「LIXILフロントコンテスト2023-24」グランプリは、WHATAWON (大阪府岸和田市)

2025.02.18 13:00
株式会社LIXIL
応募総数1,206作品の中から “ショップフロント日本一” を決定

株式会社LIXILは、LIXILのフロント製品を使用した店舗ファサードの意匠・施工技術を競う「LIXILフロントコンテスト2023-24」において、全国の設計事務所、建設会社、販売店、加工店、代理店による1,206作品の応募の中から、優秀作品12点を選出し、グランプリを「WHATAWON(大阪府岸和田市)」に決定しました。
グランプリ受賞作品「WHATAWON(大阪府岸和田市)」

審査は、加工・施工技術、デザイン性、建物全体との調和等を審査基準としており、本コンテストでは、グランプリをはじめ、「小規模部門」「大規模部門」各部門の金賞(2点)、銀賞(2点)、銅賞(2点)ならびにPremiAL奨励賞(2点)、特別賞(3点)を選出しました。

今回グランプリを受賞した「WHATAWON(大阪府岸和田市)」は、芝生広場を核に周囲のテナントを活性するプランニングとその開口部デザインは、プロジェクト全体の施設用途と見事に調和して、これまでの商業施設を超えて地域に根付いた活動拠点施設としての魅力を高めて、次世代集客モデルとしての可能性を強く示唆している点が評価されての受賞となりました。

■審査員長総評:柘植 喜治(つげ きはる)氏
本年度のフロントコンテストを概観すると、これまでの建築産業が定義したサッシなどフロント材の用途を超えた、新たな機能や活用法が散見されました。これらは新しい設計・施工事例として、現代の社会や時代が求めるフロントデザインのイノベーションとも呼べる現象であり、新たな可能性を象徴しています。特に高く評価したフロントデザインの展開としては次のような事例が際立った様相を呈していました。

まず商業空間では、店の境目のないフロントが、建築内外の客の行き来を促して、消費や購買活動の体験を豊かにする試みです。店舗と公共空間の境界を限定せず、利用者に多様な体験を提供し、心理的にも物理的にも自由な商環境を実現しています。次に、アルミサッシなど現代の素材を伝統建築に展開する試みです。新旧建築素材の融合がハイブリッドと言っても良い魅力的な空間を創造しました。歴史的な美学や秩序を尊重しながら現代のたたずまいとして伝統と新技術が見事に調和しています。更に文化財の持続的な用途を満たすために、歴史的建造物の保存と利活用という相反する要件を学術的にも統合する試みです。フロント材がその自然科学的な機能や因果性を超えて、体験、文化、世界観といった人文科学的な、あるいは社会科学的な様相にも寄与し得ることを実証しました。

こうした本年度コンテストの挑戦は、人々の体験価値を豊かにするUX・UIにも通じる空間的デザインのイノベーションとして更なるフロント材活用の進化を提起するものであり、非常に優れた提言であると判断し贈賞を決めました。
■「LIXILフロントコンテスト2023-24」上位賞受賞作品(敬称略)
●グランプリ受賞作品:
WHATAWON(大阪府岸和田市)
設計事務所/株式会社antiqua 様 株式会社國分建築事務所
建設会社/株式会社堀健
販売店/マツフジ建窓株式会社
代理店/株式会社小間久商店
加工店/岡山ビルサッシ工業株式会社
<審査員評価ポイント>
近年多くの従来型の商業施設が低迷する中、施設内外の空間や、施設用途、業態を多様に展開する取り組みが注目を集めています。これにより、施設全体が買い物の場を超え、時間消費や体験消費としての新たな施設計画・運用が生まれています。
WHATAWONが採用した芝生広場を中心に据えた商業、宿泊、温浴、エンタメ施設配置は、その好例と言えます。そして特筆すべきは開口部周りの演出が実に鮮やかであることに驚かされます。売り方やディスプレイにとどまらず、施設内外を行き来する顧客動線、店内から外を魅せる顧客の居方、出入り口やウィンドウをこえた開口部の多彩な機能、室内ランドスケープのある開口部のデザイン展開等々、複合商業施設として数々の新たな可能性を切り開いています。
このような芝生広場を核に周囲のテナントを活性するプランニングとその開口部デザインは、プロジェクト全体の施設用途と見事に調和して、これまでの商業施設を超えて地域に根付いた活動拠点施設としての魅力を高めて、次世代集客モデルとしての可能性を強く示唆しており、本年度の最優秀グランプリに決定しました。


