元アパレルデザイナーが紆余曲折を経て辿り着いた"魅せる財布"とは?!ファッション性の高い、皮革アイテムで差別化を図る『有限会社AKASHIYA』が、東京インターナショナル ギフト・ショーに出展します。

2025.02.04 13:10
足立ブランド
有限会社AKASHIYAは、2025年2月12日(水)~2月14日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第99回東京インターナショナル ギフト・ショー」に「足立ブランド」として出展します。
<一見シンプルな財布ですが・・。和モダンな「魅せる財布」の秘密は記事の最終章で!!>

元服飾デザイナーの林崎誠一氏が、業種を替え父の会社を継いだのが平成25年。会社の所在地は足立区というものの、それほどゆかりのないこの地で「足立ブランド」に応募したきっかけとは? オリジナルの皮革アイテムのデザインで決起した一人社長、林崎誠一氏が、足立区を味方にした理由を探ります。
有名アパレル社員の経験から得たもの

栃木県鹿沼市で産声を上げた林崎誠一氏は、洋品店を営む両親のもとで育ちました。
高校時代は弓道部でインターハイ出場を果たし、国体の候補選手にも選出。しかしスポーツ推薦で大学に進学することに何か違和感を感じたと言う林崎氏。その時代はまさに日本のDCブランドが全盛期を迎えていた頃。興味ももちろんありましたが、洋品店の子として生まれ、ダウンジャケットのリメイクやボタン付けなどこれまで難なくこなしていた経験から、大学を中退してアパレルの道を志します。 
文化服飾学院のアパレルデザイン科に入学後、その才能はめきめきと表れ、「エールフランス」や、「オンワード樫山」主催などの若手の登竜門である新人賞を在学中に受賞。
<コレクション担当者としての記念撮影、名立たるアーティストたちの衣装も担当していた>
卒業後は、斬新で自由奔放なデザインでマイルス・デイヴィスやアンディ・ウォーホルにも愛された、当時飛ぶ鳥を落とす勢いの日本のデザイナーズブランド「アーストンボラージュ」に入社します。
「アパレル会社は華やかなイメージを持っていましたが、入社して仕事を始めると毎日過酷な長時間労働でした。どこの会社も同様で、そういう時代だったのです。けれど、そこで得た技術やセンスといったスキルが後々、私の財産になったことを今では実感しています」

その後、有名デザイナーの名前が冠された作品ではなく、自分らしいデザインで自らの力を試したいとの思いに至り、6年勤めた会社を辞め、フリーランスのデザイナーに。名の知れたブランドに属していた経験や、景気もまだ良かったので初めは順調でした。しかし段々と世の中のファッションの方向性や景気の落ち込みもあり、徐々に下降線をたどり、心身共に疲弊。次第にファッションへのモチベーションや興味も薄れてしまいました。



“ものを作る”仕事の後に選んだ道
デザイナーとしての挫折、という辛酸を味わった林崎氏が、リハビリのつもりで始めたのは、展示会や店舗のアパレル什器などを扱う裏方の仕事。“ものを作る”仕事ではなく、“ものを美しく、魅力的に見せる”仕事を始めたのです。リース什器ではなく、新ブランドリリースのための一点ものの什器などを扱うことに面白さを感じます。デザインはもちろん、展示会自体の平面図や立体図を読み取ることなど専門知識なども得て、この分野にどんどん興味が膨らんでいきました。

「アパレル時代、一点ものコレクション(ファッションショー)のステージ用スタイルに金属パーツなどをよく用いていましたから、以前から金属(メタル)には興味がありました。ですから什器に使う金属にも全く抵抗が無く、展示会に出展するこの服のデザインには、この金属が合う、表面処理はこれが良い、など金属加工工場に赴き、職人さんとの直接交渉が当時妙にしっくりいったのを覚えています」

什器の設営や新ブランドを展開するため百貨店などに出入りする機会も多く、充実した日々を送っていましたが、ある時こう思います。「バッグや小物の売場を見ていたら、新作といえど、どれもインポート商品の模倣ではないのか?」「世の中にないもの、自分にしかないものを作りたい」アパレルに背を向けて裏方に徹してきた林崎氏は「もう一度、自分のデザインをしてみたい。」その時、心に沸き立つものを感じたのです。

「METALSTIC」ブランドの誕生
裏方の仕事で得た金属の溶接加工や表面処理、メッキの知識などをアパレルの経験に積み上げます。しかし、作りたいバッグのデザインを描き上げ、金属加工の職人に持っていくと「デザイン画では形にできない」「寸法入りの図面がないと加工はできない」という思わぬ返答。デザインイメージだけでは職人は動きようがないことを思い知らされたのです。

