「トミテックに頼んで良かった!」当時10代の女の子だった代表が100年企業を目指す。国内トップクラスの薄板バネ製造工場が、オリジナル商品を携え「東京インターナショナル ギフト・ショー」に出展します!

2025.02.05 10:24
足立ブランド
株式会社トミテックは2025年2月12日(水)~2月14日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第99回東京インターナショナル ギフト・ショー」に「足立ブランド」として出展します。

1959年に創業し、金属プレス、精密薄板バネの金型設計製作、製造などを行ってきた株式会社トミテック。現在の代表は創業者の娘である尾頭美恵子さんで、4代目の代表です。高校1年のときから家業の手伝いをしてきた尾頭さん。オイルショックに始まり、東日本大震災、コロナまで、時代の荒波を乗り越えてきたトミテックの歴史と未来への展望を尾頭さんに聞きました。
<株式会社トミテック。創業者の娘で現在の代表でもある尾頭美恵子さん>


高校1年から家業の手伝いに
精密プレス加工で精密薄板バネの製造を続けてきた『株式会社トミテック』。現在、4代目の代表を務める尾頭美恵子さんの父親、富岡正一氏が1959年に創業した会社です。創業以来、順調な経営を続けていましたが、1970年に正一さんが病に倒れ、母親の千恵子さんが会社の経営を手伝うことになりました。
<富岡スプリング製作所、当時の家屋>
<高校生の頃の尾頭さん>
「私はその時、ちょうど高校に進学した頃でした。中学ではバレーボール部のキャプテンを務め、高校でも続けるつもりでしたが、高1の11月にあった新人戦にだけ出て、バレーボールは辞め、放課後は母親の仕事の手伝いをするようになりました」
と、尾頭さんは家業と関わり始めた頃を振り返ります。

「私は4人姉妹の長女だったのですが、下の妹たちの世話もありましたし、沖縄から来た3人の住み込み従業員、昔からの社員さんの3度の食事の支度や掃除、洗濯などをしていました」





1973年にはオイルショックもあり、厳しい経営状況が続く中、正一さんが1974年に他界。
千恵子さんが2代目の代表に就任し、高校を卒業して1年余りだけ大手銀行勤務を経験した尾頭さんも正式に『トミテック』(当時は「有限会社富岡スプリング製作所」)に入社しました。経理、工場勤務、梱包、営業など、様々なことを担当したそうです。
<創業者の富岡正一氏>


急ぎの仕事。困っている取引先のため、「10代の女の子」がひとりで対応
そんな10代の頃、尾頭さんのその後の仕事に対する向き合い方を形作っていくような出来事がひとつありました。
「母親も入院していたことがあったのですが、そんなある日、私がひとりの時に滋賀県の取引先から電話があり、急ぎの仕事を頼まれたのです。翌日までにある部品が一定個数、どうしても必要だというので『やります』と受けたんです」

夜中、薄暗い工場の中で「蹴飛ばし(ケトバシ)」と呼ばれるフットプレス機を自ら動かして製品を作り、翌朝、羽田空港から飛行機に乗り、滋賀県に向かいました。
<蹴飛ばし(ケトバシ)での作業の様子>

「当時はスマホも何もない時代です。飛行機に乗るのも初めてで、確かキャンセル待ちでチケットを買ったと記憶していますが、自分でもどうやって行ったのか思い返すと不思議なくらいです。先方の会社には『10代の女の子が来るなんて』と怒られるんじゃないかと、緊張しながら行ったことを覚えています」
途中から迎えに来てもらうなどして、なんとか先方の会社まで行くことができました。丁寧な対応をされ、帰りのことは考えていなかった尾頭さんを新幹線の駅まで送ってくれたそうです。
「緊張していて、何も話せなかったのですが、先方は『助かった』と喜んでくれました」

そして今、尾頭さんは代表者のメッセージとして「『トミテックに頼んで良かった!』と言っていただけることが一番の幸せ。だからこそ、これからもそんな町工場を目指し、感動と笑顔・納得のいく満足をお届けします」ということを一番に掲げています。

このメッセージの裏側には、そんな10代の頃の経験があります。

夫が3代目に。成長もした激動の1990年代、2000年代
その後、尾頭さんはトミテックでの仕事を続けながら結婚し、二子を授かりました。また、元々は別の会社で働いていた夫の尾頭三喜生氏も入社し、営業を担当するようになりました。
「夫は営業のスキルが高く、大きな契約を次々とってきました。ただ仕事も忙しくなり、(子育てに十分な時間がとれず)子どもたちには苦労させてしまいました」

