「データ爆発時代」を乗り越える、次世代ミッドレンジストレージ。若手開発担当者が語る、高効率なデータ圧縮を実現した「VSP One 2U Block Appliance」誕生の裏側。

2025.03.17 09:00
企業におけるデータとの向き合い方は目まぐるしく変化をしています。生成AIの普及によるデータ量の増大や、ランサムウェアをはじめとした複雑・巧妙化するサイバー攻撃への対策など、取り組むべき課題が常に存在する領域となっています。


そうした状況を解決する強い味方として、日立ヴァンタラは2024年5月に新製品として次世代ミッドレンジストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform One 2U Block Appliance(以下、VSP One 2U Block Appliance) 」をリリースしました。高効率なデータ圧縮技術と堅牢性により、特にハイブリッドクラウド環境でのデータ利活用の手段として反響を集めています。
従来のアーキテクチャーを刷新しながらも、今までの品質を維持し、更なる性能の向上を実現した「VSP One 2U Block Appliance」。仕様が大きくアップデートされた裏には、長年ストレージに取り組んできた日立にとって初めての技術を採用するなど、多くのチャレンジがありました。今回のストーリーでは、高い性能と高効率なデータ圧縮の両立を実現した経緯に迫ります。実際に開発を主導した若手担当者に話を聞きました。
左から、「VSP One 2U Block Appliance」の開発に携わった、野口、澤田、安藤
データ管理のあり方を変える、次世代のミッドレンジストレージ
2024年4月1日に株式会社日立製作所から独立・分社化して誕生した日立ヴァンタラ。その背景にあったのは、企業のデータ活用を支えるAIとハイブリッドクラウドの時代到来に向けた更なる投資の強化と意思決定のスピード感でした。


取り扱うべきデータの種類や絶対数が一気に増える「データ爆発時代」は、生成AIの登場により新たな段階に進んでいます。自治体・金融業・医療など、ミッションクリティカルなシステムを運用している各現場でも、少しずつ変化が生まれてきました。業務効率化の必要性から、自社に最適なチャットボットが求められるなど、生成AIの運用に向けたパブリックなデータ取得の重要性が高まっています。


それと同時に多くの企業でそれに合わせた”データ管理のあり方”の見直しが行われ、その打ち手・選択肢として、「VSP One 2U Block Appliance」の導入や検討が増えつつあります。


急速に変化が進む市場へ応えるべく誕生した「VSP One 2U Block Appliance」の大きな特徴として、

性能影響を抑えながらも、平均75%減*1というデータ圧縮を実現ドライブ単位で増設可能なため、必要に応じて柔軟にストレージ容量を拡張、無駄な投資を抑制NVMe対応のオールフラッシュアレイを採用し、高速なデータ処理を実現。業務効率向上に貢献最大1,024世代のスナップショット機能で、ランサムウェア攻撃からデータを保護。長期潜伏型攻撃にも対応可能


といった点があり、データの増大に対して拡張性と安全性を担保しつつ、各企業の状況に合わせた導入が可能になります。
また、「VSP One 2U Block Appliance」が市場から求められている背景の大きな1つに、「ハイブリッドクラウドの活用拡大」が挙げられます。企業が今までそれぞれ別に管理してきた、オンプレミス環境で独自に管理してきたデータと、広く柔軟に活用したいパブリックなデータを、その利用者からはどちらのデータでも違和感なく同じように活用ができる環境を作ることができます。


特に生成AIの活用に向けては、データが部署ごと、業務ごとにサイロ化されていることで生まれる運用負荷や生産性の悪化が課題になることが多くあります。しかし、一元的な管理を行うことができ、オンプレミス/クラウドとデータのあり処にかかわらず同様の操作性を実現する「VSP One 2U Block Appliance」は、そうした課題を解決します。「データ爆発時代」における、データ管理の理想的な状態を作ることが可能になったのです。
新たなチャレンジの裏にあり続けた、「従来の品質を維持しながら進化する」こと
そうした顧客体験を提供している「VSP One 2U Block Appliance」の製品開発では、日立が長年積み重ねてきたストレージの技術に加え、さまざまな領域で新たな技術を取り入れています。


