株式会社EpoChは、2023年3月創業。『「働く人と組織のイキイキ」を実現する 』というパーパス(社会における存在意義)のもと、個の活躍、組織の変革、事業成長、業績向上につながる『対話型の組織開発』『実践型の戦略人事』『伴走型のコーチング』の3つの軸での事業を展開しています。
<創業期のストーリーはこちら>
2025年、新たな年の幕開けの今、株式会社EpoChの創業者であり代表取締役の遠藤亮介に、2期目までに辿った道のりや、既に始動する3期目の現状と目指す姿について話を聞きました。
挑戦と自分たちらしさを武器に歩んだ創業期の半年を振り返る。株式会社EpoChが語る基盤づくりと清々しい船出
株式会社EpoChは、私自身が20年近くにわたりグローバル企業で培った組織開発と戦略人事の実体験を背景に、2023年3月に立ち上げた会社です。創業期の半年間は「挑戦の連続」であり、「失敗を覚悟の上で進む船出」の期間でした。
結果としては赤字でのスタートではありましたが、振り返ると不思議と清々しい気持ちで終えることができました。それは、「自分たちらしさ」を追求し、「何を大切にするか」を明確にすることで、事業の基盤を地道に、堅実に築くことに集中できたからです。
この創業期では「限定された層への深い認知」を目指し、一つひとつの活動を丁寧に行ってきました。その積み重ねが、次のステップへの準備として大きな力になりました。
組織と個に徹底的に向き合った2期目の挑戦。黒字化と未来への足場づくりを実現
2023年9月から始まった2期目では、『組織』と『個』の双方にしっかりと向き合うことを軸に据えました。『組織』に対しては、「対話型の組織開発」と「実践型の戦略人事」を軸とする『CHROパートナー』として、大手・中小日系企業と外資系企業を中心に、顧客の中に深く入り込む形で伴走しました。
『個』に対しては、経営者やリーダー候補、HRの方々を対象に、『エグゼクティブコーチ、リーダーシップコーチ、ビジネスコーチ、メンター』として、それぞれのニーズに応じた伴走を行いました。
この中で、私たちが大切にしてきたのは、「Who are we(私たちは何者か)?」を問い続けることでした。私たちのパーパスである『「働く人と組織のイキイキ」を実現する 』が、時に迷いそうになる道を照らす北極星のような存在となり、日々の活動を支えてくれました。
特に2期目では、「対面での伴走を重視した双方向の対話」と「サービスの質」に徹底してこだわりました。その結果、会社として黒字化を達成し、次なる目標である「これからを担う若い仲間を迎え入れる」というステージへの足場を築くことができたのです。
創業期から2~3期目への移行。「一人で早く」から「チームで遠く」へ。
こうした成長を振り返るとき、私が常に意識してきたのは、創業からのフェーズごとに異なる進み方を選んできたことです。
創業期は、「早く目的地に進むために、一人で」を意識し、必要なことを最小限に絞って進む時期でした。税理士さんにも「驚くほどコストを抑えていますね」と言われたほど、無駄な出費を抑えつつ、効率的に事業を立ち上げました。一人で迅速に進むことで、事業の基盤を形にすることができたのです。
2期目は、「難所を辿りながら少し先に進むために、信頼できるパートナーの助けを借りる」ことを意識したフェーズでした。親和性の高い数社とのアライアンスパートナーシップを結び、複業で参画してくださる仲間にも恵まれました。その結果、サービスの品質・スピード・誠実性・独自性において期待を上回る高い評価をいただき、全ての企業様が契約継続につながるという成果を得ることができました。
小さな船で遠くへ進む。経験を糧に、自分たちらしく次のステージへ
現在、強く思っているのは、「チームで遠くへ進む」ということです。特に2024年の夏頃から、その想いが一層強くなりました。私は長年の間、外資系企業の組織リーダーとして、「巨大な船で果敢な航海をアジャイルに(俊敏に)前進する」経験を積んできましたが、これからの私たちには、「小さな船で、自分たちらしく、チームで逞しくしなやかに遠くに進む」というスタンスが合っていると感じています。
実際、この頃から、自然と周りに大切な仲間が集まり始め、「自然な笑顔が増えたね」と言われることも多くなりました。そして、そのタイミングで出会えたのが、春から一緒に新たな航海に乗り出す予定の仲間です。
2期目の活動で大切にした「実践」の重要性。双方向の対話でゲイン(提供できる価値)の明確化を
2期目を振り返り、事業活動で特に意識してきたことをご紹介します。まずは、理論より「実践」を重視する視点です。HRという領域では、ともすると「理論」に陥る状況をよく目にします。もちろん、理論は重要ですが、組織や人の変革を本質的に推進するには、理論だけでは不十分です。
人が主体的に動くためには「感情」に訴えかけるストーリーテリングが必要になります。そして、その感情を伴わせるためには、実際に組織や現場に入り込み、周囲を効果的にinvolveして(巻き込んで)、行動を共にする「実践」が欠かせません。