●「大規模部門」金賞 受賞作品:
御福餅本家 本店(三重県伊勢市)
設計事務所/清水建設株式会社
建設会社/清水建設株式会社
販売店/全研工業有限会社
加工店/トヨハシフロント株式会社
<審査員評価ポイント>
伊勢の和菓子製造「御福餅本家」が新たに建設した店舗併設の工場は、企業文化と地域の伝統を見事に融合させた空間として、従来の工場建築の枠を超えた「体験価値」を生み出しました。顧客の視点に立って、製品やサービスの価値を創造し、継続的に提供できる仕組みを構築して、それらをデザイン思考により施設に落とし込んだ計画手法は見事であり、来訪者がここを訪れる過程で体感する「カスタマー・ジャーニー」を提供しています。この新工場では、伝統的な木造の美しさと最新技術のフロント材の相反する要素が、デザインとして互換性をもって共存しており、部材の納まりなどディテールに至る設計者の細やかな配慮を感じ取ることが出来ます。特にサッシやルーバー、格子のデザインには、控えめながらも町家の商家らしい落ち着きが漂っており、主張しすぎず穏やかで、全体として調和の取れた風格を漂わせています。
店舗併設の新工場はその伝統精神を引き継ぎつつ、御福餅本家という文化財的価値を持つブランドにふさわしく、人々や地域社会に与える新たな「体験価値」を強く訴求しています。現代のような情報化社会ではこうした工場建築のような「体験価値」は極めて重要で、来訪者によってグローバルに拡散・共有されていく地域資源に発展していくことが期待されます。


●「小規模部門」金賞 受賞作品:
重要文化財遺愛学院本館(北海道函館市)
設計事務所/公益財団法人 文化財建造物保存技術協会 様株式会社佐藤公郎建築設計事務所
建設会社/株式会社高橋組
販売店、加工店/道南清水サッシ株式会社
<審査員評価ポイント>
重要文化財「遺愛学院」の修復計画は、建造物の保存のみならず、教育機関としての継続的な利用を見据えた先進的かつ実用的な取り組みとして際立っていました。伝統的な構造や仕上げを可能な限り忠実に復元しつつ、現代の使用用途に適合させる妥協のない複合的な条件を満たしています。
審査の過程で特に注目したのは、現代の素材や技術でつくられた建材を積極的に取り入れながら、伝統的な外観と掛け合わせたハイブリッドな空間が異彩を放っていたことです。こうした工夫は、現代建築の順応性に歴史的な価値を融合させるデザインの可能性を示し、そのために、多大な労力と時間をかけて丁寧な作業が行われていたことが容易に想像できます。
現代に生きる学生たちが、歴史、伝統を感じながら学ぶ環境は、寓意あふれる体験として刺激的であり、歴史的建造物・既存ストックの新たな保存・利活用手法として大いに貢献できる点を評価しました。このような修復計画は、文化財を「保存する」だけでなく、「使い続ける」という新たな相乗効果とその価値を提示しており、今後の文化財修復プロジェクトの新たな規範となる可能性を秘めています。

■受賞作品一覧(敬称略)
■開催概要
1.応募資格
LIXILのフロントサッシ(店舗用建材)をお取り扱いの設計事務所さま、建設会社さま、販売店さま、加工店さま、代理店さま

2.応募対象物件
2023年4月1日から2024年3月31日までに、当社のフロントサッシを使用した施工物件で、建物全体が完成し、お施主さまへの引き渡しが完了しているもの

3.募集対象部門
4.審査委員
審査委員長:柘植 喜治(つげ きはる)氏:空間プロデューサー、千葉大学名誉教授
審査委員:高柳 英明(たかやなぎ ひであき)氏:東京都市大学教授

5.審査方法
加工・施工技術、デザイン性、建物全体との調和を中心に総合的に審査

6.賞
1.グランプリ:「小規模施設部門」「大規模施設部門」より1点
2.「小規模施設部門」「大規模施設部門」金賞、銀賞、銅賞:各部門より数点
3.「特別賞」「PremiAL奨励賞」応募作品の中から数点


About LIXIL
LIXILは、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。ものづくりの伝統を礎に、INAX、GROHE、American Standard、TOSTEMをはじめとする数々の製品ブランドを通して、世界をリードする技術やイノベーションで、人びとのより良い暮らしに貢献しています。現在約53,000人の従業員を擁し、世界150カ国以上で事業を展開するLIXILは、生活者の視点に立った製品を提供することで、毎日世界で10億人以上の人びとの暮らしを支えています。
株式会社LIXIL(証券コード: 5938)は、2024年3月期に1兆4,832億円の連結売上高を計上しています。
LIXILグローバルサイト:

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