多様化する危機に対して、レジリエンスを向上させるBCP訓練ツール「dan-lo」を開発。コンサルのノウハウとAIを組み合わせたシナリオにより、企業の訓練を支援

2025.05.15 09:00
経営における危機は多様化、BCP訓練の重要性が増加
災害やサイバー攻撃、気候変動、地政学リスク、不祥事――。
経営におけるリスクが多様化し、ひとたび危機が発生するとそれが連鎖する昨今、企業のレジリエンスを向上させる危機対応力の底上げは重要なテーマです。危機対応力を強化するには頻繁に訓練を実施し、課題を見つけ、継続的に対策を改善していく仕組みが不可欠です。


しかし、BCPの策定率こそ大企業の76.4%、中堅企業の45.5%と向上してきたものの(内閣府「令和5年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」)、策定後の運用や改善となると理想通りには実施できていないという企業は少なくありません。


ニュートン・コンサルティング株式会社は、創業から約20年を迎えるリスクマネジメントに特化したコンサルティングファームです。その2,100社にもなる支援の現場で平時の活動が十分ではなく、BCPが形骸化してしまったというご相談を多くいただいてきました。
当社調査によると自組織の BCP が機能すると回答した割合は半数以下にとどまる。
出典:ニュートン・コンサルティング「BCPの事実と真実」


多拠点であっても現場まで訓練や演習を実施したい、リスクマネジメントの知識量に差があるうえ通常業務が多忙であっても全従業員の危機対応力を底上げしたい。そんなご要望に応えられるツールを開発できればと試行錯誤を重ね、ようやく5月15日に提供へと至ったのがAI搭載のBCP訓練ツール、「dan-lo(ダンロ)」です。
ニュートン・コンサルティング、支援実績は2,100社以上
ニュートンは、事業継続協会(BCI)が設立されたイギリスで在英日系企業を対象に事業をスタートさせました。国際秩序の揺らぎや気候変動による激甚災害の増加、サイバー攻撃の高度化などによりリスクマネジメントの必要性が高まったことから日本へ逆進出。全社的リスクマネジメント(ERM)や事業継続計画(BCP)、IT-BCP、サイバーセキュリティなどの支援サービスを提供し、企業や組織における危機対応力の向上に努めてきました。その豊富な支援実績は、民間企業をはじめ官公庁や地方公共団体、国立大学法人に至るまで幅広く、延べ2,100社に上ります。
災害時における初動対応の社内訓練風景、閉じ込められ者と危険個所の確認


ニュートンのビジョンは“「あの時もっとこうしておけば良かった」を世界からなくしたい”。BCP訓練ツール「dan-lo」は、私たちのビジョンをさらに推し進めていくため、支援先が抱える課題を丁寧に拾い上げ、本当に役に立つツールとして開発しています。


◆サービス詳細は「プレスリリース」でご覧ください
今ある危機を網羅した、様々な訓練シナリオが瞬時に
「dan-lo」の開発責任者である久野によると、企業の危機管理担当者がBCP活動の課題として最初に挙げるのが訓練シナリオ作成の難しさであるといいます。VUCA時代とされるとおり、経営環境におけるリスクも多様に変化しており、多岐にわたる事例をふまえて自社に最適なシナリオを作成するのは容易ではありません。
エグゼクティブコンサルタント 久野 陽一郎。
激甚化する災害や地政学リスク、サイバー攻撃などへ「dan-lo」を通して、
企業の危機対応力を高める支援をしていきたいと意気込む


膨大な事例データを搭載した「dan-lo」では、首都直下地震、南海トラフ地震、サイバー攻撃、武力攻撃など、様々な訓練シナリオを作成できます。AI機能を活用することで、より実践的な内容の訓練が可能。さらに専門コンサルタント監修の最新事例やトレンドをふまえたシナリオも用意されており、社員の危機意識を高めるリアルさを追求しています。
訓練課題でもっとも多かったのは「訓練シナリオがマンネリ化している」
次いで「メンバーが忙しくて参加できない」
 出典:ニュートン・コンサルティング「2023年 BCP訓練アンケート調査」
自社の所在地や独自ルールにAIが最適化
自社のBCPや危機対応マニュアルのAI読み込み機能も備えているのが「dan-lo」。自組織への最適化も瞬時に完了、自社ルールや状況に則った行動を促す訓練シナリオを作成することが可能です。


