2024年8月26日に、採用コンサルタントが作るホームページ「SAMURAI」をリリースした、株式会社チームフォワード(本社:静岡県静岡市)代表の竹田 敬介氏とアリカタ代表(静岡県富士市)の片井 義之。
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採用コンサルティングと、マーケティング支援・集客支援という、それぞれ異なる分野で活動するふたりが、なぜ「SAMURAI」でタッグを組んだのか?
その経緯を聞くなかで、令和の採用最前線と地域企業が抱える課題、そして必要とされる取り組みが見えてきました。
(取材・編集/しあわせ販促工房 窪田てるみ)
――突然のプレスリリースに驚きました。反響はいかがでしたか?
竹田:
ありがたいことに、さっそく何名かの方からお問合せをいただいています。
お問い合わせをいただいた方々に共通しているのは、「採用サイトを作りたい!」ではなく「うちの採用ページじゃ効果がない気がしてるけど、何が悪いかよく分からない…」という悩みでした。まさに、そんな方々のお力になりたいと立ち上げたのが「SAMURAI」です。
採用サイトを作りたい方はもちろん、とことん見直したいという方にも活用していただけるサービスです。現在サポートを受けている制作会社さんに少し手を加えていただくことで改善されるケースもあると思いますので、セカンドオピニオンの形でもお力になれれば嬉しいですね。
チームフォワード代表取締役・竹田 敬介氏
片井(よっしー):
僕のところにも、リリース初日よりメールやDMで複数の反響が寄せられています。特に、「SAMURAI」が重視している「(求職者にとって)企業の知りたいことが知れる採用サイト」という考え方に対して
「求める人材とつながるきっかけになりそう。」
「採用に困っている中小企業さんに、是非知ってほしい!」
といった肯定的なコメントを多くいただきました。
――「SAMURAI」がうまれた経緯について、教えてください。
竹田:
はじめのきっかけは一年半ほど前になります。当時、採用サイトのパートナーを探していたんです。採用のお客さまでホームページを新しくしたい方がいたのですが、自分が詳しくない分野なので、ホームページをはじめとする、Webに知見のある方との繋がりを求めていました。
そこで、所属しているコミュニティ「静岡マーケティングサロン」のオーナー・ザキさん(株式会社ヤマザキスポーツ 代表取締役・山﨑 啓輔さん)に相談したところ、二つ返事でよっしーさんをご紹介いただいたんです。
よっしーさんは「問題解決のためのホームページづくりのノウハウが豊富で、仕事も丁寧で準備をしっかりしてくれるから安心」というザキさんのご紹介どおりでした。仕事との向き合い方にも共感できたし、きっちり準備してくれるので大切なお客さまにも安心して紹介できます。
ホームページをはじめ、マーケティングのプロとして学ぶところも多いので、ぜひパートナーにとお願いしました。それから、お客さまとのミーティングにたびたび入ってもらい、アドバイスいただくようになったんです。
片井(よっしー):
うれしいですね。僕も、竹田さんとお客さまのミーティングに同席させていただくなかで、竹田さんとお客さまとの向き合い方がいいなと思っていました。特に用事がなくても、月に一度は雑談や情報交換をするような、ゆるいお付き合いがはじまったんですよね。
ゆるいつながりがはじまりました。
竹田:
おかげで、僕もホームページに対する理解がすすみました。そんな雑談のなかで、「SAMURAI」の土台みたいなものは、自然にうまれたんです。 お客さまにこんな流れで提案できると良さそうだね、と。
あとは、僕とよっしーさんが話してることって、そこそこ面白そうだから発信しちゃえばいいんじゃないかって、X(旧Twitter)のスペースを始めてみたりして。
片井(よっしー):
HR領域の人とマーケティング・Web領域の人が採用について話をするイベントって、なかなか無いなと思ったんです。「この組み合わせって面白くない?」って。どんな反応をいただけるか試してみようと始めてみたんですよね。
竹田:
「SAMURAI」にしても、はじめから「業務提携して大きくやろうぜ!」っていうんじゃなく、ゆるい交流を続けられていたから、今回のリリースにつながったと思います。
――そんななか、提携を決めた理由を教えてください。
竹田:
採用サイトの相談を何度かしているなかで、よっしーさんがマーケターでありながら採用支援に力をいれていることを知ったんです。さらに支援しているクライアントの採用サイトを見直して応募を増やし、採用に導いた実績もある。