そこで当社は、理論やツールを一方通行に提供する傾向のコンサルティングスタイルは取らず、「対話による双方向のすり合わせ」を軸に据えています。事業会社でのHR責任者時代、外部からのご支援が一方通行な理論に偏ったツールやノウハウの提供に終始し、実態に全く沿っていないという事例をあいにく多く見てきました。当社では、まず徹底した「ニーズ(目的達成に必要なこと)」と「ペイン(取り除きたい課題)」のすり合わせを行い、その上で「ゲイン(提供できる価値)」を明確にすることにこだわっています。
ここでより効果が発揮される向き合い方として、当社では「対面重視」のスタンスをとっています。目の前の問題を解決するためのアドバイスであればオンラインでも良いのかもしれませんが、先に述べたように当社では、「対話による双方向のすり合わせ」を大切にし、「人や組織の在り方」に焦点を当て、「成長のために伴走」します。
オンラインでは難しい、表情やしぐさ、空気感や沈黙のニュアンスを感じ取り、そこからの気づきをその場でフィードバックする。そうしたリアルタイムの双方向の対話こそ、相手との信頼関係を深め、組織や人の本質に迫るきっかけになると考えています。
ありたい姿の実現に向けて「個と組織の共成長」で業績向上を目指す。EpoChの対話と実践に基づく伴走型アプローチ
このアプローチを支えているのが、私自身の長年のコーチとしての知見と経験です。コーチとして、まずは、個人の「ありたい姿」や組織の「目指す姿」に焦点を当てます。ありたい姿の実現を目指す過程で生じる問題や課題そのものを扱うことが効果的なフェーズやシーンにおいては、「プロセスと成果」に焦点を当て、時に『メンター』のように伴走したり、実際に施策を共に推進したりする柔軟な役割も担います。
さらにそこから当社が目指すのは、最終的にはその組織やメンバーが自らの力で自走できる状態になっていくことです。そのためには、施策を「実際に見せる」「体感してもらう」ことで、組織に自然と実践の力を根付かせる必要があります。
このアプローチがもたらす成果は、『個』の活躍や『組織』の変革、さらには事業成長や業績向上へとつながります。当社が大切にしているのは、こうした『個』と『組織』が共に成長し、イキイキとした状態で目指す成果を手に入れること。そのために、私たちはこれからも「対話」と「実践」を大切にしながら伴走を続けていきます。
"小さな船" が果たせる役割とは何か。2つのボランティア活動に取り組んだ2期目を振り返る
私自身、これまで故郷香川での恩送り活動を含む幾つかのボランティアに取り組んできましたが、2期目を迎えるにあたり、代表を務める株式会社EpoChとしても「CSR(企業の社会的責任)」を意識した活動をスタートしました。
我々のような小さな船でも果たせる役割があると信じ、2つの取り組みを進めています。一つ目は『人事図書館』での「HRとして活躍を目指す方々への学びの場の提供」、二つ目は『グローバルキャリアコミュニティ(通称:グロキャリ)』での「グローバルな活躍を目指す大学生へのキャリアメンタリング」です。これらはEpoChのパーパスやミッションとも深く結びついた活動であり、私自身、大きな情熱を持って取り組んでいます。
志ある人事担当者が集う『人事図書館』。悩みや課題と向き合い共に学ぶ座談会を開催
『人事図書館』は、志ある人事の方々が集い、「いま、ここで」自身が向き合う課題に対して、協働したり、知恵を高め合ったりする場です。この活動を支援することは、当社のミッションである「Create value through HR - HRの介在で新たな価値を創造する - 」を体現するとともに、私自身の「Will(ありたい姿)」に通じるものがあります。そのため、2024年4月の図書館オープンに向けたクラウドファンディングへの協力や、眠っていたHR関連本を寄贈する形で支援を開始しました。
オープン後は、3カ月に一度、30名限定の「HRキャリア座談会」を開催し、HRとしてのキャリアに志を持つ方々に向き合っています。この座談会では、双方向の対話を重視し、それぞれの悩みや課題に向き合いながら共に学び合う場をつくることを目指しています。
今の私にでもできる精一杯の活動ではありますが、HRの未来を担う方々がさらに飛躍できるよう、誠実に向き合っていきたいと思っています。
未来を担う若者たちの夢の一端を支えたい。留学生を対象とした就職支援コミュニティ『グロキャリ』活動
もう一つの活動である『グロキャリ』は、3,000人以上の留学生を対象とした就職支援コミュニティです。グロキャリの主な活動内容は、グローバル企業の本社訪問イベントの企画・実施や、就職活動に役立つ講座の開催、そしてボランティアで私が担当する『キャリアメンタリング』です。
このメンタリングでは、グローバルな視点でのキャリアの築き方や、グローバル企業での働き方、さらにはマインドセットの重要性について学生たちに伝えています。未来に向かって力強く羽ばたこうとする若者たちの姿に触れるたび、彼らの夢の一端を支えることの意義を感じ、私自身も大きな刺激を受けています。この活動を通じて、次世代の未来を創る方々に少しでも力を届けられるよう、誠実に向き合ってまいりたいと思っています。