そこで林崎氏は、デザイン画を3次元模型の製作に切り替え、細かい部分まで表現した実寸大の模型を作ります。紆余曲折しながらも、金属の接合部は溶接、曲げ型を使わない職人の手作業鏡面加工の『ステンレス304』といった、ディテールや素材にこだわり抜いたメタル素材のクラッチバッグが完成しました。鏡のように光沢を放つ作品からインスピレーションされたのは「metal&fantastic」。このふたつの単語を取り合わせた造語が「METALSTIC」。ここに林崎氏のブランド「メタルスティック」が誕生しました。
<「METALSTIC」の商品:メタルのクラッチバッグ>


メタルに組み合わせるレザー素材も熟慮。「カラーバリエーションが豊富だが牛革ではインパクトが弱い。家畜以外の動物から得られるエキゾチックレザーではどうかと考え、リザード(トカゲ革)も試します。しかしまだ、メタルに負けてしまう、そして行き着いたところがパイソン(ヘビ革)でした。これがメタルと見事に共鳴したのです」林崎氏はアパレルデザイナーの頃、パイソンをよく用いており、デザイナーとして挫折した経験から、初めは選択肢からあえて除いていたのだとか。
<存在感が違う!レッドパイソン>

「私の中では、エキゾチックレザーでもオーストリッチやリザードのバッグや財布は富裕層の方が持つイメージ。パイソンはデザインにこだわりのある個性的な方が持つイメージです。野性味のあるエッジの利いた表現はパイソンを凌駕するものはありません。他の皮革のバッグは服を決めてからバッグを選ぶことが多いと思いますが、パイソン好みの方は、まずバッグを決めて服をスタイリングする。そんなバッグを主役にする方も多い気がします」




製作全てがオリジナルにこだわったハンドメイドのバッグは25万円ほどしましたが、個性的でスタイリッシュなアイテムとして雑誌やファッション業界紙に多く取り上げられました。画一化、没個性が進むファッション業界において話題となりました。

「足立ブランド」へ参加した意味
新作バッグを掲げ、デザイナーとしてファッション業界へ復帰を果たした林崎氏。それは同時に、皮革職人への一歩でもありました。すでに父の会社を洋品店から鞍替えして受け継いでいましたが、ここから先、「METALSTIC」をビジネスとして発展させるには着用シーンを広げ、デイリーユースのアイテムを展開することが課題でした。
「金属加工職人とのすれ違いを教訓とし、皮革職人にも同じように模型で指示を出し、綿密に打ち合わせをしましたが、やはりディテールなどは全く思っているものとは違う作品ができてきました。革製品の美しさを左右する裁断面(コバ)の処理もなく、しかも一点ものをお願いしているのに“こだわりが強すぎて量産品としては向かない”と言われる始末でした」

自らのデザインイメージが10とすれば、7くらいの完成度しか得られないのであれば自分で作るしかない!と一念発起。皮革ミシンを購入して製作を開始。しかし皮革縫製は全く素人だったので、試行錯誤の日々が続きます。睡眠時間もなく、心身共に極限状態。それでも数カ月経つとコツも少しずつわかり、技術を習得していきました。
<アトリエでミシン作業に励む林崎氏>

こうしたストレスの一方で、「METALSTIC」はマスコミや展示会での高い評価を得ていきました。しかし製作で精一杯な上、プロモーションはもちろん、経験や“後ろ盾”という名の信用は業界で皆無。
「経験も信用がないのなら、バックに有名企業や団体などが付いていないと、良い作品を作っても、取引きは敬遠される」という展示会でのバイヤーの言葉に林崎氏のわだかまりが高まります。

ある時ふと目に留まったのが、ポストに毎月投函される『あだち広報』でした。
<最新の「あだち広報」>
そこには『足立ブランド』の審査募集の記事が。
「それまで『足立ブランド』のことは知りませんでしたが、足立区の公式事業として認定企業をバックアップしてくれるとのこと。一縷の望みに賭け応募することに決めました」

審査では、元服飾デザイナーの観点でのバッグや小物作り、オリジナルブランドの立ち上げのことから、針穴や糸のバランスに至るまで、悔いが残らぬように思いの丈を伝えました。

結果、見事新ブランドを立ち上げてから3年後、平成28年に「足立ブランド」に認定。当時、審査員から言われた「オリジナリティのある、ファッション性の高いものをこれからも作り続けてください」という言葉が今でも印象に残っているそうです。




