離職率65%から5%の運送会社へ!未経験者の育成に注力するカワキタエクスプレスの成功秘話

2024.08.02 13:16
株式会社カワキタエクスプレスは三重県亀山市にある運送会社です。
現在はトラックによる輸送と、海外引越サービスを行っています。


平均年齢29.9歳・離職率5%(2024年6月時点)の当社は「トラックドライバーを若者に憧れる職業にしたい」という想いを胸に、物流・運送業界のポジティブな面をお伝えするための取り組みを続けています。


今回は、離職率65%から5%の運送会社になるまでのストーリーをお話します。
■7月16日の「国土交通Day」にあわせて制作した、全国のトラックドライバーへの応援歌「Connect」
高卒採用をきっかけに導入した「月給制」。未経験者を平等に扱う社風がもたらしたベテランドライバーの大量離職
■高卒で働きだした自身の経験を踏まえ
「高卒でも安心して働ける運送会社にしようと思った」と語る、当社代表の川北


国土交通省の調査(※)によると、平成28年度時点で大型トラックドライバーの平均年齢は47.5歳、中・小型トラックの平均年齢は45.4歳で、29歳以下の若年層は就業者全体の10%以下でした。
物流・運送業界における「2024年問題」ではドライバー不足や従来の働き方が問題視されており、就業者の高齢化が課題となっています。


川北は「トラックドライバーを若者が憧れる職業にしたい」という強い思いから、
2009年頃から高校の新卒採用に力を入れ始めました。
今思えば、2024年問題に対する取り組みはこの頃から始まっていたのだと思います。


業界ではトラックで走れば走るほど稼げる「歩合制」が一般的だったのですが、高卒の方でも自分が働く姿をイメージしやすいよう「月給制」を導入しました。
歩合制だと未経験ドライバーが稼ぎにくかったことも理由です。


しかし、未経験者を平等に扱う社風からベテランドライバーたちの反発が起き、
当時20名規模の社内で8名の社員が退職しました。


2011年の離職率は過去最悪の65%となり、会社の利益も53%減に。
苦境に立たされる事態となりました。


※参考資料 国土交通省|「

未経験者の採用・育成に注力。「人として当たり前のことを当たり前にすること」がトラックドライバーのイメージを変える
■当社に所属する若手社員たちの様子(未経験者率93.5%)


ベテランドライバーの離職後も、川北の「トラックドライバーを若者が憧れる職業にしたい」という想いは変わりませんでした。


誰にでもできる仕事だと下に見られやすい「世間のトラックドライバーへのイメージ」を変えるには、“ドライバーの当たり前”を遵守してくれる未経験者の存在が不可欠であると感じました。


たとえば、輪止め(タイヤのストッパー)の使用や、出発前のタイヤ点検(脱輪しないかのチェック)の徹底など、初歩的なことほどベテランになると気が緩みがちになります。


しかし、未経験から丁寧に指導した人たちは、経験を積んだ後も“ドライバーの当たり前”を遵守し、徹底しようと努めてくれるのです。


ほかにも、挨拶の徹底や脱いだ靴をきちんと揃えることなど「人として当たり前のことを当たり前にすること」こそが、トラックドライバーのイメージを変えるための一歩であると信じています。
15年間の努力が実り、未経験者率93.5%・平均年齢29.9歳・離職率5%の会社に成長
■10〜20代の社員が7割以上を占めており、子育て世代も多く在籍している


その後、15年かけて未経験者の採用・育成を続けたところ、川北の想いに賛同してくれる社員たちが少しずつ集まり始めました。


人の入れ替わりを繰り返しながら、現在では未経験者率93.5%・平均年齢29.9歳・離職率5%(2024年6月時点)の運送会社になることができています。


「2024年問題」というと"過酷な労働環境"や"運賃の値上げ"など、どうしてもネガティブな話題が多くなりやすいですが、そもそもこの問題は働き方改革から始まった話です。