僕の強みは、転職エージェントやキャリアコンサルタントとして数百人もの求職者と話してきたこともあり、 データだけでは見えない「求職者の生の声」を武器に、採用活動を線でとらえて勝ち筋を見つけていくところです。
一方で、よっしーさんは、マーケティングやWebのノウハウを、採用サイトで具現化していくところに強みを持っている。これは、一緒にやったほうが良さそうだなと思いました。
片井(よっしー):
僕も、竹田さんの採用・人事のプロフェッショナルとしてのアプローチや強みについて知れば知るほど、これってお互いの得意領域を発揮しながら一緒にやったら強そうだなって感じました。
採用とマーケティングの知見を合わせたサービスなら、困っている企業さんに対して今まで以上に力になれるんじゃないかと。
竹田:
それと、よっしーさんと出会ったタイミングもすごくよかったんです。採用にマーケティングが必要になってきたのって、ここ数年だと思っていて。
僕が人材業界に入ったのは2011年なんですが、当時はどの媒体を使っても人が採れる時代でした。それが、東日本大震災があって人手不足が加速し、その後もアベノミクスとコロナ禍を経て、採用市場全体が大きく様変わりしました。
今では、その会社が誰かにとって入りたい会社じゃなければ、どの媒体を使っても人が採れない時代になっています。採用とマーケティングが補完しあえるところが多いというのは、この時代背景もあるんじゃないかと思います。
2つの視点で中途採用の勝ち筋を創出し、ホームページの制作、公開後の伴走まで支援
――新サービス「SAMURAI」について、概要を教えてください。
竹田:
サービスの流れをお話します。まず、最初の2ヶ月ぐらいで、 僕が採用コンサルティングを行います。採用コンサルティングとは、その企業の強みを言語化することです。 企業の強みを言語化する作業を約2ヶ月間かけてやっていきます。
そのあとの採用サイト制作に落とし込める状態まで言語化していき、素材を用意した上で、よっしーさんにパスをして、そこから4か月ぐらいかけて、テンプレートの採用サイトに落とし込んでいく流れです。
全体を通して、半年ぐらいで採用サイトができあがり、公開後の検証や伴走支援も行っています。
片井(よっしー):
僕からも補足いたしますね。テンプレートと聞くと、見た目のパターンを思い浮かべてしまうかもしれませんが、そうではないんです。骨組みとか、セオリーといってもいいかもしれません。
僕はよく、「定石」とか「先人の知恵が詰まってるもの」という話をするんです。マーケティングや集客でも、はじめの一歩の段階では、時間とお金をかけた大がかりなリサーチは必要ありません。
それよりも、採用サイトならここはおさえないといけないねっていう、基礎的な所からはじめましょうとお話しています。
――SAMURAIのテンプレートは「先人の知恵」が詰まった基礎中の基礎だということですね。
片井(よっしー):
そうなんです。採用に困っている中小企業では、ゼロからオーダーメイドで作るほどリソースや予算がとれない所も少なくありません。それでも結果を出せるように、コストパフォーマンスを優先しながら基礎を固めることに集中しましょう、と。
100点を取りにいくのではなく、70点を確実に目指す。70点と聞くと「そんなんでいいの?」と思われるかもしれないですが、世の中にある採用サイトには、ほとんど機能していないケースが多いんです。なぜかというと、採用課題の解決を前提に作られた採用サイトじゃないからなんですね。
竹田:
会社のホームページを作るときに、ついでに採用ページも作っておこうみたいなこと、ありますよね。
片井(よっしー):
おっしゃる通りです。採用について素人の方が作ったサイトが求職者にとって会社の顔になってしまっていたり、採用課題や目的をふまえずにはじめから「どのページを作るか」だけの議論に終始してしまったり。あるいは作るページだけ先に決まっていて、穴埋めして作っただけの採用サイトもあります。
採用サイトのコンテンツとして定番の「先輩インタビュー」とか「1日の仕事の流れ」とかを作るのはいいことなんですが、それらのコンテンツが、会社の採用課題をクリアする内容になっているかが重要なんです。
竹田:
たとえば、理念を大事にしている会社だったら、理念を体現している社員が自分の言葉でそれを伝えるインタビューになっているのか、いまの会社の採用課題を解消するコンテンツでなければ、意味がないんです。
そもそも、コンテンツで目的を達成する視点がないケースも多いかもしれませんね。
片井(よっしー):
そうですね。なので、採用・人事のプロがついて目的や課題を把握した上でつくる70点なら、世の中の平均値よりも高い採用サイトを作ることができるんです。
――お二人が採用サイトをしっかり作ることを重要視するのは、なぜでしょうか?
