ドローンを活用した安定的な医薬品等配送の実現へ ~日本ドローン機構㈱、広島県廿日市市との災害時等における無人航空機による活動協力に関する協定を締結~

2025.02.18 17:27
 広島県広島市に本社を置き、中国地方全県において医療用医薬品、医療機器、検査試薬等をはじめとする医療用医薬品等卸売事業を展開するティーエスアルフレッサ㈱。同社は、2025年1月20日、日本ドローン機構㈱様、広島県廿日市市様との災害時等における無人航空機による活動協力に関する協定を締結しました。協定締結に向けて尽力した同社CS推進部の部長である松村貴幸さんとメンバーの橋中志穂さん、小椋頌太さん、郷野陸斗さんの4人は、普段は各々の業務をこなしながら、ドローン活用プロジェクトに携わってきました。全員がドローン操縦の国家資格を取得しており、この協定締結に向けては、並々ならぬ想いがあったそうです。協定締結までの経緯と想いを4人に伺いました。


「ひろしまドローン活用推進協議会」について
「当社の営業エリアの1つである山陽エリアは、中国山地と瀬戸内海の間に位置するので、中山間地域・離島における医薬品等の物流について、これまでも課題意識を持っていました。2023年2月、医薬品関連セミナーに参加した際、内閣官房 小型無人機等対策推進室の取り組みを聞き、ドローンの可能性に気付きました。その日のうちに『ドローンを導入する』と決心し、上長に伝えました」と松村さんは当時を振り返ります。メンバー招集にあたり、「新しい行動を起こすには、さまざまな分野で専門的な知識や技能を持つメンバーが、互いに協力しながら成果を生み出すことが重要」と考え、多職種からメンバーを集めることにしました。当社の髙橋卓詩社長の後押しもあり、決心してから1年後の2024年2月、国家資格であるドローンの講習事業を全国で展開している日本ドローン機構㈱様と連携し、「ひろしまドローン活用推進協議会」※1を設立しました。
  メンバーで唯一、今回の協定で使用するドローンの操縦資格を持つ松村さん


※1 ご参考:2024年2月14日発表
同協議会は、広島県廿日市市様をオブザーバーに迎え、ドローンを取り巻く環境や現状等について、より多くの企業・方々に知っていただき、医薬品等のドローン配送をはじめ、ドローンの多方面での活用方法や可能性について検討・知見を深めていく場となることを目的としています。
ドローンを活用した医薬品等配送の社会実装に向け、ティーエスアルフレッサ㈱と日本ドローン機構㈱様は、2024年2月、廿日市市内の中山間地域・離島へのドローンを活用した医薬品等配送における品質と安全性を確保するための実証実験を行いました。具体的には、災害時に配送する物資を想定して、患者様の日常生活に不可欠な医薬品に加え、誤嚥を防ぐために水や食事等に混ぜて使用するとろみ剤、人工肛門・人工膀胱の患者様に必要なストーマ装具などの医療機器、血液検体などを実際に搭載し、ドローンで品質と安全性を確保した配送が可能か等を検証しました。検証結果については、同協議会の参加者への情報共有を実施しており、今後予定している実証実験についても共有を図っていきます。


ソリューション企画部 橋中さん
 「このプロジェクトに携わるまで、『ドローン』と聞くとなんだか遠い未来の夢のことのように思っていました。しかし、ドローンを知れば知るほど、『こんなこともできるのではないか』と奥深さと可能性を感じています」とチームの精神的支柱でもある橋中さんは心境を語ります。同協議会でも事務局を担当し、立上げから対外折衝に至るすべての業務に関わり、的確な意志決定力と実行力で、メンバーからの絶大な信頼を得ています。「すでにドローンは物を運ぶだけでなく、田畑への農薬散布、建造物の点検、障がいを持つ子どもの療育など、幅広い分野で活用されていますが、認知症患者様の見守りや、防災・防犯など、当社の事業と掛け合わせた取組みにドローンを導入できないか、日々模索しています」とドローン活用の検討に余念がありません。
協定締結式後に行われたドローンデモフライトで参加者に説明を行う橋中さん


CS推進部 小椋さん
 「このプロジェクトに参加してから、災害時・平常時問わず、ドローンで安定的な医薬品等の配送をしたいという思いがどんどん強くなってきました。それには目視外飛行の実現など、ドローン操縦の幅をさらに拡げる必要があります。レベル3.5飛行※2による運用が可能となり、それに対応できる型式認証機※3とその操縦資格者を持つ体制確立を目指すことで中山間地域・離島が多い中国地方でのドローン配送を実現できる。これは髙橋社長の『医療現場で必要とされるニーズに応えることで、地域医療のトータルサポートに寄与し、人々の健やかな生活を支える』というメッセージそのものと感じました」と、CS推進部の日常業務で診療報酬や医療行政など、医療に関わる情報の社内外発信に携わっている小椋さんは話します。「まずはやってみるの精神で、積極的に行動しようと決意しました。いまでは(同協議会を通じて)広島県の災害発生時におけるドローンによる物資輸送の運用マニュアル作成にも携わっています。地域への貢献を実感でき、非常にやりがいを感じています」とデモフライト前のドローンをメンテナンスしながら、心の内を熱く語りました。
フライト前にプロペラのメンテナンスを行う小椋さん