昔のように「長時間労働で少し無理をしてでもお金を稼ぐ」というやり方では、今の若者はトラックドライバーになりたいとは思えないでしょう。


若い世代に職業として興味を持っていただくためには、労働時間を短くし、効率よく仕事をして、収入も増えるような働き方を提案することが必要だと感じています。
トラックドライバーの日常をSNSで発信。「2030年問題」を見据えた次世代の労働環境づくり
■Instagramに投稿した福利厚生(男性の育休取得)に関する動画は、
過去最高の23.5万回再生を突破した


今後も、運送業界に携わる私たちが「トラックドライバー」という職業に誇りを持ち、労働環境が整った会社でやりがいを感じながら働く姿を発信し続ける所存です。


現在は

でトラックドライバーの日常や社内の取り組みを投稿しています。


2023年にはSNS投稿をきっかけに20代の未経験者7名を採用し、現在の従業員数は33名となりました。


これからも地元の高校生や子どもたちへのインターン・職業体験を開催する予定ですので、多くの方に物流の仕事を身近に感じていただきたいです。
【各種お問合せ・SNS】
企業サイト:
メール:kawakita@kawakita-express.co.jp
X(Twitter):
Instagram:
TikTok:
YouTube:
【「Connect」配信先】
YouTube↓×
AppleMusic:
LINE MUSIC:
Amazon Music:
Spotify:

あわせて読みたい

危険な上に道路を傷つける違法行為「過積載」! 違法と知りつつ手を染めざるを得ない「運送会社」が後を絶たないワケ
WEB CARTOP
応募数だけでなく採用まで完全コミット!~採用コストを半分にする広告営業の取材力~
PR TIMES STORY
あなたの動画を自然に翻訳!「AI動画翻訳くん」とは?
antenna
年金だけで老後は生活できない…超高齢ニッポンを直撃する「厳しすぎる現実」
現代ビジネス
自動倉庫システム「RENATUS」が2024年9月27日(金)より本稼働開始
PR TIMES
【DOD】テントと薪ストーブのオールインワンテントサウナセット新発売
PR TIMES Topics
一般消費者も「運賃の値上げ」を受け入れないと物流が崩壊するぞ! 2024年問題を引き起こした1990年問題から紐解く
WEB CARTOP
「再配達が有料とかありえない!」「送料無料で当たり前!」が一般消費者の意識! ネット通販崩壊の危機すらある「働き方改革」を受けた「物流」が抱える問題
WEB CARTOP
ロキソニンにまつわる素朴な疑問を薬の作り手が解決! 小さな錠剤に込められた想いとは
antenna
スタートから4ヵ月 物流・運送業界の2024年問題の現状と課題
ニッポン放送 NEWS ONLINE
いま長距離トラックドライバーにフェリーが大人気! 休めてCO2も削減できてといいことづくめ……のなか唯一のネックとは
WEB CARTOP
創造性あふれる樹脂粘土の3Dアートの世界「~クレイアートの世界~ 古畑雅規 BOXクレイアート展」
PR TIMES Topics
運送業界の未来を変える挑戦:『ハコプロ』が運送会社と荷主をつなぐ鍵に~ハコプロサイトを通してマッチングできたクライアント事例と今後期待できる成果
PR TIMES STORY
運送業の取り組みをPRするメディア「ハコプロ」をスタート ~ドライバーの人材不足の課題を解決~
PR TIMES STORY
Hydro Flask®のホリデーギフトセット販売開始
PR TIMES Topics
【モノが運べなくなる時代がくる】物流2024年問題の解決策はあるのか:おすすめ記事5選
Wedge[企業]
有名配信者になって一攫千金……もいいけど自分のクルマで仕事外でやれよ! トラックドライバーに急増中の「仕事中YouTuber」に物申す
WEB CARTOP
ほんのりキラめく光沢インキ「いろもよう 光彩 わらべ」発売
PR TIMES Topics
【北海道札幌市】運送業界を楽しく学べる!トラックの日ファミリーイベント「トラックのがっこう」開催
STRAIGHT PRESS
トラックドライバーを守るための「430休憩」はやっぱり現場を知らないお役所仕事! 「現場のドライバー」からは非難囂々だった
WEB CARTOP