目指すは国内すべての自治体1724の“食のカタログギフト”。キッチハイク「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」の独自性とは

2025.07.22 19:17
「地域の価値を拡充し、地球の未来へつなぐ。」をミッションとし、事業を展開する株式会社キッチハイク。2022年11月にローンチしたのが、日本各地の食文化を贈るカタログギフト「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」です。


贈られた人が好きなものを選んで受け取ることができるカタログギフトは、すでに他社からもたくさん作られており、結婚式の引き出物などでおなじみの方が多いでしょう。「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」ならではの強みや特徴、立ち上げの背景や目指すビジョンについて、ギフト事業部の事業統括 鷲見健吾に聞きました。
「食を楽しむ」ことを重視したカタログギフト「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」
――まずは、鷲見さんの今の立場、仕事内容について自己紹介をお願いいたします。


ギフト事業部の事業統括として、新規事業の立ち上げ、開発を行っています。2年前ほどからリードも担当するようになりました。
――どういった経緯で、キッチハイクに入社されたのでしょうか。


私には、シェフである父親がフレンチレストランを営んでいて、食が身近だったというバックボーンがあります。ただ、自身のキャリアとして最初から食に携わる仕事をしてきたというわけではなく、経営学部でマーケティングについて学んだのち、家具をECで売る会社の商品企画の仕事に就きました。購入したくなる商品づくりに興味があったんですよ。


食の領域に携わりたいと思うようになったのは、コロナ禍がきっかけでした。リモートワークをはじめ、オンライン上でいろいろなことができるようになり、便利な世の中になっていったのはいいものの、「人と一緒に食べる楽しさ」など、食から大切なものが失われていってしまっていると感じたんですよね。食事を楽しむことなど、地域の食の未来を考え、何か動きたいなと考え始めたとき、出会ったのがキッチハイクでした。新しい事業を生み出していることを知って転職を希望し、事業戦略として入社したんです。


キッチハイクは食が原点で始まった会社で、今は「地域の価値を拡充し、地球の未来へつなぐ。」だったミッションも、昔は「食でつながる暮らしをつくる」と食をメインとしていたんですよ。


食の楽しさのひとつは多様性で、食にはその国、その地域ならではの特徴があります。代表自身が世界各地の一般家庭に飛び込んで食事を一緒にとる経験をしてきた人間なこともあり、キッチハイクには「いろいろな新しい価値観に出会うことが楽しい」という思想があるんですね。


その楽しさを感じているからこそ、市町村合併で地域が減ってしまったり、時代の流れで地域の文化がなくなっていってしまったりすることに危機感を抱き、地域の特産品の魅力を発信するオンラインイベント「ふるさと食体験」や、さまざまな地域の保育園に1~2週間お子さんを通わせられる「保育園留学」など、地域に根差した事業も展開するようになりました。こうした流れから新たに生まれたのが、日本各地の食文化を贈るカタログギフト「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」なんです。




――他のカタログギフトとの違い、「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」ならではの特徴は何ですか?


大切にしているのは「どれだけ食を楽しむか」ですね。「みんなで食べることが楽しい」ですとか、「食の裏側を知ることで、よりおいしいと感じられる」など、「おいしい」と「楽しい」のつながりを大切にしています。そのため、単においしい食べ物をたくさんピックアップしたカタログギフトを目指して作っているわけではないです。


これも、代表山本が世界一周で感じた「いろいろな文化を楽しむことを考えると、レストランでは難しい。その地域の家庭にお邪魔したほうが感じられる」という原点が関係している価値観だと思いますね。


数でいうと、地域の数にはこだわっています。47都道府県だけではなく、1724市町村、日本全国のすべての自治体のカタログギフトを作ろうと進めているんです。食材のおいしさだけではなく、その地域の魅力、ストーリー、これまで培われてきた歴史や文化も伝えていることも特徴ですね。


あとは、使われている主原料がその地域のものであること。地域経済につなげていくことをモットーにしているため、主原料が地域のものや、地域振興のつながりが強いものを集めることで、一次産業の方にも経済的な恩恵がある形を目指して商品を選定しています。
地域では「当たり前」のものから、ギフトに適した価値を見出しカタログギフトに
――「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」立ち上げの経緯について、さらに詳しくお聞かせください。


最初からカタログギフトを考えていたわけではなく、当初はEC販売を検討していたんですよね。食について知ってもらうには、やはり実際に食べてもらうことが大切であり、メディアでの発信だけでは足りないなと感じていたので、販売しようと。


