救急外来のひっ迫回避と観光客への高付加価値化を両立 医療MaaS「ぬちまーす号」の運行を恒久化、活用可能な旅行保険も拡大提携レンタカー利用の外国人観光客はキャッシュレスで利用可能に。

2025.03.14 13:00
一般社団法人オール・ニッポン・レノベーション
沖縄の救急外来適正化・観光地の高付加価値化へ 旅行者の急患対応に昼夜問わず365日の体制を維持、大同火災海上保険とも提携、訪日観光客の旅行保険で利用者の立替えも不要に。
(写真:3月13日に大同火災海上保険株式会社にて行われた記者発表 左から大同火災海上保険株式会社島田代表取締役専務、会議体富樫代表、株式会社薬正堂宮里代表取締役社長、MRT株式会社小川代表取締役、株式会社琉球モビリティ濱砂代表取締役社長)

30を超える企業や団体が連携した「Society 5.0の実現に向けた沖縄健康・医療・福祉のまちづくりモデル構築プロジェクト会議」では会議体初となる実証事業「観光客向け医療MaaSぬちまーす号」について、社会実装が可能かの検討を行い、救急外来における優先度の低い軽症者のニーズや宿泊施設などの観光事業者やレンタカー事業者等との連携のニーズが確認されたため、2025年4月以降も事業を継続することにいたしました。(*MaaS =Mobility as a service の略)

事業の恒久化に先立ち、旅行保険サービスとの提携も強化し、昨今の訪日外国人旅行者の増加や医療にかかる受入環境整備の重要性が一層高まっていることを踏まえ、大同火災海上保険株式会社との連携によるサービスを3月中に開始します。サービスの対象となるのは、沖縄ツーリスト株式会社の運営するOTSレンタカー、(株)SATOUKIBIが運営するMARIOレンタカーが提供するレンタカーを借受けする外国人旅行者を包括的に補償する「訪日旅行保険」および沖縄・パイオニア合同会社が手配する台湾からのツアー客を対象とする「安心琉球旅行保険」と提携、本保険の対象となる外国人旅行者が病気やけがにより「ぬちまーす号」で受診する場合、医療費の立替払いの必要がなく、キャッシュレスで受診ができるようになります。

本保険の対象となる外国人旅行者が「ぬちまーす号」を利用する際にはワンストップで保険のコールセンターへ連絡するだけで「ぬちまーす号」が手配されます。外国人旅行者にとってもスムーズに適切な医療を受けることができることからより一層安心してご観光をいただけるようになり、地域にとっては救急外来のひっ迫の回避が可能となる医療サービスとして「ぬちまーす号」の体制が強化されました。
※現時点でも海外旅行保険や海外の医療保険は一部を除き利用可能です。立替えの必要のないキャッシュレスサービスとの提携は今回が初めてです。

【背景】
沖縄県では離島・へき地など交通不便地域における医師不足や、通院が難しいエリア等での医療アクセスの確保、観光客が集中するエリアにおいて重症化リスクの低い患者の救急外来の利用の抑制、有事発生時の避難所等においての医療アクセスの確保、介護施設等における迅速な医療連携が課題となっています。限られた社会資源の中で「医療・福祉」の向上を行うため、医療MaaSやデジタル連携、デジタル共通基盤等による課題解決を模索するため、30を超える企業と団体が集まり「だれもが、健康・医療・福祉と日々の暮らしの中で垣根なくつながり、地域に合わせた文化的な生活をおくることができる社会」を目指し「Society 5.0の実現に向けた沖縄健康・医療・福祉のまちづくりモデル構築プロジェクト会議」を発足しモデル事業の検討を行っておりました。

【当事業の目的】
1.医療機関や救急搬送の課題解決
地域の限りある医療資源を守り、緊急性の高い重症患者の治療・搬送等が適切に行われるように夜間救急外来のコンビニ受診(緊急を要さない状況における受診)や緊急を要しない救急要請を抑制できるよう、利便性の高い医療サービスとして「ぬちまーす号」を運行し、適切な医療提供体制を確保し、救急外来において緊急性の高い患者が迅速に対応を受けられる環境を整備します。
2.安心・安全の観光立県の実現・高付加価値化
発熱や体調不良の場合に不安であることや、なるべく早く治療したいが夜間であることなどから、一般の外来が空いていないために救急外来を本来利用すべきでない方々も救急外来を受診している状況にあります。夜間の体調不良時に利用できるサービスとして「ぬちまーす号」の運行を通じ、救急外来以外の選択肢を提供、観光客の不安に対応します。

【概要】
本事業で解決したい事業の目的である上記1.2.を解決するため、様々な用途に利用可能なマルチタスク車両を活用して、リゾートエリアにおいて救急外来を受診する以外の選択肢としての医療サービスの実証を行いました。車両内で医療サービスと相談サービスを提供する他、処方薬の配送連携により取り組みの有効性を検証し、ニーズが確認されました。

ぬちまーす号のサービスについて
D to P with N(患者が看護師と同席するオンライン診療)で実施しています。
オンライン診療を看護師が患者の元へ出向いて行うことにより、限られた医療資源を守りながらもより質の高い医療の提供が可能となりました。具体的には、看護師が医療機器(12誘導心電図計・パルスオキシメーター・聴診器・血圧計など)を積んだ車両と共に滞在先へ出向き、医師の指示のもと、バイタルの測定などを必要に応じて行います。看護師が患者のそばにいながらのオンライン診療からオンライン服薬指導、さらには処方薬の配送に至るまで、医療に関する一連のサービスを提携医療機関・企業・団体と連携し提供しています。

