ナリは小さくても華も個性もテンコ盛り! デザインのプロが挙げるダイハツの名デザイン車5台

2024.09.10 17:20
この記事をまとめると
■ダイハツにはデザインが魅力的なモデルがたくさん存在する
■ストーリアやエッセはグッドデザイン賞を受賞した経歴がある
■大衆向けの軽自動車でありながら海外の大物デザイナーが携わった例も
ダイハツの名デザインを振り返る
  ダイハツの認証申請における不正が公表されて1年以上が経過しましたが、発表予定だった新型車の登場がここに来てさらに延期される気配です。そこで、今回は魅力的なダイハツ車を思い出すべく? 歴代車種からグッドデザインな5台を振り返ってみたいと思います。では、さっそく年代順に紹介しましょう。
●趣旨変えは必ずしもネガティブじゃない?
  最初にピックアップするのは、3代目のシャレードです。バブル景気など時代の変化を受け、若年層をターゲットに「ツーサム」をキャッチコピーとし、1987年の登場となりました。
「スリーク・マスフォルム」をコンセプトとしたボディは、曲面を取り入れたロングルーフが美しく、プレスドアによる高い凝縮感は欧州車的な雰囲気を感じさせるもの。サイズ的な制約があるなか、ブリスターフェンダーを巧妙に取り入れた点も見所で、とくにナナメに蹴り上がるリヤフェンダーはユニークです。
「5平米カー」として実直なパッケージを行った初代は偉大でした。しかし、仮にデザインコンセプトを大きく変えたとしても、その内容が魅力的であるなら十分アリという事例だと思えます。
●コンパクトカーの新しい価値を目指した意欲作
  2台目は、1998年に登場したストーリアとします。当時、ダイハツはコンパクトカーの価値を見直すべく「We do COMPACT」を提示、その具体的な成果として送り出されました。
「新1000ccスタイル」のキーワードのもと、より広く、より小さくを目指したボディはショートノーズ、ロングキャビン、ロングホイールベースが特徴で、6ライトのキャビンや短いノッチを付けたリヤが高い居住性を感じさせます。
  抑揚豊かなボディにジャガーのような楕円グリル、フロントからサイドに続く太いメッキパーツは欧州車に負けない個性を発揮。新体制となった当時のデザイン部の勢いを感じさせる意欲作で、グッドデザイン賞受賞にも頷けます。
グッドデザイン賞を受賞する実力派も
●いまやダイハツのイメージリーダー的な存在に
  3台目は、お約束の?初代のコペンです。1999年の東京モーターショーに出品されたKOPENコンセプトの評判を受け、3年後の2002年に市販版の登場となりました。
  お椀型の親しみのあるフォルムは、オプティで試行したロングライフデザインの発展型とされ、余計な装飾のない超シンプルな佇まい。丸型2灯ライトとV字のキャラクターラインは前後で相似形とされ、非常に明快なデザインテーマが伺えます。また、インテリアを含めた作りのよさが唯一無二の存在感に。
  昨年のジャパンモビリティショーでは同一テーマのビジョン・コペンが出品され、ダイハツにとっていかに初代が大切な存在なのかが伺われました。もし復活するなら、十分に練り込まれたスタイルを期待したいところです。
●肩の力を抜いた個性的カジュアルコンパクト
  次に紹介したいのは、エッセです。軽自動車が高機能な装備や高級な作り込みに邁進するなか、軽としての本質を見つめ直すことを掲げ、2005年に登場しました。
「シンプルでおしゃれなカジュアルミニ」のコンセプトのもと「簡単・便利」をデザインテーマとしたボディは、肩の力を抜いた柔らかい面が特徴の台形スタイル。下半身のパネルを豊かに張り出させることで、高い安定感を得ています。
  プレスドアによるシンプルさと高いカタマリ感も特徴ですが、フロントに開けられた9つの「穴」がちょうどいいアクセントにも。時代に先駆けたアースカラーのボディ色も含め、ストーリアに続くグッドデザイン賞受賞も必然だったように思えます。
●軽の制約を感じさせない超スタイリッシュボディ
  最後に選んだのは、4代目のムーヴです。軽のパッケージ革命を起こしたスズキのワゴンRに対抗するカタチで登場した同車ですが、4代目は2006年の登場となりました。
  クラスを越えた新しい次元を目指し、「軽のセルシオ」を標榜したというボディはプラットホームを一新。先代までと大きく異なる美しいワンモーションフォルムを実現しました。キリッとしたフロント、シンプルなキャラクターラインのサイド、面一感の高いシャープなテールランプなど、見所は多数に及びます。
  初代がI・DE・A、2代目がジウジアーロとイタリアのカロッツェリアに縁がある同車ですが、この4代目もじつは……なんてウワサもあるようですね。
  さて、今回は歴代ダイハツのグッドデザイン5車を選んでみましたが、とりわけ「We do COMPACT」の90年代後半を中心に、欧州コンパクトに負けない個性を追求していた姿勢が伺えます。ライバル云々ではない、その高い志を今後も期待したいところですね。

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