ルーマニアの「ダチア」が欧州でバカ売れ! インド製のWR-Vも乗ったら最高! クルマは「いいものを安く」がいかに大切かを思い知らされた

2024.05.03 13:00
この記事をまとめると
■最近の新車は電動化やADASの装備によって高価となり若者には手が出しづらい
■海外製の「安くていいクルマ」に注目してみるとホンダやダチアの凄さに感心した
■いまどきは高機能なクルマが環境と安全に優しいと洗脳されているかもしれないが、すべてのユーザーが高機能を求めているわけではない
いい感じに装備と価格がバランスされたホンダWR-V
  数年前と比べると、クルマはかなり高くなったと実感する。そのひとつの要因は電動化(軽カーもマイルドハイブリッドを搭載)と自動ブレーキや運転支援ADAS(ACCやLKAS)の装備にあり、そのコストだけもバカにならない。
  また、コクピットもデジタル化が進み、さらにクラウドと繋がることで利便性が高まっている。新車のなかには生成AIやアバターが登場するモデルも市販されている。そこに半導体不足と円安が重なり、原材料のコストアップは避けられない。そんな状況なので若者はますます新車が買えない状況に追い込まれている。せめて税金だけも安くならないものかと思うこのごろ。
  最近試乗したデリカミニ(4WDターボ)はADASも使いやすく、長距離ドライブも可能だ。だが、プライスリストを見ると250万円もするではないか。人気のホンダの軽カーN-BOXも高機能で高価格。安価なのはスズキ・アルトで100万円以下のモデルも存在するが機能は割り切っている。
  ところで肝心のユーザーは、ハイスペックなクルマを欲しがっているのか疑問だ。なかには質素で実用的なクルマでいいと思っている人もいるだろう。そんなニーズに対応するモデルも出てきている。ここでは世界で売れている安価で実用的なクルマを紹介しよう。
■インド製ホンダ車は悪くない
  ひと昔前は、本田技術研究所(栃木)の正面玄関を入ると、創業者のメッセージとして「良いクルマを廉価で」という社是が目に入った。オートバイから創業したホンダらしい社是だが、最近はどんどんと価格が高まっている。そこでホンダは創業者の意思を守るべく、安価でいいクルマ作りを実行した。誕生したのはインドで生産されるWR-Vだ。
  大きさはヴェゼルと変わらなく、清々堂々としたSUV。FF(二輪駆動)しか用意されないが、ADASも装備され、機能的には十分だ。価格は200万円台前半と聞いて興味がわく。
  さっそく広報車を借り出して500kmほどドライブしてきた。燃費は高速道路中心なら16km/Lほど走る。キャビンはルーミーで後席の足もとも広い。気になったのはタイヤのロードノイズ。だが、オーナーになったら遮音シートをホイールハウスに貼ったり、スポンジ入りタイヤ(ダンロップ)を履くことで、劇的にロードノイズを低減できる。WR-Vが静かになったら、長距離ドライブも楽ちんだ。
  WR-Vはインドの工場で生産されるが、企画設計はタイホンダ。つまり、ASEANとインドの連携チームが担当した。日本ではわかりにくいが、ホンダのアジア戦略が明確に実ってきた証拠だ。余談だが、アコードはタイホンダで設計生産されるし、オデッセイは中国製だ。最近はベトナムの自動車メーカーも出てきて、新興国の活躍が目立っている。
  クルマは「日本や欧米などの先進国製じゃなとダメ」というのは古い考えだ。米粒みたいに小さな国の日本は世界に進出することで産業が成長してきている。その意味では「メイド・イン・ジャパン」でなくても「メイド・バイ・ホンダ」なら、どの国でも同じ品質のクルマを作ることができるというわけだ。
個人からの支持が厚く満足度が高いダチア
■欧州で大人気なルーマニアのダチア
  インドのホンダ車の次はルーマニアの自動車メーカー、ダチアの話だ。ルーマニアは旧東ヨーロッパに位置し、一部は黒海に面する自然豊かな国。オリンピックでは女子体操選手が活躍するが、ルーマニアは中世以前の時代にローマ帝国が支配していたので、ラテン語で「ローマ人の土地」という意味があるそうだ。
  その昔、訪れたときはご飯がイタ飯風で美味しかった記憶がある。だが、最近はルーマニアのダチアが元気がいい。ルノーと関係が深いので、フランスやイギリスでも人気がある。その理由は質実剛健で実用車としてのコスパが高いのだ。
「motor1.com」というイギリスのWEBでは2023年のブランド別販売台数のデータを公表しているが、このデータで興味深いのは、全販売台数におけるプライベート(個人所有)の比率でランキングしていること。そしてそのトップはルーマニアのダチアなのだ。
  ダチアの2023年の販売台数は49万6468台だが、その内訳を見ると、個人所有が80%の39万6241台でトップ。台数主義ではなく、個人から支持された比率をみている。2位はホンダで、台数こそ5万9376台と少ないが、74%の4万3777台が個人所有。トップ10にドイツ車がいないことは意外だった。ちなみにVWは100万台以上を販売するが、そのほとんどが企業リースで個人所有は32%にすぎない。
  イギリスでは2018年に「Dacia Buy Online(オンライン購入システム)」を立ち上げ、オンラインで購入手続きができるので、手間が省ける。個人所有ほどオンラインが向いているのかもしれない。
  手続きの途中で店舗に足を運んでも、ID番号を示すと、ゼロから始める必要はない。クルマも安価であるが、売り方も工夫しており、ダチア旋風は止まらないと関係者は述べている。
  どこの国のユーザーも、無駄に高機能なクルマを求めているわけではない。メーカーの宣伝効果で高機能なクルマが環境と安全に優しいと洗脳されているのかもしれない。2年前のCOTYで100万円を切ったスズキ・アルトに満点を投じたが、そんなアルト現象はもっと評価されるべきかもしれない。

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