今回の重要なポイントである拡張を行う際の柔軟性も、DDPと*2呼ばれる分散RAID機能を同製品シリーズへ初めて導入することで生まれています。今まで、ストレージにおけるデータ増設の際には、複数台のドライブ単位で行う必要がありました。その課題感に対して、決められたドライブ台数へ依存せず、任意の複数台のドライブでデータの冗長化やパフォーマンス向上を図る分散RAID機能を採用しています。その導入により、1台ごとの増設が可能になり、お客さまの経済的な負荷を減らし、投資効率を最適化できるようになったのです。


日立グループは今までもストレージへ新機能を実装するための挑戦を続けてきました。しかし、高い効率性をめざすほど品質への影響を避けることは難しく、理想の実現には至りませんでした。そのため、今回の開発工程では「いかに従来の品質を維持しながら、性能を向上するか」も重要な課題解決のポイントだったと、実際に分散RAID機能の実装に向けて仕様検討を担当した澤田は話します。


「新機能の実装と並行して、従来のデータ保護機能の信頼性や変換精度の低下が起きていないかを常に確認しながら、丁寧に設計開発を行ってきました。新機能としてタイムリーにリリースすることも求められてきましたが、既に提供してきた品質に問題があると製品にとって非常にクリティカルな影響を持ってしまうので、慎重な進行を心がけたんです」
開発時の品質に対するこだわりを話す澤田


主にハードウェアを制御するプラットフォーム層、ドライバ層の開発を担当した安藤も、同じ考え方で仕事を進めてきたといいます。ブロックストレージの、ハードウェアドライバの開発に携わっていた時のことを話してくれました。


「今回、ハードウェアのアーキテクチャーを刷新したことから、新たにデータ転送のためのドライバを開発しました。それを今我々の作っているシステムに適合させる際、既存の作りにどれだけ影響が出るかを考えるのが難しかったです。ドライバ層でハードウェアの違いを全て吸収し、上位の機能層には、デグレード(性能や品質の低下)をさせないよう開発したことが非常に大きいポイントとなっています。上位の機能がどのようにハードウェアを使うか、求められる性能はどれだけのものかを詳細に調査し、その上で新しいハードウェアをどう使うか設計していきました」
それぞれのチームで開発時のエピソードを話すと、共通点が見えてきた
(右:安藤、左:澤田)


既存の品質を維持することが非常にプレッシャーだったと語りながらも、品質を追求し、最新技術でお客さまのニーズへ応えることにこだわってきました。日本国内でも既に多くのユーザーがいて、その方々に今後も安心して使い続けてもらえるような保守・サポートが日立ヴァンタラの強みでもあります。
日立のストレージの歴史が積み重ねてきた、モノづくりの姿勢
今回の機能の目玉の1つである高速のデータ処理を可能にしたNVMe over TCPという、新たなネットワーク規格の実装に関わった野口は、お客さま先への訪問を通じて多くの示唆を得て、開発に生かしてきたと話します。


「今回お声がけをいただき、お客さま先へ訪問してヒアリングを行うことがありました。実際に話を聞くことで、抜け落ちていた視点の発見など、さまざまな学びがありました。我々は設計者としてスペックに沿った開発を行いますが、製品仕様で定義されている機能に対し、お客さまがどのような感覚でその機能に接しているのか、本当に使い込んでいる機能は何かがわかると、限られたハードウェアの資源の中でスペックを決めていく時に判断の精度が高まるのを感じます」
野口はお客様と話す中で気づいた点について話してくれた


今回新たな規格を取り入れるにあたっては、社内の知見も大きかったと続けて振り返ります。


「定められた開発期間を厳守するため、インプットも工程の進行と並行して急ピッチで行ってきました。私が関わる以前から製品適用の研究を行っている日立グループ内の研究所に依頼をし、やり取りをすること工程を納期通りに進めながら自身のレベルを上げていきました。ベストを尽くすために、さまざまな方を頼りにすることはよくありますが、最終的な自身の領域の仕事には自身が責任を持って行う、というのは私たちの基本的なスタンスかと思います」