「足立ブランド」に認定されてからは、その冠のおかげで、例えば百貨店の催事では百貨店サイドはもちろん、来場されるお客様の信用をも得ることができました。また「足立ブランド」認定企業として2016ギフトショーに参加したときは、向かいのブースだった九州の伝産品として出展していた博多織の「黒木織物」の社長と意気投合。エキゾチックレザーと博多織のコラボレーションが実現、上海の見本市にも出店するなど、思わぬ出会いも。「足立区に単なる“革屋さん”でなく“革好きのデザイナーが作るオリジナルのハンドメイド製品の会社”と認めてもらえた結果が今日に繋がっているのだと思います」と語ります。

「AKASHIYA」の今、そしてこれから
「足立ブランド」認定企業になって順調に進んでいた『AKASHIYA』ですが、大きな転機が訪れることになります。世界各国で動物愛護の声が高まり、パイソン(ナタールニシキヘビ)の取り扱いも以前ほど容易にできなくなります。そのため、舞台衣装などでパイソン使いのアイテムの製作と並行し、ヌメ革を使った一般向けの「METALSTIC」のアイテムなどにも力を入れ始めます。
<名入りのメッセージスマホポーチ>
クラウドファンディングに、美容師のサコッシュから想を得た「メッセージスマホポーチ」を11,000円で出品。上質なヌメ革素材、センス豊かなデザイン性、字体が選べて好きな文字を入れられるサービスなどがうけて予想以上の反響がありました。
サイドポケットは、バッグに入れた荷物の膨らみで押されスマホが底にまで落ちない工夫や、ストラップはデザイン性の高い“ぶら下がり”というスタイルを採用。



「思いのほか、たくさんのオーダーが入って、眠る間も惜しみ何千個のバッグの文字をレーザーミシンで入れました」と笑う林崎氏。今後も“ひとり社長”は変わらずですが、クオリティーはそのままに協力工場の力を借りて、数々の苦難を乗り越えた「METALSTIC」を進化させていきます、と意欲的。常に前を見据えている姿が印象的でした。

折り紙や扇をイメージさせる和モダンな「魅せる財布」
そんな林崎氏は新作のミニ財布を携えて2025年2月12日(水)~2月14日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第99回東京インターナショナル ギフト・ショー」にも「足立ブランド」として出展致します。

あれ・・??今までのメタル x パイソンからは想像できない、シンプルな出で立ち。
しかし、ここまで記事を読んだ皆様は、林崎氏の並々ならぬものづくりの情熱をご存じのはず。

この手のひらサイズの財布に、どんなギミックが施されているのか・・一緒に見ていきましょう!
早速オープン!!
<今回のギフトショーで披露される「魅せる財布」>
扇のような開閉口

お・・扇!?

いや・・
孔雀??!!!!

蛇腹のような側面は、扇や折り紙を彷彿とさせますね。手のひらサイズのコインケース外側には紙幣収納スペースを(左右フラップ式)設け、紙幣を折らずに収納可能なデザインになっています。
「最近はキャッシュレス可も進んでいるので財布を小さくしたい・・。でも紙幣を折るのが嫌で・・」なんていう長財布使用者の方にも嬉しい設計。
<コインケースの外側には・・>
<紙幣収納スペースが!!>
<180度しっかり開きます>

会計時などにもついついお財布を開いて人に見せたく・いや、見せつけたくなってしまう。そんなデザインは、まさに「魅せる財布」!!
1月31日からマクアケ・クラウドファンディングでも公開がスタート。次世代のミニマム財布の誕生に目が離せません。
こちらの財布をはじめ「METALSTIC」商品に魅せられたあなたへ朗報です。ギフト・ショー内の「SOZAI展」コーナーでは「足立ブランド」で出展しており、実際に商品をご覧いただけます。林崎氏のエネルギー溢れる作品に、その手でぜひ触れてみてください。
<マクアケ・クラウドファンディングのQRコードはこちら>


【企業情報】
有限会社AKASHIYA
(ブランド「METALSTIC」のWebサイト)
会社名:有限会社AKASHIYA
住 所:東京都足立区皿沼2-18-15 中商ビル3F
電話番号:03-6662-8260
代表者:林崎 誠一

「足立ブランド」は、区内企業の優れた製品・技術を認定して、その素晴らしさを全国に広く発信することで、区内産業のより一層の発展と足立区のイメージアップを図ることを目的とした事業です。
『有限会社AKASHIYA』は、この「足立ブランド」認定企業です。
取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある足立区役所産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。


足立区役所産業経済部 産業振興課 ものづくり振興係
電話番号:03-3880-5869
ファクス:03-3880-5605


足立ブランド公式Webサイト

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