例えば拠点やサプライヤーの所在地が南海トラフ地震の防災対策推進地域に指定されていれば、その被害想定をふまえたシナリオを用意することができます。拠点や事業部ごとに守るべきリソースや対応マニュアルが分かれていても、「dan-lo」に読み込むことで統合することができ、プロンプト次第でそれらを網羅したシナリオにもなります。
「dan-lo」訓練シナリオ作成画面の一部。拠点の所在地、シナリオの時間軸
(発災当日から3日間)などを入力するとAIが自動生成する
企業規模に比例するBCP訓練の難易度
さらに「BCP訓練は企業規模が大きいほど難しくなる傾向がある」と久野。遠隔地に多数の店舗や工場、支社などを構えていれば全従業員が一堂に会しての訓練はほぼ不可能であり、オンラインでの実施も煩瑣な調整が必要となります。さらに経営層、中間管理職、現場社員と大企業には危機管理に関する知識量にもバラつきがあります。


「過去の事例を振り返っても、危機の多くが現場で発生しています。現場社員の効果的なトレーニングこそが有事に強い組織づくりにつながる」と、久野は話します。
多拠点の集合訓練も、「隙間時間」での個人訓練も可能
そのため「dan-lo」では、集合訓練と個人訓練の双方をサポートできるように開発。PCやスマホ、タブレットからアクセスするだけで多拠点をつないだ大規模な集合訓練が可能に。配信されたシナリオをグループで議論し検討、結果を入力するとAIが瞬時に評価します。


個人訓練も、自社のルール確認から一般的な緊急時の対応まで、社員の危機対応力を向上させる訓練シナリオを用意しています。また、「dan-lo」では訓練の内容や設問数、レベルなどを自在に調整できるため、“業務の隙間時間でも可能な、数分でできる訓練を頻繁に実施する”といった使い方も可能です。
集合訓練も個人訓練も「dan-lo」なら実施可能。全従業員の当事者意識を高められる
自社BCP学んだAIが評価、記録や集計も
BCP訓練においてはもう一つ、「訓練結果の集計や分析が運営者や事務局の大きな負担となってきた」と話すのは「dan-lo」開発の中核メンバーである神田。
「dan-lo」では、自社のBCPを基準にしてAIが自動で評価。このAI評価を基に、訓練参加者自身での訓練実施後の振り返りができるようにすることで、メンバー全員の危機対応力向上と合わせて事務局の手間も削減するのが狙いです。
「dan-lo」プロジェクトマネージャー 神田 舞子。
各々の組織体制・事業に応じた課題を解決し、
BCPの実効力向上につながるサービスを目指して開発を進めてきた


さらに「dan-lo」で実施した訓練は実施実績が残り、集計データを活用できるため、過去の結果や部署・拠点ごとの確認なども容易です。組織としての改善ポイントも迅速に把握できます。訓練結果をBCP改善や危機対応マニュアル整備に活かし、その後また訓練を実施して各従業員の理解を深める………というように、効果的なPDCAが実現するように考えられているのが「dan-lo」なのです。
開発期間は約6年、追求したのは手軽さ
「dan-lo」は構想段階から数えると、今回の提供まで約6年の歳月を要しています。なぜ開発が難しかったのか、それは本当に役立つツールとして提供したかったからに尽きます。


一般的な防災訓練のように年1回しか利用されないようでは組織の危機対応力を向上させることはできません。各社に最適化したシナリオの作成から評価、集計・分析までを可能な限り自動化することで危機管理担当者の負担を軽減し、月1回は利用されるツールを目指しています。


全従業員が習慣的に訓練を実施するくらい、手軽に訓練を重ねられることを追求したのが「dan-lo」です。
「dan-lo」ではAIが訓練シナリオ~解説作成・評価を行う。
訓練対象者や拠点・部門に応じたアレンジも手軽にできる
人命や企業の存続に関わるBCP訓練だからこそ
もしものときに人の命を守り、企業の存続を左右するのがBCPとその訓練です。だからこそ、その評価や分析に不備があってはなりません。


AIのテストを繰り返してチューニングをしているのは、豊富な支援経験をもつ専門コンサルタントです。これまでコンサルタントの頭の中にしかなかった判断をAIが学習することができたのは、ニュートンのもつ豊富なノウハウがあってこそだと自負しています。
災害を想定した緊急対策本部訓練の風景
日常的な「dan-lo」活用で、危機対応力の底上げを
多大な労力をかけて策定したBCPであっても、訓練せずに何年も放置していたのでは現状にそぐわなくなり、有事に役立たせることはできません。


ハイブリッド勤務を採用したから安否確認の仕方を「dan-lo」で確認してみよう、新たなサービスを開発したからどのようなBCP・ルール整備が必要か「dan-lo」で訓練して可視化しよう、最近ニュースになった危機を想定して「dan-lo」でシナリオを作成してみよう……。そんなふうに「dan-lo」を“普段使い”いただくことで、BCP訓練をイベントではなく習慣にし、危機対応力向上のお役に立ちたいと考えています。

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