日立ヴァンタラの強みは、国内製造・日本品質であること。実際にさまざまなお客さまと会いながら理解を深め、時には日立グループの研究開発力を生かし、日本のモノづくりを体現しています。


また、ストレージ領域における知見や製品提供の考え方に関して、新たな技術が生まれても、日立として変わらないものがあると安藤は話します。


「今回いろいろな領域でアーキテクチャーが大きく変わっていますが、日立の長い歴史の中で、ストレージの障害に対する考え方は常に引き継がれていると感じます。例えば障害時のログを昔から細かく取っているだけでなく、どのような経緯で発生したのかまで、きちんと追えることは明確な強みの1つです。設計の段階で上長からもそれを踏襲できるように声がけもあり、企業としての根底にある意識を感じました。


また、例えば障害が発生した際も稼働し続けるよう、冗長系への切り替えをシステムの設計としてきちんと考えられてるんです。そういったところの考え方が徹底されている強みを、ハードウェアドライバの観点から見ても感じています」
日立グループとして積み重ねてきた大切な考え方を話す安藤


そうした姿勢は、製品におけるユーザビリティにも反映されていると澤田は話します。


「細かい部分ですが、ドライブを追加して余裕を確保したときに違いが現れます。多くは、そのドライブ全体のデータ移動が完了するまで、ドライブ1台分の余裕が使えない、という状態に陥ります。ただ、『VSP One 2U Block Appliance』ですと、そのドライブを追加して、ある程度の範囲のデータ移動が完了すれば、その時点でその容量が使えることが売りになっています。例えば、60TBの大きいドライブ1台を追加したときに、その分データ移動が完了するまで使えないわけではなく、数GBのデータ移動が起きてからすぐ使えるようになっているんです」
若手の開発担当者が集まって話す中で、
会社全体で大切にしてきたモノづくりの姿勢が見えてきた
日立らしさを体現しながら、次のハイブリッドデータプラットフォームをめざして
2024年5月30日に発売を開始してから、前の製品と比べても多くの引き合いをいただいている「VSP One 2U Block Appliance」。まさに「データ爆発時代」に応える製品として、市場から注目が集まっています。


あらゆるデータを柔軟かつ一元的に利用できる単一のハイブリッドデータプラットフォームであるVSP One(Hitachi Virtual Storage Platform One)は、今回の次世代ミッドレンジストレージにとどまらず、更なる製品・ソリューションを順次展開していく予定です。


最後に今後の製品開発も支えていく開発者3名へ、自身と製品のあり方について、話を伺いました。
「今後もストレージの中のアーキテクチャーを進化させながら性能と信頼性を高めていくと思うんですが、1技術者として、お客さまのシステムにどう影響が与えるかをきちんと考えた設計を、今後新しくなるアーキテクチャーでも考えられるようになりたいです」(安藤)
「やれることをどんどん広げ、さまざまな情勢や会社のものづくりの方向性、あとは生成AIの登場で大きく変化しているデータのハンドリングなど、伸びている市場や変化をキャッチアップできるようにいろいろなことができるようになりたいなと思います」(野口)
「DDPは今回リリースしましたが、まだまだ新しい機能で、使いやすさや、使い勝手を上げるような改造するべきところがもっとある機能だと思っています。今後さらに皆さんが使いやすくなるような機能として、どんどん作り込んでいきたいなと考えています」(澤田)
「データ爆発時代」のニーズにあった次世代ミッドレンジストレージは、今後もお客さまの課題に向き合いながら、進化を続けていきます。


*1 「VSP One Block 28」のデータ圧縮・重複排除を有効にした場合のデータ削減率
*2 Dynamic Drive Protection。ドライブ分散型のRAID機能×

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