外国人旅行者への診療時間
ぬちまーす号の窓口へお電話をいただいてからホテルなどの滞在先に伺います。
実証実験期間中は曜日や時間限定でしたが、これからは24時間365日ご対応できるよう体制を整えています。

【コメント】
大同火災海上保険株式会社
代表取締役専務 島田(しまだ)勉(つとむ)
「弊社の経営計画の中でもサステナビリティを基盤とした事業を推進しており、この取り組みに我々も非常に共感しております。社会課題解決しながら社会的な役割を果たしていきたいと考えております。医療MaaS”ぬちまーす号”は我々の事業との親和性も高く、「ぬちまーす号」のリゾートエリアでの活用という局面では、当社が提供している訪日外国人旅行者さま向けの保険における利便性向上にも繋がり、事業目的のひとつである「安心・安全な観光立県の実現・高付加価値化」を可能とするものと考えます。」

株式会社薬正堂 
代表取締役社長 宮里(みやざと)早香(さやか)
「普段薬局は病院の前にあることが多いと思いますが、医療MaaS事業では外に出てお薬をお届けするという新しい形態で一緒に事業を行っています。現場の薬剤師さんも新たな事業に使命や、やりがいを感じています。これから北部に観光施設もできる中、より多くの外国人観光客が沖縄に訪れることが見込まれています。観光客に医療を提供するということが、医療の逼迫を防ぎ、県民の医療体制を確保することに繋がると思う。今回の提携に期待したいです。」

MRT株式会社 
代表取締役 小川(おがわ)智也(ともなり)
「MRTは全国様々な場所で医療MaaS事業を行っておりますが、各地でニーズが異なります。沖縄の場合はやはり観光 日本の医療の技術力は世界的に見ても非常に高く、誇れるものです。しかし医療体制ではまだまだ課題があります。離島やへき地、訪日観光客の対応などでも医療の質の向上に貢献できるよう、引き続き取り組みを行っていきたい。今回の提携により訪日観光客に医療サービスを提供することでより安心して過ごしていただける観光地として貢献しながら、地域の様々な医療課題も解決していくことができたらと期待しています。」

株式会社琉球モビリティ
代表取締役社長 濱砂(はますな)裕治(ゆうじ)
「私たちはモビリティを通じて、社会をより豊かにしていきたいと思っております。沖縄は交通インフラがとても弱いため、病院や診療所に行くために救急車を呼ぶという選択肢にプラスして、医療提供者側が迎えに行くという形を旅行保険の適用の中で行えるサービスにより”沖縄にはこんなに素晴らしい受け皿があるのだ”ということを海外から日本を訪れる方々にも思っていただけるサービスとして今回の提携に期待したい。国内の旅行者でも紹介状なしで大きな病院に軽症でかかると選定療養費がかかることも多い。そうした場合に実はぬちまーす号を呼ぶのと費用はそう変わりはない。一次救急を担う1機関としてぬちまーす号を選んでいただけたら幸いです。」

株式会社FMうるま 
代表取締役社長 伊波(いは)良和(よしかず)
「なぜFMうるまというコミュニティFMの代表が参画しているのかというと地域そして国内外への情報発信もお手伝いしていきたいからです。私は今回の提携やぬちまーす号ができるまでのストーリーを聞いて、こうしたお話を県民の皆さん、旅行者の皆さんにお伝えしていきたいと考えています。ラジオ番組でもぬちまーす号に関する特番番組を作ったりコマーシャルで流したりもしています。まずは情報を広めることが大事ではないかと思います。今回の提携も、訪日観光客の方がレンタカーを借りて保険に入ると、体調が悪い時にキャッシュレスでぬちまーす号を利用できるという沖縄の医療課題の解決と観光地としての高付加価値化を担う魅力的なサービスです。より多くの地域の方々や観光客にお伝えできるよう、番組等を通じて貢献していきます。」

会議体代表 富樫(とがし)泰良(たいら)
「実証実験期間中は中部地域や恩納村などのリゾートエリアだけではなく国頭村に滞在中の旅行者からの依頼などもありました。夜間・休日は実質無医村となる地域も多く、救急車を呼ばずに、また救急外来を使わずに、ぬちまーす号で診療ができ救急外来のひっ迫回避に貢献できていることを実感すると共に、旅行者の方々の安心した表情やお礼の言葉をいただくことも多く事業継続の意義を感じています。今回、大同火災海上保険株式会社様との連携により、今まで以上にスムーズに沖縄滞在中の外国人旅行者の方々が困った、不安だというときに寄り添うことができる。引き続き、地域医療はもちろんのこと、万が一の体調不良の時にも安心していただける観光地沖縄として観光地としての高付加価値化にも貢献していきたい。」

【主要な協力企業・団体一覧】
実証実験主催:
Society 5.0の実現に向けた沖縄健康・医療・福祉のまちづくりモデル構築プロジェクト会議
ぬちまーす号の運行:株式会社琉球モビリティ
ドライバー派遣支援等:株式会社Alpaca.Lab
お薬の調剤・配達等:株式会社薬正堂(すこやか薬局)
医療体制支援等:MRT株式会社、一般社団法人創医会、KIN放射線治療・健診クリニック
中部地域連携委員会、訪問看護ステーションUlu、有限会社陽気
通信・アプリケーション支援等:沖縄セルラー電話株式会社
医療政策連携:中部地域連携委員会
地域・宿泊事業所連携:株式会社ホット沖縄総合研究所
デジタルプラットフォーム構築支援:大日本印刷株式会社
事業体制構築支援等:一般社団法人オール・ニッポン・レノベーション、Roots to Vision合同会社、株式会社BORDER、株式会社BUNSUN、株式会社FMうるま、とある事務所
交通連携:株式会社Blue Mobility

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