海外のディーラーマンはライバル車に乗るなんて当たり前! 自社扱い車しか乗れない日本のディーラーは80年代を引きずりっぱなし

2024.04.13 07:00
この記事をまとめると
■日本のディーラーマンは自社扱い車以外の使用を禁止していることがほとんど
■海外では他社製品を通勤で使用することも当たり前だ
■日本のディーラーはバブル期の名残をまだ色濃く残しているので変革が必要だ
海外ではディーラーの営業マンは好きなクルマに乗れる
  先日、インドネシアの首都ジャカルタを訪れたとき、ジャカルタ近郊の新興開発地域にあるBYDディーラーを見に行った。平日にもかかわらずショールームは大勢の来店客でにぎわっていた。様子を見る限り、商談をしている人というよりは、試乗を待つ人たちがショールームで待機しているという感じであった。2024年1月からインドネシアでの国内販売を始め、すでにバックオーダーが1400台になっているというから、現地でのBYDの立ちあがり時点での売れ行きはかなりいいといっていいだろう。
  そんなBYDディーラーの奥の駐車スペースに、中国チェリー(奇瑞汽車)の「オモダE5(BEV/バッテリー電気自動車)」が停めてあった。聞いてみると、そのディーラーのスタッフのマイカーとのこと。ライバル比較も兼ねて乗っているのかもしれないが、同じ中国系メーカーのライバル車ともいえる車種に乗り、しかも出社できることに少々驚かされた。
  日本の新車ディーラーでは、通勤や日々の営業活動で使うクルマについては自社扱い車以外の使用は事実上禁止されている。これはたとえ扱い車であっても、資本の異なる、つまりライバルディーラー(例えばカローラ店に勤めていてカローラに乗っているが、購入したのはトヨペット店といったパターン)で購入したクルマはダメということもあるようだ。
  しかし、インドネシアではプライベートで他メーカー車に乗ることはお構いなしのようである。事実、通勤や仕事用に限ってとはいえ、自社扱い車しか乗ることができないというのは、筆者が聞いた限りでは日本だけの話といえるようだ。
  南カリフォルニアのある日系プレミアムブランドディーラーを訪れたときに、その店のゼネラルマネージャーが店舗敷地内に停めてあった、購入したばかりの自分のBMWを自慢げに見せてくれた。その店の人に聞くと「扱い車に乗っているスタッフはほとんどいませんよ。仕事とプライベートは異なりますからね」と当たり前のようにいわれた。
いまだに80年代の特徴が受け継がれている
  日本では自社扱いの新車を購入するときは、「社員購入規定」のようなものがあり、充実した特別条件で購入することができるのが一般的。なお、南カリフォルニアで聞いたときは、リースを組むと「月々のリース代はそれほど価格が高くない車種ならば、ディーラーとメーカーで負担してくれるので自己負担しなくてよい」といったことが多いようだ。それでも自社扱い車に乗らないというのは、前述したとおりに仕事とプライベートをきっちりわけているということになる。
  この「日本では扱い車以外仕事では使えない」というのは、かつて訪問販売が主流だったころの名残りともいえよう。それこそ大昔はお客から下取りした自社扱い車に乗っていたセールスマンだが、バブル経済のころは扱う新車に乗るようにと変わってきたようだ。当時、展示車はそのまま販売していたので未登録が当たり前で、試乗車というものがほとんどないため、お客の自宅などへ自分たちの新車を乗っていき、試乗してもらったりしていたようである。
  令和のいまでは、店頭販売がほぼ当たり前となっており、訪問販売はほぼなくなっているので、あえて扱い車にこだわる必要もなくなっているが、いまも日本ではそれが当たり前となっている。
  南カリフォルニアだけではなく、新興国でクルマ社会の本格化がこれからともいえるインドネシアでも、他メーカー車に乗って通勤できるのを見ると、日本の新車セールスマンが仕事だけといっても自社扱い車にしか乗ることができないというのは、これもある意味「ガラパゴス日本」なのかもしれない。
  筆者はかねがね日本の新車販売現場はいまもなお、80年代を色濃く残していると実感している。多様化の進むなか、「売るのならば自社扱い車がおすすめ」というロジックで他メーカー車に乗るセールスマンというほうが説得力があるようにも見える。新車販売現場も働き手不足に悩んでいるので、こういう細かいところも含めて「フルモデルチェンジ」する時期にきているようにも見える。

あわせて読みたい

納期遅延で預かっていた必要書類の有効期限が切れる! 不正発覚による出荷停止で現場を襲うさらなる追撃
WEB CARTOP
新車はかつてのように「お買い得なタイミング」がない! イマドキはいつ買っても条件にほとんど差がなかった
WEB CARTOP
【SABON】廃棄される花々をドライフラワーで彩るオリジナルギフトボックスのワークショップ開催
PR TIMES Topics
[BYD]が都内有数の輸入車販売激戦区[東京・目黒]に正規ディーラーをオープン! 日本での出店ペースが加速!!
ベストカーWeb
ゴーゴーカレーがインドネシアに11店舗目を出店!海外進出を加速
STRAIGHT PRESS
dアニメストアが新テレビCMを公開!
antenna
中国BYD・韓国HyundaiのEVに富裕層が殺到!トヨタの牙城が崩れる?【インドネシア現地ルポ・写真多数】 - News&Analysis
ダイヤモンド・オンライン
ナンバーから客の自宅を突き止める! 夜にお客の自宅で商談は当たり前! 不適切にもほどがあった昭和の新車ディーラー
WEB CARTOP
【想いが伝わる贈り物】希少なリベリカ種を使用した豊かな味わいのバラココーヒー
PR TIMES Topics
中国車ってEV一辺倒じゃなかったの!? インドネシアでみた中国メーカー「エンジン車」の存在感
WEB CARTOP
アジアのモーターショーは新車の即売会! 先進諸国とはまったく違った熱気が溢れていた
WEB CARTOP
「母の日」に感謝の気持ちを込めたアートのような特別なスイーツ発売
PR TIMES Topics
かつては「4つのタイヤに盛り塩」「納車にくる方角の指定」なんて験担ぎもあった新車販売現場! ただしいまでも「晴天時納車」だけは重要だった
WEB CARTOP
北米では「12月」にクルマが売れる! 理由はなんと「クリスマスプレゼント」だった!!
WEB CARTOP
「Q SKIP」で楽しむ!東急沿線1日お散歩旅
antenna
インドネシアの中古車街には日本の「実用車の旧車」がゴロゴロ! 40年も50年も余裕で走る日本車の品質はやっぱりスゴイ
WEB CARTOP
「カワイイ」で人気だったウーリン・エアEVのブームが終了!? インドネシアで見えたBYDの台頭
WEB CARTOP
トマトジュースという枠を超えて心を豊に満たす、大人のドリンク
PR TIMES Topics
日本車の強みは「品質の高さ」からくる「落ちない再販価値」! インドネシアで感じた中韓メーカーにはそう簡単に崩されない盤石の信頼
WEB CARTOP
BYDの日本での本気度が伝わる! いよいよ全国のディーラーで認定中古車制度をスタート!! 中古EVの価値も安定するのか?
ベストカーWeb
新TVCM「アニメとススメ!」篇放送開始
antenna