スズキ・スペーシア 1万2425台(137.4%) 3位 ダイハツ・タント 1万1933台(81.9%)
■2024年7月
 1位 ホンダN-BOX 1万6500台(92.1%) 2位 スズキ・スペーシア 1万3073台(133.3%) 3位 ダイハツ・タント 1万2576台(122.6%)
※()内は前年同月比
  いうまでもなく、新車販売においては受注と生産、納車の時期はズレてくる。実際、タントの出荷再開は4月10日なのだが、4月の販売台数は1866台で前年同月比15.6%だったりするのだ。
  それにしても、5月のスペーシアが前年同月比で倍近く売れているのは、いくら新車効果の時期とはいってもイレギュラーな印象はある。タントが出荷停止していた期間に積み上げた受注が、5月に一気に納車された……という風に数字をとらえるのが妥当だろう。
  なぜなら、スペーシアにトップを奪われたからといってN-BOXが売れていなかったわけではないからだ。5月の数字をよく見るとわかるように、N-BOXも前年比を超える販売実績となっている。
  6月以降、タントが1万台を超える販売状況になると、スペーシアのイキオイは若干だが落ち着てきているのが見て取れる。それでも前年比130%を超えるペースで売れているのだからスペーシアの商品性が市場で評価されているのは間違いない。
  そして、「ダイハツが買えないならスズキにした」ユーザーは存在していたのだろうが、それ以上に「ダイハツの出荷再開を待つ」としたファンが少なくなかったことを、統計データは示している。むしろ7月のデータだけで分析すれば、タントの販売増でN-BOXが台数を減らしているという風に見ることができるかもしれない。
  いずれにしてもN-BOX、スペーシア、タントという長年のライバルに、日産ルークスや三菱デリカミニ/eKスペースという魅力的なモデルが群雄割拠状態の軽スーパーハイトワゴンは、まだまだ日本の自動車市場におけるメインカテゴリーであり続けるといえそうだ。

あわせて読みたい

ヒントは現場にあり!【プロトコンサルティング】Unitが見つめる未来
antenna*
より厳しい基準でテストをした……よりも「虚偽記載」が問題! 国が定めた認証試験は「安全なクルマを大量にユーザーに届ける」ために生まれた制度だとの再認識が必要
WEB CARTOP
守備範囲は無限大『ニューモデル速報No.640 スズキ スペーシア ギアのすべてのすべて』発売!
ラブすぽ
日帰り温泉施設「富士眺望の湯ゆらり」にて秋の味覚を使用した秋メニュー販売
PR TIMES Topics
9社もあるのに個性派揃いって日本国民は幸せ! 国産乗用各メーカー「推し」の声を拾ってみた
WEB CARTOP
トヨタが強すぎる! 8月の登録車販売ランキングTOP10は7台がトヨタ車で圧巻の内容
WEB CARTOP
焚き火の匂いを消せる衣料用洗剤発売
PR TIMES Topics
2024年上半期の新車販売ランキング! 相変わらずN-BOXが首位も以前ほどの「勢い」なし! 登録車はやっぱりトヨタが圧倒!!
WEB CARTOP
ナンバーワン軽自動車「N-BOX」がまさかの首位陥落…「1強」時代はこうして終焉を迎えた
現代ビジネス
「しろいし洋菓子店」秋冬新商品!リッチな風味と濃厚バターが贈る「クッキー缶」&「パウンドケーキ」
PR TIMES Topics
2024年上半期の新車販売台数は昨年割れ! 復活の鍵は「トヨタの納期」と「ダイハツの出荷」回復にあり!!
WEB CARTOP
走りの快適性でN-BOX! 後席&燃費でスペーシア! 子育て&アウトドア派はタント! スーパーハイト軽ガチライバル3台を徹底比較した
WEB CARTOP
子どもも親も一緒に楽しめる木製おままごと「スウィートストロベリーキッチン」
PR TIMES Topics
直近の新車販売ではN-BOXがやや失速気味もホンダ全体は絶好調! 登録車は新型フリードとシエンタの争いが注目
WEB CARTOP
いま軽の販売バトルは「クロスオーバーSUV」に託された! スペーシアギア&N-BOX JOY途上で風雲急を告げるハイト軽市場!!
WEB CARTOP
こだわりの3層構造で快適冬支度「ふわふわヘリンボンラグ」
PR TIMES Topics
いまスズキの勢いがヤバい! いまだコロナ禍前には戻らない2024年7月の新車販売ランキングを分析した
WEB CARTOP
軽自動車も高いから同じ値段出すならコンパクトカー買えるじゃん……は合ってるようで間違い! 価格と中身を比べてみた
WEB CARTOP
伝説のABCトリオってじつはソコまで人気じゃなかった? いま軽2シータースポーツが「コペン」しか存在しないワケ
WEB CARTOP
毎日が冒険になる! 「10マイルアドベンチャー」をテーマに掲げる新型スペーシアギアの戦略
WEB CARTOP