経済的負担を軽減し、安心して新型コロナウイルス感染症治療に専念できるようにとの想いが込められた保険「コロナ治療薬お見舞い金」とは 特別対談Vol.2

2025.03.12 14:15
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療方法の一つとして抗ウイルス薬による治療が挙げられます。しかし、薬の認知度の低さや高額な治療費の自己負担が要因となり、治療を躊躇する方が多くいらっしゃいます*1。


そこで、医療費負担を軽減する仕組みを保険商品として提供することで、罹患者がより安心して治療に専念できるための選択肢を増やすために、 PayPay 保険サービス株式会社から、新型コロナウイルス感染症治療薬の経済的負担を軽減する保険「コロナ治療薬お見舞い金」が発売されました。 この保険は、住友生命保険相互会社(以下、住友生命)傘下のアイアル少額短期保険株式会社がPayPayほけん専用商品として開発し、塩野義製薬株式会社(以下、塩野義製薬)が協賛として参画しています。
本商品の発売に至った経緯や、今後どのような価値を社会に提供していくのか、塩野義製薬 手代木社長と住友生命 高田社長が語ります。
(対談日:2025年1月28日、住友生命 東京本社にて)


*1 2024年9月 PayPayほけんによる3,633人に対するランダムパネル調査結果


経済的負担を軽減し、安心して新型コロナウイルス感染症治療に専念できるようにとの想いが込められた保険「コロナ治療薬お見舞い金」とは特別対談Vol.1は
企業の使命として世の人々に安心を届ける
―「コロナ治療薬お見舞い金」は新型コロナウイルス感染症に着目した商品ですが、これまで塩野義製薬と住友生命の両社が社会に対して果たしてきた役割についてお聞かせください。


手代木(塩野義製薬) 塩野義製薬は創業147年の製薬会社であり、感染症に関する事業は100年継続しています。日本に感染症薬を提供させていただいてから60年以上が経過しました。2019年から20年にかけて新型コロナウイルス感染症が流行し始めたとき、私どもとしては感染症薬やワクチンで少しでも世の中に貢献できないだろうかと考えました。「とにかく世の人々に安心していただきたい」という一心で、我々は感染症薬の事業を展開しています。


例えばインフルエンザ治療薬に関しては、インフルエンザが流行しない年はあまり使っていただけませんので、ビジネスとしては不安定な側面があります。しかし、感染症のビジネスが難しく、世界中で多くの企業が撤退している中で、我々が挑戦し続けることに社会的意義を感じています。今後も患者様が一日でも早く普通の生活に戻っていただけるよう、感染症の課題に対してできる限りのことをしていきたいと考えています。
手代木 功(塩野義製薬株式会社 代表取締役会長兼社長CEO)




高田(住友生命) 当社は、生命保険を通じて「社会公共の福祉に貢献する」ことをパーパスに、生命保険業を展開し、今年で創業118年の保険会社になります。私はちょうどコロナ禍の最中、2021年に社長に就任しましたが、2020年の新型コロナが流行り始めた当初は、緊急事態宣言が発令され、保険事業にどのような影響ができるのか見通しが立たない状況でした。


生命保険は「リスクに対する経済的備え」としてご加入いただくものです。コロナ禍では、病院に入院せず、自宅療養の場合でも「みなし入院」として保険金をお支払いすることで、合計74万件以上のご請求に対して保険金をお支払いできました。生命保険会社としてお客さまに貢献はできたのですが、業界としては想定以上のお支払い規模になったため、非常に大変な状況でした。この期間に、新型コロナウイルス感染症を保障する保険がいくつか販売されましたが、予測を超える感染拡大であり、保険数理の想定を超えるものもあったのか、募集停止となったものもあります。このように、保険会社においては新型コロナウイルス感染症を含む感染症への対応は非常に大きなインパクトと課題を残し、今に至っています。


国が公助として、ある程度の経済的負担を補償する中で、民間保険会社としてどのような自助につながる価値が提供できるのかを考えてきました。今回のコロナ治療薬お見舞い金は、当社グループのみでは実現が難しかったのですが、塩野義製薬様のお力添えもあり、脅威となる感染症を啓発し、万が一感染してしまった時は治療薬の経済的負担を軽減するという非常に社会的意義の大きい商品が生まれました。
適切な治療薬で多くの患者様を救いたい「コロナ治療薬お見舞い金」が生まれた背景とは
―コロナ治療薬お見舞い金を発売するにあたり、住友生命グループ、PayPay保険、そして塩野義製薬という座組でしたが、各社で協業する意義、メリットについてはどのようにお考えでしょうか?


手代木 新型コロナウイルス感染症治療薬の開発では、一刻も早く開発するために、相当量のお金・人・時間を集中して投下してきました。新しいお薬の価格は、これまでにかかったコストを含めて設定します。結果として、世界的に見ると、インフルエンザの薬と比べてコロナ治療薬は少し高額になっています。そのため、患者様の中には、金額的な理由で処方を遠慮する方が一定数います。


この現実を見て、大きな課題を感じています。種々の研究において、ウイルス量が低いと感染が周囲に広がりにくかったという報告*2もあり、必要な患者様にはコロナ治療薬を適切にお届けできるようにすることで、結果として「コロナの流行を抑えることにも繋がることになればという想いで参画させていただきました。


