暑い夏がやってくると、なぜか食べたくなるカレー。冷たい食べもので身体をクールダウンするのも良いですが、辛いものを食べて汗をかき、暑さを吹き飛ばすのも、夏の醍醐味ではないでしょうか。そこで今回は「日本酒×カレー」のペアリングに挑戦!レトルトカレーの中でも、特に高い人気を誇る無印良品のカレーと日本酒のペアリングを検証し、特に美味しいと感じた組み合わせをご紹介します。
夏といえば、辛いもの。夏にスパイシーな食べものを食べたくなる理由
夏といえば、アイスクリームやかき氷など冷たい食べもののイメージが強いですが、中には「夏になると、無性に辛いものが恋しくなる」という人もいるのではないでしょうか。
実は、これにはれっきとした理由があるんです。
辛い料理に含まれるカプサイシンなどの辛味成分は、体温を上昇させると考えられています。「体温が上がると余計に暑くなってしまうのでは...?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、発汗が促されることで体温が下がり、体の温度調節を助けるのです。
気温の高い日に打ち水をして涼を感じるのと同じように、人間の身体も汗をかくことで熱が発散され、クールダウンできます。
また、辛い料理を食べることは夏バテ予防にもつながるのだとか。よく使われるショウガやにんにく、スパイスの香りが食欲をかき立ててくれるため、「暑すぎて食欲が出ない」というときにも辛い食べものはピッタリなんです!そんな夏に食べたくなるもののひとつが、カレー。
旬の食材をふんだんに使用した「夏野菜カレー」もあり、「夏といえばカレー」といったイメージを持つ人も多いかもしれません。
そこで今回は「カレー」と日本酒との相性を検証してみました。
カレーと合わせるお酒といえば、ビールやハイボールを選ぶ人が多いかと思いますが、日本酒はどうなのでしょうか?
カレーのスパイス独特の香りと日本酒の酸味・キレは、上手く混ざり合うとお互いのよさを引き立ててくれそうですが、複雑な味わいゆえに日本酒の選び方によっては香りや風味がケンカしてしまうことも予想されます。
ちなみにKUBOTAYAでは、過去にも「スパイシー料理×日本酒」の組み合わせを紹介しています。韓国料理など唐辛子を使った辛さに合う日本酒は分かりましたが、カレーの場合は一体どのような日本酒が合うのでしょうか。検証してみましょう。
バリエーション豊富でファンも多い「無印良品」のカレー
今回は「無印良品」の「MUJIカレー」で、日本酒とカレーのペアリングを検証してみました。
衣服や生活雑貨、食品など幅広い商品を取り扱う「無印良品」のなかでも、特に高い人気を誇る「MUJIカレー」。カレーの本場であるインドやタイから文化を学び、現地のスパイスや調理法を生かして開発された、こだわりの商品です。バリエーションは非常に豊富で
現在は約50種類ものカレーが発売されています。(2024年7月時点)
1番美味しい組み合わせはどれ?無印良品のカレーと久保田のベストペアリングを探してみた
本場の味わいやクオリティの高さにこだわったMUJIカレー。みりんのコクと玉ねぎの甘みを生かした「玉ねぎと豚肉のカレー」、肉・野菜・豆のカレーをセットにした「南インドのカレーセット」、北インドやタイのカレーを再現したものなど、さまざまな味わいのカレーがあります。
今回は、特に人気のカレーと「久保田」のデイリーラインをそれぞれ5種類用意して、すべての組み合わせを検証。その中でも特にベストだと思えるペアリングを探してみました。
【MUJIカレー】
・素材を生かしたカレー バターチキン
・素材を生かしたカレー グリーン
・素材を生かしたカレー キーマ
・素材を生かしたカレー プラウンマサラ(海老のクリーミーカレー)
・素材を生かした 牛ばら肉の大盛りカレー
【日本酒】
・久保田 純米大吟醸
・久保田 千寿 純米吟醸
・久保田 千寿
・久保田 百寿
・久保田 スパークリング
それでは、その中から特に美味しいと感じた組み合わせを3つ紹介します。
不動の人気No.1を誇る「素材を生かしたカレー バターチキン」と「久保田 百寿」
約50種類にものぼるMUJIカレーの中で、不動の人気No.1を誇る「素材を生かしたカレー バターチキン」。まろやかな味わいのバターチキンカレーには、「久保田 百寿」がマッチしました。
マイルドなバターチキンカレーに、ドライな飲み口が程よいパンチを加えます。百寿は香りが穏やかなお酒のため、バターやスパイスの香りを邪魔することがなく、カレーの美味しさを引き立ててくれるのも良いポイントでした。
ちなみに、華やかな香りの「久保田 純米大吟醸」や「久保田 スパークリング」などは、ベストマッチとは言い切れない印象に。バターチキンカレーならではのまろやかな味わいを楽しむには、香りが控えめなお酒を選ぶのがよさそうです。
また、バターチキンカレーの味の決め手ともいえるトマトの酸味は、百寿のドライな味わいと相性抜群。久保田の基本形である百寿と、MUJIカレーの定番・バターチキンは、まさに「王道×王道」の組み合わせです。
【素材を生かしたカレー バターチキン】
180g(1人前) :350円(税込)
【久保田 百寿】
1,800ml 2,190円(税込2,409円)
720ml 1,020円(税込1,122円)
※商品の価格は2024年7月23日現在のものです。
ショウガやスパイスが香る「素材を生かしたカレー キーマ」と「久保田 千寿 純米吟醸」
次は、北インドのカレーをお手本にした「素材を生かしたカレー キーマ」。にんにくとショウガがきいた挽肉に、ガラムマサラを加えたキーマに合うのは「久保田 千寿 純米吟醸」でした。
エスニックな香りと挽肉の肉汁ならではの旨味を感じられるキーマカレーには、食が多様化した現代の食卓にもなじむように造られた日本酒で、きれいでスッキリとした飲み口の千寿 純米吟醸が相性抜群。
スパイスがしっかりと香るカレーとも上手くマッチしてくれました。
ジューシーな挽肉と、ほどよくキレのある日本酒のバランスがよく、暑い夏でも食欲を駆り立てられるペアリングでした!
