味の素(株)、生活習慣改善をサポートする「しっかり食べチェック(R)プログラム」を開発

2025.01.17 14:00
味の素株式会社
~自社のノウハウと知見を生かし、従業員の健康増進を支援~ 冷凍弁当の提供や食事チェック、管理栄養士監修のアドバイスで食習慣が大きく変化

 味の素株式会社(社長:藤江 太郎 本社:東京都中央区)は、従業員の健康増進支援の一環として、栄養バランスのよい食事の提供や有識者からのアドバイス、および当社独自の食事改善ツールによる食事・運動のセルフモニタリングを通じて、生活習慣の改善をサポートする「しっかり食べチェック(R)プログラム」を開発しました。当社が3カ月間にわたり同プログラムを社内で試験的に導入した結果、有意な結果が得られました。

 日本国内においては少子高齢化に伴い、労働力人口減が経済にマイナスの負荷をかける状態となり、医療費増加に伴う社会保障制度への影響が課題として提起されています※1。また当社が代表幹事企業の一社である「健康経営アライアンス」※2は日本の産業界が直面する課題として「社員の健康増進」、「健康保険組合の財政の健全化」、「医療費抑制への貢献」を挙げており、「健康経営(R)」の推進を企業の生産性向上や医療費の適正化のみならず、社員を企業の財産ととらえる人的資本経営の実践においても重要な経営課題としています。
 一方、当社グループでは従業員とその家族の健康が最も重要な経営基盤の一つと考え、職場の栄養改善やセルフ・ケアの維持向上のための施策を展開しており、「味の素グループで働いていると、自然に健康になる」ことを目指しています。こうした背景の下、当社は従業員の健康増進を人財資産強化の取り組みの一つとして推進する上で、生活習慣の改善に向けた従業員自身の行動変容が不可欠であると捉えており、不規則な勤務時間や外食の増加などによる食生活の乱れに対する従業員の意識を喚起させると共に、多様な働き方の両立をサポートすることを目的に本プログラムを開発しました。
※1) 出典:内閣府HP(3)人口急減・超高齢化の問題点
※2)「社員の健康をつうじた日本企業の活性化と健保の持続可能性の実現」というビジョンを掲げ、代表幹事9社で運営。参画企業・団体は451社(2024年12月27日時点)。企業と健保が連携したコラボヘルスの推進を通じて、データドリブンの課題特定と解決策の実行、各種施策の評価を行う。健康経営の型づくりと成果創出のためのソリューションの共創および産業界への実装を目指す。
 本プログラムは栄養バランスのよい「お手本食事」の提供と、アプリを通じた食事記録(摂取した推奨する食品群をチェック)、およびチェック内容に対するフィードバックの三要素によって構成されています。「お手本食事」は肥満症治療/動脈硬化性疾患予防ガイドライン等の公開情報を参考に、摂取を推奨する10個の食品群を対象として当社が選定した献立で、これらの食品群を含む当社の冷凍ストックご飯「あえて、(R)」※3をベースとしています。「お手本食事」の提供に加え、女子栄養大学(武見ゆかり教授、林芙美准教授)と共同開発した生活者の栄養改善のための食事チェックとアドバイスのフィードバックシステムの組み合わせにより、従業員の食を通じた健康増進への関心と理解を深め、生活習慣の改善を促すことがプログラムの狙いです。
※3) まぜご飯の上におかずを詰めた一食完結型の冷凍ストック弁当。野菜摂取量、食品相当量、食物繊維において、1日当たりの摂取目安の1/3を目標に開発(1日当たりの摂取目安量は、栄養素等表示基準値(18歳以上、基準熱量2,200kcal)、および厚生労働省推進・健康日本21の野菜摂取目標量(1日350g)に基づく)。必要なご自宅の冷凍庫に保管しておき、忙しいときに電子レンジで6分加熱するだけで、おいしくて栄養バランスのよい食事を手軽に楽しむことができます。
 当社の不規則な勤務時間帯の従業員(夜勤、営業(外勤))を中心とした参加者110名に対して、約3カ月間検証を行った結果、健康な食生活への意識の改善、食生活や運動習慣の行動変容、および摂取した食品群数の増加などが認められました。また、健康的な食生活の改善においては食事制限等がストレスになることも想定された中、参加者が「おいしく食事をする」との意識を損なわずに取り組んでいる姿勢が見られました。この結果を踏まえ、当社は「しっかり食べチェック(R)プログラム」を、社員食堂を利用できない様々な勤務形態の従業員への健康増進に向けた行動変容プログラムとして検討し、健康経営の取り組みサポートを図ります。 また研究成果の詳細は、2025年1月17日~19日に国立京都国際会館で行われる第28回日本病態栄養学会年次学術集会において発表します。
※4) 肥満症治療、動脈硬化性疾患予防ガイドライン、既知情報(名古屋学芸大健康・栄養研究所年報第二号2008年)の食品群 から、推奨する10個の食品群(1.精製度の低い穀類2.脂肪の少ない肉類3.魚介類4.大豆・大豆製品5.甘くない乳・乳製品6.緑黄色野菜7.その他の野菜8.海藻類9.きのこ類10.果物)を選定。
※5) 行動変容ステージの回答について「改善するつもりはない<無関心期>」=1、「概ね6か月以内に改善するつもりである<関心期>」=2、「概ね1か月以内に改善するつもりである<準備期>」=3、「すでに改善に取り組んでいる(6か月未満)<実行期>」=4、「すでに改善に取り組んでいる(6か月以上)<継続期>」=5 と数値化して解析
※6) 「ほぼ毎日食べた」及び「週5~4日食べた」と回答した食品群の数
※7) 各質問項目の回答について、「あてはまらない」=1、 「あまりあてはまらない」=2、 「ある程度あてはまる」=3、 「あてはまる」=4 と数値変換して解析

 当社は「アミノサイエンス(R)で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という志(パーパス)の実現に向けて、2030年までに10億人の健康寿命を延伸することを目指しています。今後は「しっかり食べチェック(R)プログラム」を活用した食と健康のソリューションサービス提供の実現と、健康経営アライアンス、健康経営実践企業の支援等を通じて、人々の健康で快適な生活の実現に貢献します。

参考
2023年6月30日付プレスリリース
業界を超えた健康経営の実践に取り組む148社・団体が集結
「健康経営アライアンス」が本格始動
「健康経営(R)」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

 味の素グループは、“Eat Well, Live Well.”をコーポレートスローガンに、アミノサイエンス(R)で、人・社会・地球のWell-beingに貢献し、さらなる成長を実現してまいります。
 味の素グループの2023年度の売上高は1兆4,392億円。世界34の国・地域に拠点を置き、商品を販売している国・地域は130以上にのぼります(2024年現在)。詳しくは、
をご覧ください。

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