*2 Open Forum Infectious Diseases, Volume 10, Issue7, July 2023, ofad271


そこで、住友生命グループ様の保険のノウハウをお借りし、バーコード決済のシェア70%を超えるPayPay様をアクセスポイントとして位置付けた上で、もっと身近にコロナ治療薬のことを考えていただくことを考慮し、コロナ治療薬お見舞い金の実現に至りました。今回の商品が成功すれば、今後感染症以外の領域でもこのような枠組みで展開できる可能性があると大いに期待しています。
高田幸徳(住友生命保険相互会社 取締役 代表執行役社長)


高田 過去に私どもがPayPayほけん専用商品として発売したインフルエンザお見舞い金は、インフルエンザの治療薬が処方された場合に保障を提供するもので、インフルエンザはある程度季節性があり、感染確率も歴年の中でだいたい想定ができました。新型コロナウイルス感染症についてもなんらか商品化が実現できないか研究していましたが、感染拡大の確率が読みにくい点や「モラルリスク(生命保険制度の悪用)の排除」の点が問題視されていました。


このような中で、塩野義製薬様のご発案により、これらの問題が解決できることがわかりました。感染症の発症率については、発症してから保険金をお支払いするのではなく、発症後の薬の処方をもってお支払いすることによって、ある程度適正な、試算上の数値内に収まります。また、これによってモラルリスクの排除も期待できます。薬もなんでも良いわけではなく、抗ウイルス薬を対象としました。


保険料の負担については、今回、塩野義製薬様に一部をご負担いただく体制をとりました。また、決済アプリPayPayという巨大なプラットフォームの中で、PayPay保険様側の優れたUI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)によって非常に簡単に早ければ約60秒で加入できる仕組みとなっており、たくさんの方に本商品をお届けできるという期待もあり、今回の座組での開発に至りました。


社会保障には、公助、共助、自助という3つの概念があります。
公助は「国などが社会保障として備えてくれるもの」であり、共助は「共同してリスクに備える」こと、そして自助は「自分で備える」というものです。この中で保険は自助に該当しますが、今回は塩野義製薬様やPayPay保険様と共に商品をお客さまに届けていくといった我々企業も共同で助け合うという共助型であり、未来への足掛かりとして非常に大きな社会的意義があるのではないかと考えており、大変ワクワクしています。多くの加入者のお役に立てることを期待しています。
感染症への備えと共助の力で描く新たな時代
―最後に、今後どのような価値を社会に提供していくのかについて、抱負をお聞かせください。


手代木 私どもは自社で研究・開発する点において、かなりこだわっています。自社で研究をした製品の開発品に占める割合は現時点で60%以上あり、世界の中でも相当高い数字です。世の中にはまだまだたくさんの感染症の課題がありますので、今後も我々は「感染症」をテーマに、自社の研究所で作ったものを世界に提供したいと考えています。


また、薬がないことによって医療が回らなくなるという事実を日本全体として考えたときに、私どもは医薬品、あるいは健康関連を国家の安全保障の一部だと思っています。特に感染症はハンドリングを間違ってしまうと命を落とす可能性もあります。このような中で、自社で感染症薬の研究開発に注力することで、日本の安全保障としても社会のお役には立てるのではないかと考えています。


高田 費用負担がネックとなり、必要な人が必要なコロナ治療薬を手にできないという状況は非常に危険だと感じています。この問題に対して我々保険業界としては、皆様からお預かりしている保険料を活用し、必要な人にコロナ治療薬を使っていただける流れを作り出せれば、保険会社として社会貢献ができると考えています。そしてそれが、我々の志向する“共助の世界”の構築に繋がるのではないかと考えています。共助の世界を作ることができれば、本当の意味の健康長寿社会の実現に寄与できると考えています。


私たちのサステナビリティの方針に「保険事業を通じた健康寿命の延伸」があります。その意味で今回、塩野義製薬様、PayPay保険様と協業できたことは大きな意義があります。ぜひ多くの方に共感・ご加入いただきたいと思います。そして、万が一のときは安心してコロナ治療薬をご利用いただくことで、早期に普通の日常に戻っていただける方が一人でも増えることを切に願っています。
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塩野義製薬の
住友生命の
Paypay保険の
「コロナ治療薬お見舞い金」の詳細は
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手代木 功 Isao Teshirogi


塩野義製薬株式会社 代表取締役会長兼社長CEO


1982年に塩野義製薬入社。87年米国ニューヨークオフィス駐在。91年に帰国し開発渉外部に配属されるが、94〜97年カプセル会社への出向で再び米国駐在。帰国後、社長室勤務を経て99年経営企画部長。2004年医薬研究開発本部長、06年専務執行役員、08年4月社長就任。22年代表取締役会長兼社長 CEO(現職)。宮城県出身。




高田 幸徳 Yukinori Takada


住友生命保険相互会社 取締役 代表執行役社長


1988年に住友生命保険入社。2007年秋田支社長。09年営業企画部次長兼営業企画室長。11年営業企画部長。17年執行役員兼企画部長。18年上席執行役員。18年執行役常務などを経て21年4月に代表執行役社長、21年7月から現職。大阪府出身。






会社概要
■塩野義製薬株式会社
創業:1878 年3月
代表者:代表取締役会長兼社長CEO 手代木 功
本社所在地:大阪府大阪市中央区道修町3-1-8
事業内容:医薬品、臨床検査薬・機器の研究、開発、製造、販売など
会社概要
■住友生命保険相互会社
創業:1907年5月
代表者:取締役 代表執行役社長 高田 幸徳
本社所在地:大阪府大阪市中央区城見1-4-35
事業内容:生命保険業およびその他付随業務

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