独特の郷土蕎麦「へぎそば」を日本酒と共に楽しもう

KUBOTAYA
2023.10.06 11:50
今では全国でも名前が知られるようになった「へぎそば」。つるりとした喉越し、しっかりとしたコシのへぎそばは、一度口にしたら虜になるでしょう。へぎそばの魅力と美味しい食べ方を紹介します。
へぎそばの由来
へぎそばとは、つなぎに布海苔(ふのり)を使った蕎麦切りをヘギという器に盛り付けたものを指します。

新潟県の小千谷や十日町のある魚沼地方発祥と言われていて、この地域は高級織物の産地。雪深く豪雪地帯が広がり、冬の産業として発達した麻の織物が縮布となって、小千谷を代表する特産物となりました。この織物に欠かせないのが布海苔。強度を増すために糸に付けたり、仕上げの際に形を整えたり糊付けに用いたりしていました。そして、糸を漂白するために蕎麦の茎を燃やして作ったアク汁を使用するなど、布海苔、蕎麦、織物というのは切っても切れない関係にあったのです。

器のヘギは「剥ぎ(はぎ)」が訛ったものと考えられており、杉などの木を薄く剥ぎ四方に縁を付けた角盆のヘギ折敷(おしき)を略して呼んでいます。織物用の絹糸を束ねたように盛り付けるのも、日常的に目にしている姿に似せた方が良いという考え方があったようです。
へぎそばの定番の食べ方
蕎麦のつなぎに布海苔を使用する地域は全国でも魚沼地方だけ。本来、蕎麦のつなぎというのは夏場の暑い時期に蕎麦の品質が劣化し麺状にならなかったため、小麦粉や山芋などを混ぜて繋がりを良くすることが目的でした。もしかしたら布海苔も最初はそういったことが目的だったのかもしれません。しかし、結果として独特な食感と香り、コシの強さが類を見ない蕎麦となり、別次元の食べ物となっています。

特に、この地域はわさびが採れなかったために薬味に辛子を添えるのが定番で、これがとにかく相性抜群。つけ汁も江戸前の汁と比べて穏やかで、そばに浸しても塩辛くなりません。へぎそばに辛子を乗せ、汁にたっぷり浸して啜るというのがへぎそばの醍醐味なのです。
へぎそばと日本酒を合わせるなら「久保田 千寿 純米吟醸」がおすすめ。へぎそばのしっかりとしたコシ、ツルツルとした舌触り、キリッと角が立った食感が「久保田 千寿 純米吟醸」のドライで淡麗なテクスチャーとよく合います。お酒のボリューム感とへぎそばの質感も似ているため、違和感なく合わせられるでしょう。
へぎそばアレンジ  「あつもり」と「海苔巻き」
「蕎麦切り」誕生そのものには諸説あり、現在の蕎麦に至るまでの経緯でも様々な変貌を遂げています。
江戸初期の頃は蕎麦の品質も悪く、技術も低かったため蕎麦切りが麺状ではなくぶつ切りとなってしまうことが多かったのです。そのため、茹でるのでなく、蒸篭に乗せて蒸すのが一般的な調理法でした。蕎麦を蒸篭に盛り付ける店が多いのもその名残です。
当時は衛生環境や保存状態も悪く、蕎麦は足がはやく消化が悪いとされていて、特に秋から冬の寒い季節に旬となることも重なり熱をしっかり通して食べることが多く、蒸篭の上から更に湯をかける方法を取ることもありました。あつもりというメニューは、1751年の「蕎麦全書」に、江戸時代から明治の初めに繁盛した須磨の茶店「敦盛そば」が登場しており、平敦盛の塚が西国街道の須磨浦にあったことで、敦盛と温かいそばのあつもりをかけたのではないかと言われています。
あつもりの作り方は、へぎそばを時間通りに茹でて水で洗い、熱湯に通して熱くしてから器に盛り、つけ汁もしっかりと温めます。コシが強く伸びにくいへぎそばですが、熱々の状態なので早めに食べましょう。温度が高いので蕎麦の香りも高くなり、布海苔の香りも実感できます。常温かぬる燗の「朝日山 純米酒」がよく合い、程よい穀物感とふくよかな味わいは、もちもちとした食感のあつもりに最適です。
お酒のおつまみには、手でつまめる海苔巻きを。時間を置いても伸びにくく、味も馴染むのでゆっくりとお酒と味わうにはぴったりのメニューです。
へぎそばは茹でて水で締め、しっかりと水切りし、寿司酢とつゆを少量合わせ、へぎそばに絡めます。海苔の上に蕎麦、辛子、きゅうり、だし巻きたまごを乗せて巻き簀で巻き、そのまま形を落ち着かせてから一口サイズにカット。海苔が加わることでつなぎである布海苔との相性もよく、蕎麦を一口で食べられるために香りが高く、辛子がアクセントで後味もすっきり。
味の要素が多いので、お酒は熟成された「久保田 千寿 秋あがり」がおすすめです。少しメイラード反応が出ていて醤油にも似た香ばしさがあり、つゆや寿司酢との相性も抜群です。
独特の蕎麦、へぎそばを堪能しよう
生麺も乾麺も、どちらも美味しく食べられるへぎそば。布海苔のつなぎがしっかりとしているため、他の地域の蕎麦や一般的な生蕎麦と比べて自宅でも茹でやすいのが特徴。しっかり水切りすれば伸びにくく、日本酒と一緒に味わうには最適な蕎麦です。独自の変化を遂げた蕎麦「へぎそば」を是非味わってみてはいかがでしょう。
まゆみ
酒匠、料理研究家。 1日も欠かすことなく酒を呑み続ける驚胃の持ち主。酒と蕎麦と音楽を愛する。著書「うち飲みレシピ」「スバラ式弁当」。viawww.instagram.com

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