ただ、ECでは大手モールにどう集客力で勝つのかという問題がありました。加えて、自分のために買う自家需要向けでは、どうしても量があるものや手ごろな価格帯が好まれる傾向にあり、上手くいかなかったんです。というのも、地域産品は希少性が高い分、単価も高く、大量生産できないものが多いんですよ。作り手側が小規模事業者や個人の方といったことも珍しくないですからね。でも、品質は良い。であれば、自分用に購入する方を対象としたECよりも、ギフト需要向けにしたほうが、プレミアム感のある商品、価格感ともに合うんじゃないかと考え、方向性を切り替えました。


――そこからはスムーズだったのでしょうか。


ふるさと食体験や保育園留学でさまざまな地域と関係性を築いてきたため、地域とコンタクトを取ることに関しては一定のアドバンテージがあり、スムーズに進められました。ただ、トータルで考えると決してスムーズではなかったですね。


まずは、我々が条件とした「主原料がその地域のものであること」ですが、物価の高騰が影響し、泣く泣く別の地域の主原料に切り替えている事業者さんが増えているのが現実なんですよ。資本主義経済では当たり前の判断なのですが、キッチハイクとしては地場産品を自信を持って流通できる社会にしたいという想いを抱いているため、その方針を曲げずに進めてきました。


あとは、地域の方から言われてしまう「うちには何もないよ」ですね。本当によく「ギフトにできるほど魅力のあるものなんてないよ」と言われてしまうんですよ。地域の方にとっては当たり前だからこそ、魅力があるものだと気付きにくいのでしょう。その魅力を引き出せるのが、我々の強みかなと思っています。


キッチハイクでは「価値の非対称性」を大切にしているんです。地域にとっては当たり前になっているものは、他の地域の人からすると価値のあるものです。その価値をいかに伝えられるかを大切にしています。


――掲載する商品を作っている事業者さんとは、どのようにして出会っているのでしょうか。


自治体の担当者や知り合い経由でご紹介いただく中で、選定基準に合いそうな事業者の方に声を掛けさせていただいています。その地域の地理的な特徴も見ながら「山と水があるなら、こういう商品もあるのでは」と調べていったりと、いくつかの方向性から同時並行して進め、1冊のカタログギフトを作っています。


現在、「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」は法人さま向けのご提案をメインに事業推進しており、個人経営の事業者からは販路の急拡大を懸念されることもありますね。高齢でやられている方もいらっしゃるので、「いきなり数百件の注文がきても対応できない」と。でも、そうした商品にも魅力的なものがたくさんあり、こちらとしてはぜひ掲載したいんです。そのため、月の上限が数個など、小ロットでも掲載できる形を取り始めました。非効率かもしれませんが、多様性を楽しめるカタログギフトを目指すことを考えると、小ロットでも魅力的な商品であれば載せるほうを選びたかったんですよね。


――たとえば、どんな例がありますか?


手作業でしか収穫できない野菜がありますね。しかも収穫時期が冬で、生産者さんがご高齢ということから、数百件レベルの注文には対応できないと固辞されていたんです。「ペースを乱す必要はありませんから」とお願いし、掲載に応じていただきました。
オリジナルカスタマイズを打ち出したことでニーズが拡大
――カタログギフトといえば、結婚式の引き出物のイメージが強いですが、作ったあとの展開についてはいかがでしたか?


おっしゃる通り、結婚式場は当初の展開先として想定していた一例でした。ただ、式場はすでに長年お付き合いのある業者さんがいらっしゃるケースが多く、その牙城を崩すのは難しかったですね。また、ブランド立ち上げ時は独自性を出すために「厚沢部」や「南魚沼」など1つの市町村をテーマにしたカタログギフトのみを販売していたので、ピンポイントなニーズとのマッチに時間がかかる状況でした


そこで、「どこの地域でも作れます」という打ち出し方に変更したところ、「地元のものを贈りたいけど、何を贈ったらいいのかわからない。この地域のカタログギフトはありますか?」という問い合わせをいただけるようになったんです。地域によっては、百貨店のカタログギフトにも取り扱いが少なく、「ここなら価値が提供できる」と思いましたね。そこから、完成版のカタログギフトの販売も続けつつ、受注生産でニーズのある地域のカタログギフトを作るという形にシフトしていきました。


地元企業だけではなく、他県の企業からも「能登半島の復興支援のために能登半島の食を贈る取り組みをしたい」といったご要望をいただいたこともあります。
――それでも対応できるくらい、いろいろな地域の方とつながりがあったということですね。ただ、「価値の非対称性」の話でいくと、地域内でギフト需要があると思われていない価値あるものを掘り起こすのは容易ではない気がします。なぜ実現できるのでしょうか。


