1817馬力で500km/hの記録を狙うってもはや意味不明! 24台がすべて完売した「ヘネシー・ヴェノムF5」というハイパーカーは何もの?

2022.06.06 17:30
この記事をまとめると
■ヘネシー・ヴェノムF5はヘネシーパフォーマンスによる完全オリジナルのハイパーカー
■最高出力1817馬力の6.6リッターV8ツインターボをミッドシップに搭載する
■最高速度は500km/hとされ、限定24台、価格は210万ドルから
2013年にはギネスレコードを記録したヘネシーの次なる挑戦
  1991年、アメリカのテキサス州に設立されたヘネシー・パフォーマンス社は、同社を率いるジョン・ヘネシーによって、パワフルであると同時に、高い信頼性を誇るモデルを製作することを企業理念とするチューニングメーカーだ。その活動は実に幅広く、アメリカ車のほかにもドイツ、日本、イギリスのブランドを素材としたモデルを数多く手がけてきたほか、2000年代に入ると自社製のオリジナルモデルの開発にも進出を果たすようになる。
  そのファーストモデルは、ロータス・エキシージをベースとした「ヴェノムGT」で、カーボン製のオリジナルボディによって軽量化を図って1244kgの車重を実現。一方で、エンジンはGM製の7リッターV型8気筒をベースにツインターボを組み合わせ、最大で1244馬力仕様(ほかに800馬力、1000馬力に調節が可能だった)。
  29台のクーペと5台のスパイダーが生産され、2013年1月にはギネス・ワールドレコーズの認定委員が立ち会う0-300km/h加速テストで13.63秒を記録し、ギネス世界記録に認定された。また、それから約1カ月後には、カリフォルニア州のナヴァル空軍基地において、427.6km/hの最高速を記録。ヘネシーの名は、これらの記録により一気に世界へと轟いたのだ。
  だが、ヘネシーのチャレンジはこれでは終わらなかった。2017年のSEMAショーに、彼らは「ヴェノムF5」と呼ばれるニューモデルを持ち込み、それをワールドプレミア。ちなみにヴェノムとは、直接的には英語で「毒」を意味する言葉であり、それに続くF5は、竜巻の強さを表す世界基準ともいえる「藤田スケール」における最大クラス。いかにもヴェノムGTの後継車として誕生し、最高速で500km/hを狙うモデルの名としては相応しいネーミングである。
  ヴェノムGTではエキシージのシャシーが用いられていたが、このF5のシャシーは完全にヘネシー・オリジナルのカーボンモノコックが基本構造体だ。
  ボディにも同様にカーボンが使用されているのは当然で、車重はGTよりも若干増加して1360kgという数字になった。
徹底した軽量化でパワーウエイトレシオは1.34kg/ps
  エクステリアデザインは、よりエアロダイナミクスを考慮したものに熟成され、ボディサイドのエアインテークやリヤまわりのスポイラー、デフューザーが、その高性能ぶりを想像させる。同時にロードカーとしての扱いやすさが外観から感じられるのも、このヴェノムF5の大きな特長である。
  リヤミッドに搭載されるエンジンは、「Fury」と呼ばれる6.6リッターのV型8気筒ツインターボ。驚異的なのはその重量で、鋳鉄製のブロックやアルミニウム製のヘッド、エンジン内部の構成部品にはアルミニウムやチタン、インコネルなどの軽量素材が用いられている。結果、得られたエンジン重量は280kg。
  最高出力は1817馬力と発表されているから、注目のパワーウエイトレシオは1.34kg/psという数字になる。ミッションはリカルド製の6速MT、駆動方式はもちろんRWDだ。
  ヘネシーはこのスペックで、0-100km/h加速で3秒以内、0-200km/h加速では5秒以内のタイムを実現。そして最終的な最高速は、ヴェノムGTでのギネス記録挑戦の時がそうであったように、双方向走行の平均記録で500km/hオーバーを狙うというのだ。
  ドライバーは、レーシングドライバーとして数々の栄誉に輝き、GMのテストドライバーとしてのキャリアも持つジョン・ハインリシー。彼は、これまでヴェノムF5のドライビング・ダイナミクスを最適化するためのテストドライバーとして、ヘネシーとともにF5の開発に携わってきた。最高速500km/hへのトライは、まさにその集大成ともいえるべきものでもあるのだろう。
  ヴェノムF5の最高速テストはフロリダ州のNASAスペースシャトル発射施設、「ジョン・F・ケネディ宇宙センター」において行われる予定。ちなみにヴェノムF5は24台の限定車で、価格は210万ドルからという設定だったが、すでにその全車は完売している。
  昨年創立30周年を迎えたヘネシーというブランドは、ハイパーカーの世界においてはまだまだ新しく、そして確かに魅力的な存在なのかもしれない。

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