納期遅延なんて概念自体が世界的には珍しい! 海外は日本の自転車のように「そこのクルマ」を買って帰るが普通だった

2024.10.19 07:00
この記事をまとめると
■世界的には新車も在庫車を販売するのがメインとなっている
■日本では契約成立後にナンバープレート発給をするために新車の在庫車を購入してそのまま乗って帰ることは難しい
■いまどきは生産工場近くにまとまって在庫車を管理する場所を確保しているメーカーも多い
諸外国では新車も仕入れ済みの在庫車の販売が主流
  世界的に新車販売では、ディーラーがメーカーから仕入れ自社で管理している在庫車を販売することがメインとなっている。車両登録制度が日本と異なることもあり、購入希望車の在庫があれば、契約成立日にそのまま乗って帰ることが可能な地域も多いようだ。
  アメリカにおける新車ディーラーでは、同じモデルであってもどれだけ豊富な在庫車が用意できるかが販売促進にも大きく影響している。ディーラーの広告やウェブサイトには「うちにある在庫は500台」などとアピールしていることも珍しくない。そして、購入時には日本のように専用として用意されている試乗車ではなく、「買って帰りたい」在庫車を公道で試乗するのもお約束となっている。
  これは、過去に生産品質にバラつきがあったころの名残りともいわれており、乗って帰りたい新車に不調がないかをチェックすることの意味合いがそもそも大きかったようだ。
  たいがいは日本のホームセンターや自転車屋さんで置いてある自転車のなかから選ぶように、置いてある在庫車のなかからよりベストな仕様やボディカラーを選んで買うようなのだが、それでもこだわりのオプションがあり、その在庫車がないと、セールスマンは近隣の同じメーカー系ディーラーにお客の希望する在庫車があるかどうか確認し、それがあるときは「車両交換」という形で自社の在庫をキャリートラックに載せて先方へ行き、お客の希望する先方の在庫車に載せ替えて戻ってくるということも行うようである。
契約成立後も面倒な登録作業が発生する日本
  日本国内では、契約成立後に関係書類を用意して初年度登録を行い、車両登録及びナンバープレートの発給を受けなければ納車とならない。いまどきは、納める新車の最終検査も働き手不足や残業時間の抑制などで時間がかかり、最短でも2カ月ほどは納車まで待つ覚悟は必要となっている。諸外国のように契約成立時点で乗って帰れるような体制となれば、新車販売市場もよい刺激となり活性化すると思うのだが、そこは「お役所仕事」なので実現性に乏しい話のように思える。
  ちなみに大昔の昭和のころでは、一時抹消登録していない、つまりナンバープレートの生きている中古車で、ついているナンバープレートと同じ管轄地域内に住んでいる人が新たに購入した場合には、契約成立後にはしばらく名義変更に時間を要するのだが、契約成立時点で名義変更未完了のまま、そのまま乗って帰るというのは結構ポピュラーな話だったとも聞いている。
  ここ最近は、ディーラー各社が土地などを確保して自社在庫を直接管理するというのではなく、メーカーの生産工場近くなどにまとまって在庫車を管理しているというメーカーも多いように聞いている。各都道府県単位ディーラーなどで管理するのではなく、たとえば南関東、北関東など、より広範なエリア単位で一括して在庫管理を行えば、コストも含めて効率的な管理もできるし、在庫を融通しあうことも可能となるので、新規に生産を発注する必要も少なくなってくるだろう。
  メーカーと子会社関係的立場にあるディーラーでは、いまどき都道府県ではなく地域単位で組織構築を行っているケースが目立つが、それも間接業務や在庫管理の効率化なども狙ったものであることは間違いない。
  車両登録制度を抜本的に変えることはなかなか難しい。となれば、新車の物流を変えていくしかない。いま、日本のディーラーで行われている在庫車管理の変化は、より効率的なものとし、購入者のもとへできるだけ早く新車を納めようとする効果は十分期待できる。将来的には、最近郊外によく建設されているEC(電子商取引/ネット通販など)の大型物流拠点のようなものの新車版がメーカーの垣根を越えてできるようになり、そこで納車準備(用品装着などまで)を一括で行うことで、「引き取りにくればディーラー各店舗までの配送料無料」みたいなことにもなるのかなあと、その将来を想像してしまっている。

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