「カワイイ」で人気だったウーリン・エアEVのブームが終了!? インドネシアで見えたBYDの台頭

2024.04.02 06:20
この記事をまとめると
■2023年のインドネシアでは中国メーカーの「ウーリン・エアEV」が人気だった
■2024年になるとウーリン・エアEVの走行台数は多いが販売面では落ち込んでいた
■日本でも日産サクラが月を経るごとにその売り上げを落としている
ウーリン・エアEVの新車販売台数が急速に落ち込んでいた
  2023年夏にインドネシアの首都ジャカルタ及びその周辺を訪れると、道に溢れていたのが中国ウーリン(上海通用五菱汽車)のマイクロBEV(バッテリー電気自動車)となる「エアEV」であった。エアEVは、「45万円BEV」として中国本土で販売され話題となった「宏光MINI」の流れを汲むモデルとして、インドネシアで生産されインドネシアでデビューしたモデルで、いまではタイでもラインアップされている。インドネシアでの販売価格は1億9000万ルピア(約180万円)となっている。
  デビュー時からエアEVは大ブレイクすることとなった。当時を知る事情通は「インドネシアでは若い女性であっても、”可愛い”からとモノを買うということはありませんでした。ところがエアEVは可愛いということで、若い独身女性を中心に既婚女性も含め広く女性ユーザーを惹きつけ大ヒットしました。おもしろいところでは、可愛いスタイルに惚れて購入したら、そのあとBEVだとわかったというケースも多かったようです」とのこと。
  インドネシアでは、「BEV=中国車=ウーリン・エアEV」といったことになっていたのである。
  そして、2024年2月に再びジャカルタ及びその周辺を訪れると、街なかには相変わらずエアEVが多く走っているのだが、「すでに販売面ではエアEVのピークは終わっており、新車販売台数は急速に落ち込んでいます。”欲しい”と思った人がほぼ手に入れてしまい、その後、需要が伸び悩んだことが大きいようです(事情通)」。
  ジャカルタ市内を見渡すと、BEVというとエアEVもしくは韓国のヒョンデ・アイオニック5を圧倒的に多く見かける。ウーリン以外にMG(上海汽車)やチェリー(奇瑞汽車)もBEVをラインアップしているのだが、この辺りの中国系ブランドはBEVよりもICE(内燃機関車)を多く見かける。ウーリンもブランド全体で見ればICE車のほうを多く見かけることができる。
  インドネシアではBYD(比亜迪汽車)が市場参入したばかり。今後はBYD車(インドネシアでもいまのところ全部BEV)をジャカルタや周辺の道路で多く見かけることになるので、見えてくる風景もずいぶん変わっていきそうである。
  エアEVのようないわゆる「イロモノ」が短命に終わるのはある意味では既定路線ともいえるだろう。手ごろな価格で買える普及価格帯のBEVといっても、「可愛いから」とか「買ったらBEVだった」という売れ行きでは、地に足の着いた売れ行きとなるのは難しい。
日本でも月日が経つごとに日産サクラの新車販売台数は減少
  エアEVとは似て非なる存在ともいえるのだが、日本でも軽自動車規格のBEVとなる日産サクラも「エアEV化」といった状況になっているとの声もあるので調べてみると、その状況はエアEVほど深刻なものではないものの、一時のブームが落ち着きを見せているといった程度になっているようであった。
  サクラは2022年6月より正式販売開始となっている。全軽自協(全国軽自動車協会連合会)の統計によると、2022暦年(1~12月/サクラの場合は5~12月)締めの年間累計販売台数は2万1887台、2023暦年締め年間新車販売台数は3万7140台となっている。2022暦年での月販平均台数は3700台弱、2023暦年締めでは3000台強となっている。月販最大台数は2022年9月の4247台となるが、直近半年での月販平均販売台数は約2800台となっている。
  それでも直近半年の月販平均台数でも約2800台なので“販売不振”という状況になっているともいえないが、「販売現場での実感は以前ほどの勢いはないとも聞きます」とは事情通。航続距離などのスペックを見れば使用状況は限定されるし、ディーラーへ行けば「遠出を考えているのならサクラは不向き」といった説明を受けたこともあった。
  インドネシアで聞いたような「エアEVは終わった」というほどの販売台数の落ち込みはないものの、「欲しい」という人に十分行き渡ってきているので、販売状況が落ち着きを見せてきているという表現の方がふさわしいかもしれない。納期も短めとなっているようなので、買い求めやすくなっているのは間違いないようだ。
  年央辺りにBYDのコンパクトBEVとなる「ドルフィン」の供給体制がいま以上に整うとのことなので、「使用制限(遠出に向かないなど)」のないドルフィンへ、サクラのようなBEV購入を検討していた人が流れるような事態になれば、また話は変わっていきそうである。

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