レモンバームエキスによるコラーゲンの再構築とシワ改善効果を報告

2025.02.20 14:00
丸善製薬株式会社
レモンバーム(Melissa officinalis L.)



植物を中心とする天然物より、医薬品や医薬部外品、化粧品、食品の原料を製造する丸善製薬株式会社(所在地:広島県尾道市、代表取締役社長:日暮 泰広)は、レモンバーム葉由来のエキスが、皮膚コラーゲン線維の再構築(リモデリング)に関与する生体内因子「Endo180」の産生促進作用とヒト皮膚におけるシワ改善効果を持つことを解明し、これら研究結果を査読付き論文誌「Photodermatology, Photoimmunology & Photomedicine」にて報告しました(※1)。

丸善製薬では、2025年5月開催の「第12回化粧品産業技術展(CITE JAPAN 2025)」にて、本知見を応用した化粧品原料の展示を行う予定です。


【コラーゲン線維の再構築に必須「Endo180」とは?】
Endo180は、皮膚線維芽細胞に存在している膜タンパク質で、コラーゲン受容体の一つです(図1)。
紫外線等のダメージにより断片化・変性したコラーゲンが肌内部の細胞外マトリックスに蓄積しないよう線維芽細胞内に回収することで、コラーゲンの「再構築」に関与していることが知られています。その働きは、コラーゲンの分解と再生のバランスを維持し、ひいてはシワやたるみのない皮膚の維持に大きな役割を果たしていると考えられてきました。しかしながらその動態や働きについては未知の部分も多く残されていました。
図1:コラーゲン線維リモデリングにおけるEndo180の役割



【本研究の背景】
丸善製薬では、Endo180の皮膚における動態や働きについて更なる解明を目指し、基礎研究を積み重ねてきました。その結果、Endo180は紫外線(UVB)の影響により減少し、その減少は紫外線を原因とする肌の老化現象である「光老化」に大きく関与していることを解明しました。これらの知見については、過去に2報の論文により報告しています(※2、3)

これらの研究成果を基に、紫外線によるEndo180の減少を回復させる効果を持つ成分は、肌のシワ改善に有用であると考え、レモンバーム葉由来のエキス(以下、レモンバームエキス、図中ではMOLEと表記)とその主要成分であるロスマリン酸に着目しました。これら成分の有効性については、これまでも国際学会などを通して発表(※4)してきましたが、今回改めて情報を整理し、査読付き論文誌への投稿を行いました。


【本研究の概要】
Endo180の産生を促進する天然由来成分の探索を行うため、71種類の成分を用いたスクリーニング評価を実施したところ、レモンバームエキスが遺伝子発現並びにタンパク質産生において、最も高い効果を示しました(図2)。また、レモンバームエキスの主要成分であるロスマリン酸にも効果が認められました。
図2:レモンバームエキス(MOLE)は、Endo180遺伝子発現並びにタンパク質産生のスクリーニング評価において、最も高い効果を示した



レモンバームエキスは、UVBを照射した表皮角化細胞の培養上清(CM)を添加した皮膚線維芽細胞におけるEndo180およびI型コラーゲン産生の減少をほぼ完全に抑制する効果が認められました(図3)。
図3:レモンバームエキス(MOLE)は、UVBの影響によるEndo180およびI型コラーゲン産生の減少を回復させた



さらに、レモンバームエキスを配合したクリームを用いたヒトボランティア試験(二重盲検ランダム化プラセボ対照試験、n=20)において、プラセボクリームと比較して目尻のシワを有意に減少させる効果が確認されました(図4)。
図4:ヒトボランティア試験結果


丸善製薬では、今後も皮膚機能の更なる解明に向けた研究開発を推進してまいります。

【参照】
※1 Iwahashi H, et al, Lemon Balm (Melissa officinalis L.) Leaf Extract Promotes Endo180 Production in Dermal Fibroblasts and has Antiwrinkle Effect on Human Skin
Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2025 Mar;41(2):e70006
本論文は以下URLより全文がご確認いただけます(英文、オープンアクセス)。
※2 Iwahashi H, et al, Decreased levels of endocytic collagen receptor Endo180 in dermal fibroblasts lead to decreased production of type I collagen and increased expression of matrix metalloproteinase-1.
Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2022 Mar;38(2):150-157
本論文は以下URLより全文がご確認いただけます(英文、オープンアクセス)。
※3 Iwahashi H, et al, Interleukin-1 alpha derived from ultraviolet B-exposed keratinocytes is associated with a decrease of endocytic collagen receptor Endo180.
Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2020 Jan;36(1):34-41
※4 Iwahashi H, et al, proceeding of IFSCC 2016 Congress


会社概要
商号  : 丸善製薬株式会社
代表者 : 代表取締役社長 日暮 泰広
所在地 : 広島県尾道市向東町14703-10
設立  : 昭和24年7月13日
事業内容: 医薬品、医薬品用素材抽出物、医薬部外品用素材抽出物、
化粧品用素材抽出物、食品添加物、食品、食品用素材抽出物、
健康食品、健康食品用素材抽出物の製造販売
資本金 : 9,800万円
URL  :
当資料に記載の技術情報については、関連法規制の規定等をふまえ、広告宣伝や販売等の目的に使用することはお避けください。

あわせて読みたい

「マイナビ 2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査」を発表
ラブすぽ
コーヒーの味は淹れ方で変わるのか? 科学的に考えてみた
現代ビジネス
明治の文豪も愛用!? 歴史ある胃腸薬に込められた製薬会社の思い
antenna
スキンケア時の心地よいタッチで肌が美しくなる:花王が取り組む「心感研究」
Fashion Tech News
健康診断で一番気になる項目は!?「健康診断項目に関する意識調査」
ラブすぽ
【HIBIKA】春の四季菓子が登場
PR TIMES Topics
「更年期の体重増加」医療を使って対抗する方法
東洋経済オンライン
「フェルラ酸」と「センブリエキス」によりタイトジャンクションが緩和し、皮膚透過が促進される効果を確認
PR TIMES
メープルソースをチョコレートで包み込み、クッキーでサンドした新作クッキー誕生
PR TIMES Topics
ドンキオリジナル商品のドリンクが『LDK the Beauty』2024年美容ドリンク部門第1位を受賞!1本で13,000mgの圧倒的コラーゲン量
PR TIMES
なんと、上りと下りでは、効果が違った…! じつは、山を登るのは「有酸素運動の最高峰」だった、という「じつに、納得の理由」
現代ビジネス
韓国グルメが勢揃いする「韓国屋台 マシッタマシッソ」オープン
PR TIMES Topics
なんと皮膚を圧迫するだけで「汗のかき方」が変わった…「鍼の科学的解明」への「驚きの第一歩」
現代ビジネス
肌の恒常性維持のための技術開発について
PR TIMES
【ホテル日航立川 東京】鮮やかな3層仕立ての「ひなまつりケーキ」を販売
PR TIMES Topics
実は悪玉コレステロール値が高くなってしまう、閉経後に控えるべきNG飲み物とは?管理栄養士が解説
ヨガジャーナルオンライン
フェムゾーンのかゆみ、イガイガ、ヒリヒリ。くり返す膀胱炎…更年期のフェムケアを専門医がアドバイス
ヨガジャーナルオンライン
【Minimal】満足感と軽やかさ、矛盾するふたつの魅力が両立した「チョコレートバウムクーヘン」
PR TIMES Topics
【最強の美髪になるために】コラーゲン入り保湿&消臭の「多機能枕カバー」がいま売れていると噂!
オトナミューズウェブ
40代50代の「シワの美容革命」がさらなる進化…究極のシワ対策名品
美ST