1991年には手狭になった本社工場を足立区青井から六町に移転、プレス機や金型製作機械などを新たに多数導入し、1部品月間700万個の大量生産も行うようになっていきました。1999年には三喜生氏が3代目として代表に就任しました。
<1990年本社工場移転の際、神事の様子>

「創業時と比べると会社の規模も大きくなったのですが、1992年のバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災と、外的な要因もあって、経営的には良い時もあれば悪い時もあって、苦労もしました」

時代に合わせ、技術とITを融合させていく
そして2014年に長男の孝幸氏が入社。2017年、三喜生氏に代わり、尾頭さんが4代目の代表に就任。
「この頃からもの作り補助金の活用でワイヤ放電加工機を導入して金型製作に力を入れたり、東京都の補助金を使って単発プレス機3台を導入し、大量生産だけでなく、多品種・小ロット生産に対応できる態勢作りを行ったりしてきました。次を託せる息子が入社してくれたことは本当に心強かったです」
<長男孝幸氏とのツーショット。笑顔が素敵です>

現在は孝幸氏が専務取締役に就任し、これまでに培ってきた町工場の職人技とITとの融合を図る事業への転換を進めています。
「これからのものづくりで生き残るためには技術とITの融合は欠かせません。例えばワイヤ放電加工機はスマホで管理ができ、24時間稼働可能です。単発プレス機もLAN接続で社内のパソコンで管理できます。3D CADを使った最先端の金型設計も行っています。会社は創業66年目に入りましたが、時代に合わせた進化をし、100年続く企業を目指しています」
<現在の社屋前での集合写真。みなさん素敵な笑顔です!>


足立区、そして日本のもの作りを未来へ繋ぐ
『トミテック』は2018年に「足立ブランド」に認定されました。もともと2001年に製造業主体の異業種交流会「足立イコー会」の会員になり、そこからの縁で足立区内の様々な企業との付き合いはあったそうですが、尾頭さんが代表となり、「足立ブランド」にも申請しました。

「認定された後は子ども向けの工場見学体験の受け入れなど、足立区のいろいろなイベントに参加させていただくようになり、さらなる地域・社会貢献を行いたいと考えるようになりました」と尾頭さん。
ほかにも地元小学校を対象にした職業体験の受け入れ、高校生や大学生のインターン受け入れなども行っています。「小学生や学生向けの体験会は、日本のもの作りを次の世代に伝えたいという思いで行っています。特に足立区の子供たちにはもの作りに興味を持ってもらいたいです。私は5歳の時から足立区で育ちました。昔は子供が町工場を覗けたりもしたのですが、今は騒音や匂い対策もあって、工場の中が見えなくなってしまいました。だから、ワークショップなどを積極的に開き、工場に来てもらって、もの作りを好きになってもらいたいのです」
<地元の工科高校生のインターンシップの様子>
<もの作りに真剣に向き合う雰囲気が伝わってきます>

足立ブランド認定企業として、「自社だけでなく、足立区のもの作りが未来に続くよう、従業員と一緒に会社としてできることをやっていこう」と尾頭さんは考えています。
<「iNSTA-CLiP」は多機能型のクリップ。写真立てやメモ置き、本のしおりなど様々な用途で使用できます!>


トミテックが誇る精密薄板バネの技術、自由に曲げられる金属という自社が持つ技術の強みを活かした商品としては、『iNSTA-CLiP』は、2025年2月12日(水)~2月14日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第99回東京インターナショナル ギフト・ショー」でも見ることができます。

ギフト・ショー内の「SOZAI展」コーナーに「足立ブランド」名義で出展しており、端材を活用して生まれた商品や商品になる前の端材なども展示されているとか。100年企業を目指す株式会社トミテックの次世代のものづくりを、ぜひご覧ください。

企業情報
株式会社トミテック
会社名:株式会社トミテック
住 所:東京都足立区六町4丁目12番15号(本社・工場)
電話番号:03-5851-8812
代表者:尾頭 美恵子
事業内容:
・精密プレス部品製作
・精密金型製作

「足立ブランド」は、区内企業の優れた製品・技術を認定して、その素晴らしさを全国に広く発信することで、区内産業のより一層の発展と足立区のイメージアップを図ることを目的とした事業です。
株式会社トミテックは、この「足立ブランド」認定企業です。




取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある足立区役所産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。


足立区役所産業経済部 産業振興課 ものづくり振興係
電話番号:03-3880-5869
ファクス:03-3880-5605


足立ブランド公式Webサイト

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