株式会社アクシスは、1981年の設立以来、東京・六本木のデザイン発信拠点「AXIS」をベースに、生活と社会におけるデザインの可能性を追求しながら、さまざまなデザイン振興活動を展開しています。
当社のメディア部門は、2024年7月に創刊から43年目を迎えたデザイン誌「AXIS」の大幅なリニューアルと会員制デジタルサービス「AXIS Media Membership」をスタートし、「AXIS Media」としてあらたな一歩を踏み出しました。
このストーリーでは、新サービス「AXIS Media Membership」の立ち上げから半年を経た今、改めて制作の背景や今後の展望などについて、当社メディアグループで企画と運営を担う大内 康太郎に、その想いを訊きました。
「AXIS Media Membership」とは
デザインを共通言語に持つクリエイターやビジネスパーソンが、創造的に活動するためのデジタルサービス。共通の関心を持つ人々が出会い、互いに刺激し合い、これからのデザインを探究する機会を提供しています。
【サービス内容】
1. 解像度の高いコンテンツの提供
メンバーシップ限定コンテンツのほか、デザイン誌「AXIS」に掲載した記事をウェブに適したかたちで再編集。テキストや写真だけでなく、映像や音声といったメディアにも拡張し、解像度の高いコンテンツをお届けします。
2. 発信した情報をリアルな場に拡張するプログラム「CONNECT」の開催
最前線で活躍するデザイナー/クリエイターと、各分野に精通したプロフェッショナルをゲストに迎えたトークセッションや、新たな可能性を発見するワークショップなど、ライブならではの体験をお届けします。共通の関心をもった人や企業とのネットワーキングの場としても活用いただけます。
3. デザイン/クリエイティブ職に特化した求人情報の提供
キャリアアップを目指すデザイナーとデザインで成長したい企業のプラットフォーム「JOB」を公開し、デザインプロフェッショナルと企業の出会いの場所を提供します。
40年以上に渡ってデザインの可能性を追求するAXISの新たなステージ。情報とリアルの接点を生む「場」の提供へ
—新サービスを開始した経緯はどのようなものだったのでしょうか?
AXISは、1981年からメディア事業としてデザイン情報を発信してきました。最近ではデザインという言葉の解釈も広がり、〇〇デザイン、デザイン〇〇というものもたくさん見かけるようになりました。認知が広がりデザインに対して関心を持つ人が増えたことは、私たちにとって嬉しいことです。もっともっと質の高いデザインが生まれてくるといいですよね。
デザイン誌「AXIS」創刊号 / AXIS Gallery 第1回企画展「エットレ・ソットサス」展
そのために私たちはデザインの本質的な価値とは何なのか、ということを問い続け、発信し続けています。デザイン誌「AXIS」はデザイナー、クリエイターを中心に購読いただいていますが、もっと多くの人に届けられるようにと、AXIS Media Membership(以下、Membership)では、オンラインでの閲覧環境も整えました。
同時に、発信した情報をより身近なこととして捉えてもらえるように、情報と現実との接点をつくり出す「CONNECT」という取り組みも始めています。Membershipの特徴はそこにあります。
情報とは形のないものですが、それらを実際に見たり、触ったり、匂いを嗅いでみたり、時には食べてみたりすることで、そこに接点が生まれ解像度がグッと高まります。AIをはじめとしたテクノロジーの恩恵はありがたいものですが、そんな時代だからこそ、五感に直接アクセスすることでクリエイティビティを刺激し、何かインスピレーションが得られるような瞬間をお届けできたらと考えています。
さらに、近い関心を持った人々が集い、そこから新たなデザインが生まれるような、これからのデザインメディアには「場」としての役割りが求められていると考え、マガジン、オンライン、リアルを横断したサービスとしてMembershipを立ち上げました。
これからのデザインメディアのあり方。編集のプロセスまでも取り込んだ、AXISならではの新しい形
—立ち上げにあたり直面した課題や特に力をいれたことなどあれば、教えてください。
社内では数年前から、これからのデザインメディアはどうあるべきか、という議論を続けてきました。私たちが発信している情報は、それぞれの現場でひたむきに取り組むデザイナーのストーリーを取材したものです。雑誌という媒体においては、それらを美しく、わかりやすく誌面に落とし込み、その時期のデザインの様子をひとつのパッケージとしてまとめています。
しかし現代において、情報を取得する手段の多くはデジタルデバイスに移行しています。双方にはそれぞれの良さがあるのでハイブリッドなスタイルを取っていますが、この、紙とデジタルデバイスとのコンテンツの間には見えないハードルがいくつか存在し、それらはまさに長年、紙メディアとして時間を重ねてきたカルチャーを問い直す側面もあったのです。
さらに、情報の先の体験までもをコンテンツと捉えると、編集の領域も拡大します。しかし、編集のプロセスで見えてくるデザイナーのパーソナリティや、モノの質感といった、テキストや画像では伝えきれない部分をもっと知ってもらいたいという思いで、イベントやワークショップなどの体験できる形に拡張しています。これはトップデザイナー、トップクリエイターとの信頼とネットワークを築いてきたAXISだからこそできることだと考えています。
半年で多くの登録者を獲得。ライブならではの体験も好評
—サービス開始から半年が経ちましたが、これまでの反響はいかがですか?
