【西部邁とは、どのような思想家だったのか?】中島岳志責任編集による『西部邁 保守のロゴスとパトス』、5月26日発売。

2025.05.22 08:00
河出書房新社
没後7年。いまあらためて、その思想に迫る!
株式会社河出書房新社(本社:東京都新宿区 代表取締役:小野寺優)は、『西部邁 保守のロゴスとパトス』を、2025年5月26日に刊行いたします。

保守派の論客・評論家として知られ、主宰する雑誌『発言者』『表現者』では保守思想の新たな論壇を築き、テレビ朝日「朝まで生テレビ!」の出演でも忘れることのできない独特の存在感を示していた西部邁が、センセーショナルな最期を遂げてから7年。
このたび、愛弟子と言える中島岳志氏責任編集のもと、初公開の講演録、未公開の生原稿や直筆ノート、吉本隆明氏らとの対談、『発言者』『表現者』で掲載された代表的論考を収集した上、責任編集の中島岳志氏をはじめとした西部邁を知り交わった人々による論考や対談、インタビューを、『西部邁 保守のロゴスとパトス』として一冊にまとめました。
巻頭には、雑誌『表現者』で西部邁とともに編集委員に携わった中島岳志氏と柴山桂太氏による本書のための入門対談「西部邁の思想と行動」を、約25000字で一挙掲載。

近代経済学批判から保守思想、大衆社会批判にいたる西部邁の足跡を、貴重な資料や各種の論考と共に振り返ることで、西部邁はどのような思想家だったのか、いまあらためてその人物と思想に迫っていきます。
(本書・化粧扉より)

□本書巻頭掲載=入門対談「西部邁の思想と行動」より、一部掲載
柴山桂太氏 西部邁は、人柄がとても魅力的で、付き合いのあった人全員に鮮烈な印象を残しました。だから西部邁を論じるとなると、どうしても「人間・西部邁」に焦点が当たりがちなんですが、これから読もうとする読者には、残されたテキストが全てですよね。書き残されたものは膨大で、経済学者時代の学術論文から時事評論まで、保守思想についての思想書から自伝的エッセイまである。その全体像は、簡単にはつかみきれないんですよね。
中島岳志氏 おっしゃる通りです。戦後日本の保守思想に、非常に大きな影響を与えた人として、何本かの指に入る思想家として、今後研究の対象になっていくと思うんですね。本書はそのきっかけになってほしいと思って企画しました。

■目次
●入門対談中島岳志×柴山桂太 西部邁の思想と行動

●西部邁と六〇年安保闘争
インタビュー 長崎浩 「六〇年安保」の時代 (聞き手)中島岳志、鈴木英生 (構成)鈴木英生
鈴木英生 未完のブント同盟員としての西部邁、長崎浩

●近代経済学批判から保守思想へ
[初公開]西部邁講演 ソシオ・エコノミックスの構想(昭和五十一年度大阪大学経済学会春季講演会)〈抄録〉
論考 中島岳志 近代経済学からのエクソダス
論考 柴山桂太 市場と伝統のあいだで--西部邁の経済思想再考

●『発言者』発刊
[初公開]西部邁挨拶 オピニオン誌『発言者』発刊を祝う会
東谷暁 『発言者』創刊のころ
西部邁 「発言者」の十一年

●大東亜戦争と歴史認識
西部邁講演 私の生きて来た道〈抄録〉
論考 玉置文弥 西部邁の「大東亜戦争」論が問いかけるもの--歴史と感情

西部邁アンソロジー
【対談】
 ×吉本隆明 大衆をどう捉えるか
 ×西尾幹二 “西欧強迫症”を超えて
 ×柄谷行人 恐慌・国家・資本主義--ファンダメンタルな危機への処方箋
【『発言者』『表現者』代表的論考】
守旧のための革新--民族の集団自殺を防ぐ視角/自死による虚無の根絶/「戦後」を聖域とする小泉改革/親米保守の錯乱せる思想と政治/侵略加担の不名誉--自衛隊派兵によって傷つけられる日本国の独立と自尊/「格差」をめぐるエコノミストの妄言/オキナワ--恥の捨て所なのか/議会が瓦礫の山となった--直接民政による「討論の絶滅」/戦災の想起と震災の統治/普遍価値は外交詐術の道具/「脱戦後」の試金石--日露外交/皇室論--必要なのはその歴史に自生する虚構への包括的な解釈/なぜ「言論は虚しい」のか

初公開資料
直筆ノート/レジュメ/メモ
 オルテガ/死生観/日本は「美しい国」になれるのか…
書簡 中曽根康弘、矢川澄子、立川談志、福田和也
解題 玉置文弥
論考
 井上達夫 西部邁とは何者だったのか--本物の保守思想の意義と限界
北田暁大 歴史との「生真面目な戯れ」--分析的類型論と単独者
川端祐一郎 西部邁の言語論--もう一つのポスト構造主義
田中孝太郎 大衆社会批判のオリジナリティ
岩木雅宏 新自由主義的ニヒリズムに抗して

アルバム 西部邁をたどる--『寓喩としての人生』から
西部邁 主要著作解題/西部邁 略年譜

■編者紹介
責任編集=中島岳志(なかじま・たけし)
1975年、大阪府生まれ。東京科学大学教授。専攻は政治学。著書に『中村屋のボース』『パール判事』『朝日平吾の鬱屈』『秋葉原事件』『超国家主義』『保守と大東亜戦争』『保守のヒント』など。

■書誌情報
書名:西部邁 保守のロゴスとパトス
責任編集:中島岳志
仕様:A5判/並製/300ページ
初版発売日:2025年5月26日
定価:3520円(本体3200円)
ISBN:978-4-309-22961-4

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