SOAR NYの花原正基がNYCの公式壁画アートに起用、ブルックリンに大作《Water Game》誕生

2025.07.24 15:00
ニューヨーク・ブルックリンのクリエイティブハブとして知られるDUMBO(Down Under the Manhattan Bridge Overpass)にて、SOAR NY(ソアーニューヨーク)の代表を務めるグラフィックデザイナー 花原正基(はなはら・まさき)氏による壁画作品《Water Game(ウォーターゲーム)》が完成しました。
街の景観の一部となっている壁画《Water Game》/Courtesy of SOAR NY
本作は、ニューヨーク市が運営する公式パブリックアート・プログラム「NYC DOT Art」により実現したものです。DUMBO Improvement DistrictおよびColossal Mediaとのパートナーシップのもと制作され、市が所有する壁面に描かれる大規模かつ恒久的なパブリックアートとして、日本人デザイナーが手がけるのは史上初*の快挙となります。
* 「日本人デザイナー初」:ニューヨーク市によって選ばれた常設のパブリックアートを担当したデザイナーとして(2025年7月時点、SOAR NY調べ)
壁画作品《Water Game》/Courtesy of SOAR NY

「DUMBO Walls」に加わる、新たなアートランドマーク
今回の壁画が設置されたのは、ブルックリン・ブリッジのすぐそば、アダムス・ストリートとプロスペクト・ストリートの交差点(108 Adams Street)。地元住民や観光客が日常的に行き交う、ブルックリンでも特に活気あるロケーションです。完成した作品は、幅約13メートル、高さ約7メートルという大規模なスケールで描かれ、DUMBOの街に新たな色彩と躍動感をもたらしています。
マンハッタンからブルックリンへ渡ったすぐの場所がDUMBOエリア/Courtesy of SOAR NY
DUMBO地区といえば、世界的なデザイナーやアーティストが参加してきた壁画群「DUMBO Walls(ダンボ・ウォールズ)」でも知られています。ステファン・サグマイスター(Stefan Sagmeister)氏など名だたるアーティストの作品が高架下や通り沿いに点在し、街そのものが“オープンギャラリー”として機能しています。そんな象徴的なエリアに、花原氏の《Water Game》が新たに仲間入りしました。
DUMBO地区/Courtesy of SOAR NY

日本とニューヨーク──ふたつの文化を繋ぐ《Water Game》
作品タイトルの《Water Game》は、1970年代に日本で発売され、日米両国で愛された玩具「ウォーターゲーム」に着想を得ています。花原氏は、自身のルーツである日本の文化と、現在拠点とするニューヨークの多様な都市性を重ね合わせ、「二つの文化の間を往復してきた旅路」をビジュアルに昇華させました。
ウォーターゲームのイメージ/Courtesy of SOAR NY
これまでの作品に見られる日本的なミニマリズムの美意識に加え、DUMBOが持つダイナミックでエネルギッシュな空気を取り入れたことで、今回の壁画は、より鮮やかで動きのある表現へと進化。グラフィックデザインと都市空間が融合し、人々の記憶や感情に残る“都市の中のアート体験”を創出しています。
花原正基氏の制作風景/Courtesy of SOAR NY

グラフィックデザインの拡張としてのパブリックアート
この壁画プロジェクトは、花原氏が率いるSOAR NYの理念を体現するものでもあります。SOAR NYは、ニューヨーク、東京、上海のメンバーで構成されるグローバルデザインスタジオで、美しく大胆なビジュアル表現を強みに、ブランディングやキャンペーン、アートプロジェクトを多数手がけています。「美とは何か?」という根源的な問いを軸に、ニューヨークの最新トレンドと日本のクラフトマンシップを融合させ、都市に新たな感性をもたらすことを使命としています。
花原正基氏の制作風景/Courtesy of SOAR NY
本作の制作には、ニューヨークにおける手描き広告アートの先駆者Colossal Mediaが協力。また、NYC DOT ArtおよびDUMBO Improvement Districtという行政・地域・民間の三者による支援によって実現されました。都市文化とアート、そして市民との未来を紡ぐ新しいモデルケースとしても注目されています。
花原正基氏の制作風景/Courtesy of SOAR NY

国境を越え、都市と人を繋ぐアートへ
《Water Game》は、SOAR NYの拠点でもあるDUMBOで誕生したことに、大きな意味があります。この地で活動を続けてきた花原氏が、都市の記憶と未来を繋ぐ新たなランドマークを築いたことで、日本人クリエイターの可能性をニューヨークの地で鮮やかに示しました。
NY市公式の壁画には壁にプレートが埋め込まれる/Courtesy of SOAR NY
作品はすでにDUMBOエリアの公式ツアーガイドにも掲載され、多くの人々が足を止めて写真を撮るなど、街に自然と溶け込む存在となっています。都市の景観の一部として、人々の記憶に残り続けるアート。そこには、「グラフィックデザインの拡張」を掲げるSOAR NYの未来が重なります。



SOAR NYについて
SOAR NYは、ニューヨークを拠点に、東京・上海を結ぶ国際的デザインスタジオです。美しく大胆なビジュアル表現を強みに、ブランド構築、アートプロジェクト、キャンペーンの企画・制作を多数手がけています。「美とは何か?」を問い続けながら、都市と人の感性をつなぐ、革新的なデザインのあり方を追求しています。

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