肉がパサついたり、中まで火が通らなかったりと、焼き上がりの判断がしづらいハンバーグ。料理研究家の高橋千帆さんに、上手に焼き上げるコツを教えていただきます。付け合わせには、いつものマッシュポテトと一味違うチーズマッシュポテトを紹介していただきます。
定番ハンバーグの作り方
ハンバーグの厚さの半分くらいまで思い切って水を入れて蒸し焼きにするのが、おいしく仕上げるコツです!
材料(約10cmのハンバーグ4個分)
合いびき肉:550g
タマネギ:120g(1/2個)
<A>
オリーブオイル:小さじ2
バター:小さじ1
パン粉:1カップ分
牛乳:100ml
<B>
卵:1個(溶きほぐしておく)
塩:小さじ1/2
ナツメグパウダー:小さじ1
こしょう:少々
オリーブオイル:大さじ1
<ハンバーグソース>
トマトケチャップ:大さじ6
ウスターソース:大さじ3
水:大さじ4
酒:大さじ1
醤油:小さじ1
バター:小さじ1
彩りにブロッコリーなどの野菜を加えても。今回は、イタリアンパセリを添えました。
ひき肉の選び方
・肉をこだわるなら、牛ひき肉、豚ひき肉をそれぞれ買って混ぜ合わせるのもおすすめ。牛ひき肉が多くなると、旨みが増してリッチでコクのある味わいになります。
・牛肉多めで作りたい場合、牛肉:豚肉=8:2がおすすめです。牛肉だけだと、ポロポロ崩れやすいため、きれいに焼くのが難しくなります。
作り方
タマネギはみじん切りにする。フライパンを熱してAを入れ、塩をひとつまみ(分量外)入れ、タマネギがしんなりするまで中火でゆっくり炒める。透き通ってやわらかくなったら皿に広げて冷ます。
パン粉に牛乳を加え、しっとりさせる。
ボウルに合いびき肉、2、Bを入れて、手でつかむむように、粘りが出るまでよく混ぜ合わせる。1も加え、さらに混ぜ合わせる。
つなぎの役割
・つなぎは、肉汁を吸って旨みをしっかりと閉じ込めてくれます。また、接着剤の役割もあり、つなぎがないと肉がポロポロと崩れる原因に。
・「パン粉+牛乳+卵」が定番でおすすめです。
3を4等分にして、空気を抜きながら約10~12cmの楕円型にする。中央を少しへこませる。
フライパンを熱してオリーブオイルを入れ、4を並べ中~強火で焼く。焼き色が付いたらひっくり返し、裏面も焼く(焼き加減は下の画像を参照)。
両面に焼き目がついたら、ハンバーグの厚みの半分くらいの水(分量外)を注ぐ。ふたをして中火で蒸し焼きにする。
おいしく作るコツ
たっぷりと水を入れて蒸し焼きすることで、厚みのある丸いハンバーグでも、中までしっかり火が通り、失敗しにくいです。
フライパンの水がなくなってきたら、ハンバーグの中央に竹串を刺す。肉汁がにごっていたり赤かったりしたら追加で蒸し焼きにする。透明の肉汁が出てくるようになったら焼き上がり。
焼き上がりの目安
・焼き時間は「竹串を刺し、透明の汁が出るまで」です。時間を目安に調理すると、生焼けになるなど失敗してしまうことも。
・フライパンの水が減った頃に、竹串を刺し、焼き具合をチェックしましょう。にごった汁や赤い汁が出ているうちは、まだ焼けていません。
器に盛り付ける。
ハンバーグを焼いたフライパンをさっと拭いてきれいにし、ハンバーグソースの材料を入れ中~強火で煮詰める。とろみが出たら、火を止めて8にかける。
ハンバーグタネが残ったら
成形したまま冷凍しておけば、解凍するだけですぐに調理できて時短になります。冷蔵庫で解凍し、「作り方」の手順で焼いてください。
冷凍保存の場合、2週間以内に使い切りましょう。
付け合わせ:チーズマッシュポテト
塩分控えめでニンニクとチーズの風味がきいた、ハンバーグと一緒に食べるととてもおいしい付け合わせ。ハンバーグを焼く前に作っておけば、添えるだけですぐに食べられます。
材料(4人分)
じゃがいも(中):3個(約270g)
<A>
牛乳:100ml
生クリーム:50ml
バター:25g
ニンニク(すりおろし):1片
溶けるチーズ:45g
塩:ふたつまみ
作り方
じゃがいもはキッチン用のたわしなどできれいに洗う。鍋に皮ごとのじゃがいもを入れ、かぶるくらいの水を入れる。火にかけ中火で茹でる。
じゃがいもに竹串をさしてすっと通るくらいにやわらかくなったら、ザルにあげ、熱いうちに皮をむく。すり鉢(※)で滑らかになるまですりつぶす。
すり鉢がなければ、じゃがいもをボウルに入れ、木べらやマッシャーなどですりつぶす。
鍋にAを入れ中火にかける。ふつふつとしてきたら、チーズを入れて溶かす。2を加え、木べらで混ぜ合わせ、全体が混ざり滑らかになったら火を止める。塩で味を整える。
ハンバーグに添える。
最後に
ふっくらとジューシーなハンバーグと、じゃがいもの付け合わせを、ぜひ作ってみてください。高橋千帆さんプロフィール
高橋千帆/Chiho Takahashi
料理研究家/ベジタブル&フルーツアドバイザー
1980年、北海道生まれ。二女の母。調理、菓子の学校を卒業し、ベーカリー、パティスリーなど、さまざまな経験を重ねる。2007年より、インターネット販売、店舗PR用の菓子製作など、菓子を中心とした活動に従事。その後、出産、子育てを経て、菓子、料理に関わる活動を再スタート。現在は、料理家たかはしよしこ氏の「エジプト塩」スタッフとしても活躍。また企業のフードスタイリング他、食事の講座を主催しながら、家庭でも簡単に美味しく作れる「身体と心が喜ぶ料理」を研究している。
Instagram/高橋千帆さんプロフィール
[じゃがいも]栄養や選び方、茹で方、品種別のおすすめ料理
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じゃがいもはビタミンCが豊富。炭水化物を多く含みますが、米やパンにくらべて低カロリーです。緑色になった皮や発芽部分には有害なソラニンという物質が含まれるので、注意しましょう。17世紀の初めにインドネシアのジャカルタから伝わりました。そのため「ジャカルタから来たいも=じゃがたらいも」がなまって、じゃがいもになったといわれています。
最終更新:2024.12.04
文・写真:高橋千帆
監修:高橋千帆、カゴメ