Membershipは登録制のサービスになるのですが、すでに多くのプロフェッショナルな方々に登録いただいています。これまでデザイン誌「AXIS」を定期購読していただいていた法人のお客様も、徐々にシフトしていただいています。どうしても雑誌は数が限られてしまうので、読みたいときに読めないということもあったようですが、オンラインでも読めるようになったことで改善されたようです。この辺りはデータにもその傾向が現れていて、モバイル環境での閲覧比率も増えています。
CONNECTについても、トークイベントだけでなくトップクリエイターによるワークショップや、一般には公開されていない建築ツアーなども実施しており、おかげさまで好評をいただいております。イベントに参加した後で記事を読んでいただく流れもあり、タッチポイントが増えたことは良い傾向だと思っています。
デザイナーに求められるのは「越境」と「統合」。多領域にネットワークをもつAXISならではのコミュニティ
—メンバーシップサービスを通じて、会員の皆さんにはどのようなメリットを感じてもらいたいですか?
2024年に実施したCONNECTで「デザインの未来地図を描こう」という、これからのデザイナーのあり方をテーマにしたトークがあったのですが、そのなかで語られたのは、「デザイナーはダ・ヴィンチ以来の統合家を目指すべき」というものでした。
ここに求められるのは「越境」です。これからのデザイナーには、細分化された専門性をつなぎ、統合していく能力が求められています。この方向性は別のデザイナーも同じことを語っていて、今の時代を象徴するひとつの特徴だと感じられます。この点でCONNECTはさまざまな領域のデザインをテーマにしているため、ぜひ、専門外のテーマの回に参加して、情報やネットワークを広げる場として活用していただけると嬉しいです。きっとそこには思いがけないヒントや新しい可能性があるはずです。
「CONNECT」一覧
2024年8月21日(水)にAXIS Galleryで開催したCONNECT #005
山中俊治×田川欣哉×秋吉浩気「デザインの未来地図を描こう」
新たな可能性、次なるステップへとつながる起点の存在に。Membershipが目指す先
—今後の展望をぜひ聞かせてください。
Membershipでは、デザインやクリエイティブに特化した求人情報掲載(JOB)も展開しています。優秀なクリエイティブ人材を獲得したい企業や、新たな活躍の場を求めるデザイナー、クリエイターをつなぐプラットフォームとして活用いただいています。採用活動における課題のひとつである母集団形成において、Membershipは有効に機能します。将来的には国内外問わず、組織や個人が次のステップを始める場所としての存在を目指していきたいと考えています。
「JOB」一覧
—最後に、読者の皆さんへ何かメッセージをいただけますか?
掲載した記事や、最前線で活躍するデザイナー、クリエイターの声、共通の関心をもった人や企業との対話。これらの機会を通してお届けしたいのは、何かインスピレーションが得られるような瞬間です。その瞬間に、デザインの可能性が広がると私たちは考えています。
—ありがとうございました。
40年以上にわたるデザイン活動を通じて築いてきた、AXISならではのネットワークで実現できたメンバーシップサービス。多彩なコミュニケーションを繰り広げながら、これからますます充実したコンテンツをお届けしてまいります。
ご期待ください!
AXIS Media
トップクリエイターやデザイナーなどの活動にフォーカスしたデザインメディアです。マガジン、ウェブ、ギャラリー、メンバーシップの4つのメディアで国内外の最先端のデザイン情報を発信しています。
■AXIS magazine/デザイン誌「AXIS」
1981年創刊した季刊のデザイン専門誌。独
自の特集企画やバイリンガル編集、クオリティの高いレイアウトデザインによりトップクリエイター層からも信頼が厚い。2024年7月に大幅なリニューアルを行い、さらなる深い洞察と厚みを加えたコンテンツを提供する。
■AXIS Media Membership
2024年7月にオープンした会員制のデジタルサービス。デザイン誌「AXIS」の記事をウェブに最適化したかたちで掲載するほか、独自のコンテンツも展開。記事の内容を体験できるかたちに拡張したリアルイベント「CONNECT」も実施している。
さまざまな分野に横断した、国内外の最新デザイン情報を日々発信するWebメディア。注目のニュースをはじめ、連載企画やクリエイターインタビュー、イベントレポートなど、Web独自のコンテンツの掲載も行っている。
1981年から続く日本の数少ないデザインギャラリー。AXIS独自の企画展やイベントでは、その時々の時代を反映させると同時に将来を見据えたテーマのもと、優れたデザインとその思想を、広く社会へ発信している。