グロキャリでチームリーダーを務める米国留学中の山元さんとのメンタリング風景
これら2つのボランティア活動は、世の中視点では、とてもささやかなものかもしれません。しかし、「小さな船」でも、次世代の「可能性をunlock(解放と最大化)」することにつながり、未来を支える存在になれると信じています。これからも、私たちらしいスタイルで、『「働く人と組織のイキイキ」を実現する 』というパーパスにつながるよう、未来をつくる活動を続けてまいります。CSRの取り組みを通じて得られる学びや感動も原動力に、新しい挑戦に向けて船を進めていきたいと思います。
2~3期目で注力している「自己基盤」と「海外展開」強化。アジアを中心に支援拡大
会社設立から3期目を迎えた今、私たちは「増収増益への意識と行動」「顧客への介在価値向上」「これからを担う若い仲間とのチームづくり」を経営・事業・組織の3本柱の戦略に置いています。2期目から3期目への転換期を振り返る中で、特に力を注いできた2つの取り組みについてお話ししたいと思います。
一つ目は、コーチとしての質の向上を目指し、自分自身の学びを深めることです。昨年夏以降、月に一度、多様な方々が集うコーチング・コミュニティに参加し、土日丸々の濃密な時間を過ごしています。この場では、自分の思考の癖やブラインドスポットに気づき、他者との対話を通じて新たな視点を得ることができます。特に感じるのは、長年の経験が時に思考を固定化し、「新しい視点を取り入れること」の障壁になるということです。だからこそ、異なる背景を持つ方々との対話は、謙虚な探求心を育み、自己基盤を整える大切な機会となっています。
自己基盤とは、目には見えない内面的な安定性のことです。大木に例えるならば、根が深く広がることで木全体が支えられるように、内面的な基盤が整って初めて、成果を出すための行動にもつながります。私自身、内面と向き合うことで、自分らしい一歩を踏み出すエネルギーが生まれ、顧客や仲間に誠心誠意向き合える感覚を得ています。
二つ目は、当社の独自性と強みのひとつである「海外顧客への支援」のさらなる拡大です。創業時に掲げた3カ年事業計画の中で、海外事業展開は2期目以降の重要な柱でした。2期目後半からは直接商談の機会が増え、直近半年間では米国(シカゴ)、欧州(イタリア)、東南アジア(シンガポール)などで5件の商談を実施。そのうち3件がコーチングや組織開発の支援へとつながり、現在も進行中です。
APACリーダーからの信頼とグローバル経験が支えるEpoChの成長。独自性と優位性で選ばれ国内外で描く成長戦略
これらの海外への展開は当社が重視するスタンスの「対面」とはいかず、オンラインでのご支援とはなりますが、英語を通じた「ローコンテクスト(伝えるべきことを直接的・明示的かつ分かりやすく言語化する特徴)」なコミュニケーションの特性を活かし、十分な効果を発揮できています。
また、英語話者の多くの皆さまがオンラインでも身振り手振りや表情の変化を多く出してくださる傾向であることも功を奏し、コーチングは効果的に進められています。現在、10以上の海外クライアントを支援しており、その8割以上が多忙を極めるAPAC(アジア太平洋地域)の経営陣や組織リーダー層です。
こうした方々に選んでいただける理由は、私自身が複数のグローバル企業でのAPACリーダー経験を持ち、コーチングだけでなく組織開発の実務経験が豊富な点にあるようです。この実績は、当社の「独自性×優位性」を裏付けるものとなり、私たちの励みになっています。
3期目の後半戦に向けて、イキイキと語る遠藤
次なる4期目では、国内のコーチング事業においては対面支援を中心に25%増、海外のコーチング事業は15%増、さらに国内企業向けの組織開発・戦略人事事業では30%増を目指します。
スタートアップ支援からEXまでをつなぐ。新しい仲間とともに4期目の新たな挑戦へ
また、当社の課題のひとつであるスタートアップ企業への支援を広げ、採用戦略とブランディング・人財育成・エンゲージメント施策も取り入れ、「EX(Employee Experience / 従業員体験)」の全てのサイクルをつなげていく事業に取り組んでいく予定です。
そのために行動計画を具体化し、実行に移している最中です。また、新しい仲間を迎え入れ、小さな船にさらに若くて力強いエンジンを加える準備も進めています。
私たちが掲げるパーパスは、「働く人と組織のイキイキを実現する」こと。そしてその実現に向けて、ミッションである「HRの介在で新たな価値を創造する」を体現し続けることです。これからも「私たちらしさ」を大切にしながら、顧客の皆さまに誠実かつ情熱的に向き合ってまいります。
日頃のご支援に心から感謝するとともに、3期目の残りと4期目の新たな挑戦を楽しみにしています。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
【会社概要】
株式会社EpoCh
代表者名:遠藤亮介
所在地: 東京都渋谷区神宮前6-23-4
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