まず言えるのは、実家が飲食店である私のように、食に何かしらのルーツがあるメンバーが多いこと。そして、代表が北海道、私が福岡といった具合に、全国各地にメンバーが散らばっていることもあるでしょうね。その地域にメンバーがいれば、気になるものがあったときにすぐに食べに行くことができますし、生産者さんと直接話に行くこともできますから。
あと、見せ方のところの話になりますが、ブランドプロデュースにも対応できる体制を整えているのも強みです。企業の周年を機に特産品を使った企画をしたいという依頼を受け、ロゴやパッケージのクリエイティブを担当したプロジェクトが、その一例ですね。こうしたことにも対応できるのは、大手ナショナルクライアントのコピーライティング経験のある人がクリエイティブディレクターを務めていたり、クリエイティブに長けた外部パートナーとの付き合いがあったりと、万全の体制を整えているからです。ブランドキャンペーンに使っていただくなど、いろいろな活用方法があるんですよ。


最近は、完成版のカタログギフトへの注文も入るようになっていきました。各地域の特定のカテゴリーを集めて、カテゴリーギフトを作ってみたのですが、こちらが最近は人気ですね。特に人気なのは「お米ギフト」。ユニークなところでは「北海道限定のどらやきギフト」なんかもあります。


あとは「和牛ギフト」。ただ、こちらは他社でもよく見かけるものだからこそ、「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」としての打ち出し方を考えました。そうしてできたのが「やさしい和牛ギフト」です。畜産業の方から話を聞き、大量生産、大量消費ではなく、環境にやさしい生育、牛や人の健康のことを考えた生育をしている和牛ばかりを集めることで、独自性のあるカタログギフトになりました。結果、ふだん目にしたことのない名前の和牛ばかりが並ぶものになったんですよ。
――反響はいかがですか?


地域のものを地域外に届けるところがスタート地点でしたが、地域に住む方からも「自分の住む地域にこんなにおいしいものがあったんだ」というレビューをいただいています。新しい発見につながり、驚きを感じていただけているようです。また、これは地域内外問わず、「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」を贈られた方からは「おいしい」に加えて驚きの声が寄せられることが多いです。「スーパーに並んでいるものとは厚みが違う」ですとか「ボリュームが違う」ですとか。


「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」は事業者さんからの直送にしていまして、送る際にリーフレットを入れていただいていいことにしているんです。ギフトでもらったことで知り、リピートしたいと思ったときには、事業者さんのECや、直接のやり取りを経て購入することもできます。ギフトという接点から、事業者さんのファンになってもらうきっかけをどんどんつくっていきたいです。


――事業者さん、生産者さんからはどんな反響がありますか?


数を特に制限していない事業さんからは、法人さま経由で一度で大きな額の発注が入るため、「ありがたい」と喜んでいただけることが多いですね。また、大手メーカーのキャンペーンに活用されるケースでは、自分たちの商品写真がスーパーに掲示されるポスターやのぼりに使われるため、それが誇りやモチベーションにもつながっているようです。定量的なものだけではなく、定性的な喜びにもつながっているんだなと感じられてうれしいですね。今後も、協業のような形で、いろいろな企業と「NIPPON LOCAL FOOD GIFT」を使った取り組みを進めていきたいです。
1724自治体の制覇を目指し、今後も地域の食の魅力を届けていきたい
――今後の展望をお聞かせください。


1724自治体のカタログギフトをつくるという目標に対して、すでにつながりも多く、開発体制はすでに整っています。全自治体の食文化が取り揃えられているカタログギフトはまだ存在しないと思いますので、できるだけ早く、地域の食を届けられる企業になりたいですね。全自治体の食文化が取り揃えられているカタログギフトはまだ存在しないと思いますので、できるだけ早く到達し、地域の食を届けられる企業になりたいですね。


本当にいろいろな商品があるので、私たちを通してできるだけ多くの商品に触れる機会も増やしていきたいです。企業のアイデンティティを表現する手段としてギフトを使っていただくことが多いので、その手伝いもできたらと思いますね。そのアイデンティティを表すには、どの地域の何を贈るのが適切なのか、最適なカスタマイズができる開発部隊が揃っているのが、キッチハイクの強みです。地域の魅力を発掘できるメンバーがお待ちしておりますので、ぜひお気軽にご相談いただけるとうれしいです。

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