※2 レベル3.5飛行: レベル3飛行で必要となっていた立入管理措置に関し、デジタル技術の活用(機上カメラ)、無人航空機操縦者技能証明の保有、および保険への加入を条件として、それらの立入管理措置を撤廃し、道路や鉄道等の横断を容易化することができるもの。


※3 型式認証機: 国土交通省が航空法に基づき、特定飛行に資することを目的とする型式の無人航空機の強度、構造および性能について、設計および製造過程が安全基準および均一性基準に適合するか検査し、安全性と均一性を確保するための認証を受けた無人航空機。


CS推進部 郷野さん
 「顧客支援システムの営業で、システムの設定やお客様へのインストラクションに関わっていることもあり、ドローンの飛行設定では、日常業務で培ったITスキルを活かせています」と自信に満ち溢れた表情を見せます。メンバー内一番の若手でありながら、同協議会の会長職に就き、持ち前の落ち着いた性格と冷静な判断力で、協定締結式後に実施したドローンのデモフライトで指揮を執ります。「ドローン飛行は、プログラミングによる自動飛行が当たり前の世界になるので、私自身も対応できるよう日々努力していきます」と今後を語ります。
市長を前にドローンの飛行ルートの説明を行う郷野さん


レベル 3.5 飛行による運用が可能な型式認証機とその操縦資格者を持つ体制を確立
この取り組みで使うドローンの1つは、イームズロボティクス㈱様の国産ドローン「E6150TC」です。航空法に基づき、設計や製造過程が安全基準や均一性基準に適合した第二種型式認証の物流用途機体として認証を取得しています。日本ドローン機構㈱様が購入し、ティーエスアルフレッサ㈱にて保管しています。
イームズロボティクス㈱「E6150TC」

 国の安全基準を満たした第二種型式認証機は、国土交通省の許可・承認が必要な人口集中地区での飛行等が、無人航空機操縦士技能証明を取得した人による操縦、かつ、立入管理措置を講じることによって、申請せずに飛行できます。また、E6150TCの操縦実技講習を受けた有資格者は全国で4名(2025年1月現在)であり、うち1名は当社に所属し、もう1名が日本ドローン機構㈱様に所属されています。
レベル 3.5 飛行による運用が可能な型式認証機とその操縦資格者を持つことにより、災害時・平常時問わず迅速に対応できる体制を実現しました。


協定締結の意義
 協定締結式に参加したティーエスアルフレッサ㈱の髙橋社長は「医療は、社会的インフラで、災害時でも医療を止めないことが重要な課題。災害時にしっかり対応できるよう、平常時から連携して準備を進めていく。将来は中国地方全域の中山間地域・離島への配送を見据えていく」と語りました。
1月20日に行われた廿日市市との協定締結式
写真左から
【1人目】日本ドローン機構㈱ 代表取締役社長 佐多 大 様
【2人目】廿日市市長 松本 太郎 様
【3人目】ティーエスアルフレッサ㈱ 代表取締役社長 髙橋 卓詩

 「 この協定を締結できたのは、廿日市市長の松本太郎様と日本ドローン機構㈱の代表取締役社長 佐多大様、そして髙橋社長やティーエスアルフレッサ関係各所のご支援とご協力があってのことであり、一人ではできなかったことと痛感します。『自由に動いていいよ』と言ってくれた髙橋社長、各自の業務を持ちながらも全力で動き、可能性が少しでもあれば意見交換しながら一緒に考えてくれる仲間には本当に感謝します」と松村さんはこれまでを振り返ります。
協定締結までを振り返る松村さん


ドローンの活用で、地域における社会課題の解決に挑戦
「廿日市市様からの要請があれば、操縦資格者の派遣やドローンを活用した訓練への協力、助言等を行っていきます。また、災害時にはその情報の収集と提供、および孤立地域への物資の配送に関する協力も地域の皆様のために全力で取り組みます。このような取り組みを通じて、知見やノウハウを蓄積し、活用することで、人口減少や高齢化等による労働力不足への対応や、過疎地域等の物流網の維持等の社会課題の解決を目指します。環境は変化し続けますので、さらに力強く未来に向けた準備を進めていきたいです」と松村さんは今後の展望を話します。
 松村さんにこのプロジェクトを推進してきた原動力は何かと聞いたところ、「アルフレッサ ホールディングスの海外事業部に出向していた際に、初めて行くベトナムに赴任し、ゼロから学び前進する経験をしてきたことが、今の行動に活かされています」と即座に答えました。「このプロジェクトもゼロから始め、本当にこれで正解なのか?と自問自答しながら真っ暗闇を進んできました。結果的にこれまでメンバーと準備してきたことは無駄になりませんでした。しかし、これからが始まりです」と協定締結式の終了後、笑顔を見せながら語りました。

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