竹田:
「採用サイトからの情報では不足している」と感じている求職者が多いからです。
引用:採用HPに関する求職者調査(ヒトクル)
竹田:
こんなデータがあります。応募するときにその企業の採用ページを確認しますかと聞くと、94.7%の人が「見た」と答えるんですが、じゃあ「ホームページの内容について教えてください」というと、ほとんど答えられないんです。
「十分な情報が入手できた」と感じているのは4割だけで、約6割が「不足していた」と言っているんですよね。まさにこれが世の中にいい採用ページが少ないことの証です。
情報不足だから応募しないし、応募したあとも、面談に行かずスルーしてしまう。会社が魅力を伝えられていないから、求職者も「この会社に行ってみたい!」という動機づけができていないんですね。ここが「SAMURAI」が提供する採用サイトで解決できるところなのかなと思います。
片井(よっしー):
SNSの活用と比べて採用サイトが後回しになりがちなことも、重要視する理由の一つです。採用のためにSNSをがんばっている企業さんは増えていると思いますが、採用につながっていない企業も多いと思います。
採用におけるSNSの役割は主に2つあって、
①知ってもらうためのSNS
②知ったあとに企業のことを詳しく知る(検討を進める)ためのSNS
ですが、①に偏ってしまっている企業が多いです。
SNSで知ってもらって転職の検討段階になったときに、求職者が採用サイトを訪れるケースが多いので、採用サイトは重要な役割を果たします。そこでしっかり求職者が欲しい情報を伝えられていないと、動機づけが弱いため、応募や選考に進めません。
それからSNS活用の落とし穴ですが、「やった感」が出やすいこともあると思っています。「1万回再生達成しました!」というと「やった感」は出るのですが、実際の採用課題の解決につながっているかどうかを検証しないといけないんです。
なので、採用サイトだけでなく、SNS活用の現状もふくめた全体を見た上でアドバイスしていきます。
竹田:
HRの観点からみても同じ意見です。求人広告がSNSと似たようなもので、大手の転職サイトにのせれば、多くの人の目にふれるけれど「他の会社と何が違うかわからない」という理由で、応募につながりませんから。
何を知ってもらうかを作り込むことがすごく大事なので、それを僕らがお手伝いしたいと思います。
――「SAMURAI」をどんな企業に使ってもらいたいですか?
竹田:
2つの要素があります。1つは、いろんな採用ツールを使ってるんだけど全く人が採れなくて、採用単価だけがどんどん上がってるという、打ち手がない状態の企業さんです。もう1つは、本気で採用を良くしたいと思っている担当者さん。この2つが揃ってる企業さんのお力になりたいですね。
片井(よっしー):
僕も同じですね。打ち手が無いという企業さんの、できることを一緒に考えていきたいです。それから、採用サイトを制作会社に依頼して作ってもらったけれど、相談しても具体的な回答が得られないという企業さんにもご相談いただきたいです。
「SAMURAI」には『ミニ採用サイト制作プラン』と『簡易採用サイト診断プラン』の2つのプランがあります。後者は「セカンドオピニオン」として、すでに採用サイトがある企業さんの現状把握に使っていただけます。
制作会社の提案のまま採用サイトを作ったものの、成果につながっていないという話をよく聞くので。改善点や依頼の仕方をアドバイスさせていただくことで、結果が変わることも多いです。
――最後に意気込みを聞かせてください。
片井(よっしー):
ワクワクしていますが、サービス自体は発展途上なので、お客さまに使っていただきながら、内容をより良いものにしていきたいなと思います。HRとマーケティングの組み合わせで生まれたサービスが、今後、どんなものに成長するのか楽しみでもありますね。
マーケティングや集客の支援をしていると、採用の課題も出てくるんです。事業を大きくしていくと、どこかのタイミングで人が必要になりますから。事業成長するいい会社こそ採用との掛け合わせが必要となってくるので、採用支援することにより、結果的に業績にも貢献できたら嬉しいですね。
それと、よく感じるのが、採用サイトやホームページって外観を変えることで満足してしまうことが多いと思うんです。例えば「ページを開いた瞬間、かっこいい動画が流れてくるサイト」とか。やりたくなる気持ちは分かるのですが、大切なのは、本来の目的にそった内容をしっかり作って成果を得ることですよね。
採用サイトって、見た目的には損をしないレベルでも大丈夫なんです。それよりも採用課題を解決する、中身があるサイトづくりをお手伝いしていきたいと思っています。
竹田:
これまでお話してきたように、求職者にとってカギとなるのが「動機づけ」なので、「SAMURAI」を通して、動機づけの大切さに気づく企業さんが増えてほしいと思っています。そして時代が変わっているのに、従来のやり方で採用活動をしている企業さんを、アップデートしたいです。
既に採用は、オーディション型からスカウト型に変わってきています。
まず、自社の競合がどんなところかを洗い出し、その中でうちが勝てるところってどこだろうか、どういう人なら採用できるだろうと考えます。次に、その人に何を伝えたらいいかを言語化して、伝えに行くという作業が必要となっています。
従来のやり方で、求人媒体を変えて採用できたとしても、結局は運任せです。どこかで耐えられなくなってしまいます。
「そんなやり方を、いつまで続けますか?」と問題提起していきたいです。
とはいえ、すぐに切り替えられるわけでもないのが現状だと思います。なので、僕らの「SAMURAI」に興味をもってくれるようなアンテナが立った方たちと、今日のようなお話をして、考え方を共有できる人事担当者さんや経営者さんを増やしていきたい、一緒にチャレンジしていきたい、というのが僕たちの意気込みです。
(取材・編集/しあわせ販促工房 窪田てるみ)
チームフォワードとアリカタのご紹介
● 株式会社チームフォワード
代表者:代表取締役 竹田 敬介
所在地:静岡県静岡市駿河区下川原南21-30 2F
URL:
設立:2022年5月25日
事業内容:採用支援事業、人材育成支援事業
● ウェブ活用・集客支援事務所アリカタ
代表者:代表 片井 義之
所在地:静岡県富士市
URL:
創業:2020年10月21日
事業内容:マーケティング支援、採用マーケティング支援、Webサイト・採用サイト戦略&制作支援