ちなみに、千寿 純米吟醸の次にマッチすると感じたお酒は「久保田 スパークリング」。
ピリッと辛いキーマカレーに甘酸っぱいスパークリング日本酒が合わさることでバランスが取れ、辛さを感じづらくなりました。
スパイスをしっかり感じたい人は千寿 純米吟醸を、辛味を抑えつつ日本酒とのペアリングを楽しみたい人にはスパークリングが良いかもしれません。
【素材を生かしたカレー キーマ】
180g(1人前) :290円(税込)
【久保田 千寿 純米吟醸】
1,800ml 3,160円(税込3,476円)
720ml 1,470円(税込1,617円)
300ml 740円(税込814円)
※商品の価格は2024年7月23日現在のものです。
食べごたえ抜群!「素材を生かした 牛ばら肉の大盛りカレー」と「久保田 千寿」
最後は「素材を生かした 牛ばら肉の大盛りカレー」。
10種以上のスパイスが使用されており、じわじわと辛さを感じるこのカレーには、ゴロッと大きめにカットされた牛ばら肉がたくさん入っています。牛肉の旨味と玉ねぎの甘味が詰まった、食べごたえ抜群な一品です。
そんな牛ばら肉の大盛りカレーにぴったりなのは「久保田 千寿」。久保田の原点であり、淡麗辛口の代表ともいえる千寿は、お肉の脂と重なることでバランスの良い組み合わせとなります。
千寿のすっきりとした飲み心地でありながらもまろやかさのある味わいが足されることで、よりバランスが整い、スパイスの角が取れた印象になりました。大盛りカレーでもペロッと平らげられてしまいます!
ちなみに、同じ千寿でも「純米吟醸だとどうなのか?」と気になるところですが、こちらは「美味しくない」という印象ではないものの、相乗効果をあまり感じられない結果に。よりすっきりと軽やかな味わいの「久保田 千寿」の方がカレーの旨味を引き立ててくれました。
【素材を生かした 牛ばら肉の大盛りカレー】
300g(1人前) :350円(税込)
【久保田 千寿】
1,800ml 2,640円(税込2,904円)
720ml 1,200円(税込1,320円)
300ml 570円(税込627円)
※商品の価格は2024年7月23日現在のものです。
組み合わせは無限大!お気に入りのペアリングを見つけてみて
マイルドで香り高いカレーには、ドライな飲み口かつ穏やかな香りの日本酒で程よいパンチを。
お肉たっぷりな大盛りカレーには、すっきりと軽やかな味わいの日本酒を合わせることで、もっとスプーンが止まらない一品に。
どちらも、どんな原材料を使っているか、どんな製法で作られているかによって全く味わいの異なるカレーと日本酒。甘味の強いカレーに甘味の強い日本酒を合わせても美味しくいただけますが、味覚の五角形のバランスを取るように組み合わせを変えることで、より良いペアリングとなるように感じました。
今回ご紹介したのは、数ある組み合わせの中のほんの一部です。
ぜひ皆さんの推しの「MUJIカレー」にいろいろな久保田を合わせながら、お気に入りのペアリングを見つけてみてくださいね。
酒小町
20〜30代限定の日本酒コミュニティ『酒小町』が運営するクリエイティブチーム。「お酒の場と交流が好き」なメンバーがそれぞれの得意分野を活かしあい、SNS投稿/PR/イベントの企画・運営など、多岐にわたる活動を行なっている。日本酒への偏愛から生まれるユーザー目線の意見や革新的なアイデアが強み。viasakekomachi.jp