出たときゃ「いますぐ貯金始めなきゃ」レベルの盛り上がり! それでも結局市販されなかった残念なコンセプトカー3選

2024.07.09 17:20
この記事をまとめると
■モーターショーなどでは「コンセプトカー」の発表がお馴染みだ
■トヨタや日産やホンダもユニークかつ市販想定のコンセプトカーを数多く手がけている
■同じタイミングで発表されたモデルで実際に市販されたモデルもあるが販売不振に終わった
市販化して欲しかった惜しすぎるコンセプトカーたち
  モーターショーの形が時代とともに変わろうとも、その華がコンセプトカーであることに変わりはない。未来の市販車につながるアイディアや技術が込められた、あるいは未来の市販車そのものとなるコンセプトカーには、クルマ好きの夢が詰まっているからだ。
  しかし、残念ながら市販車に結実せず、コンセプトカーのままで終わってしまうモデルも少なくない。今回はそんな、いまなお市販化が熱望されるコンセプトカーをいくつか紹介したい。
トヨタS-FR
  2015年の東京モーターショーで世界初公開された、2+2シーターのFRライトウェイトスポーツクーペ。
  全長×全幅×全高=3990×1695×1320mm、ホイールベース2480mmの小柄な5ナンバーボディに、かつての「ヨタハチ」ことトヨタスポーツ800を彷彿とさせる丸基調のロングノーズ・ショートデッキスタイルを構築。
  水平・垂直基調のインテリアは、既存車種のパーツを巧みに流用しつつもシンプルかつ操作性に優れているであろう、極めて現実的な設計となっていた。
  パワートレインに関しては詳細なスペックが明かされていないものの、広報資料では、 「エンジンをフロントミッドシップに搭載した本格FRレイアウトを採用。最適な重量配分と独立懸架のサスペンションで優れたコーナリング性能を実現」 「車体の前後の重量配分50:50(2名乗車時)を目指す」 「軽快なドライビングを実現するため、6速マニュアルトランスミッションを搭載」 と明言。エントリーモデルながら走る楽しさと操る楽しさを追求した、本格スポーツカーとして市販化されることが強く期待されていた。
  だが、同年5月に協業に向けた覚書をトヨタと交わしたマツダから発売された4代目ロードスターとの競合、あるいは格上ながらも身内の86やBRZとの共食いが懸念されたためか、市販化には至らずそのままフェードアウト。
  ……するかと思いきや、2023年のジャパンモビリティショー(以下、JMS)で、このS-FRをそのままオープンボディ化したかのようなコンセプトカーが、なんと同じトヨタグループのダイハツから発表された!
  それこそが、読者の皆様の記憶にもまだ新しいであろう、「ビジョン コペン」である。
  初代コペンを色濃く踏襲した丸基調のスタイルと、電動開閉式ルーフ「アクティブトップ」を継承しながら、「FRレイアウトとCN燃料の活用を見据えた内燃機関の組み合わせにより、走る楽しさを極めた新たな小型オープンスポーツ」へとコンセプトを一新。
  公表されたボディサイズは全長×全幅×全高=3835×1695×1265mm、ホイールベース2415mmと、2シーターオープン化されたことでS-FRよりもさらに小さくなっており、走りの楽しさを一段と期待できるものに。
  そして、エンジン排気量は1300ccとされたことで、軽自動車ほど非力ではないもののスポーツカーのエントリーモデルとして相応しいパフォーマンスを備えることが明確に予感できるようになったのも嬉しいポイントだろう。
  もしこのビジョンコペンが市販化されれば、S-FRもそのクーペバージョンとして市販化されることにも俄然期待が持てるというもの。コンパクトなFRプラットフォームと縦置きパワートレインを単一車種のためだけに新設計するのは合理的ではなく、裏を返せば複数車種で共用するのがむしろ合理的だからだ。
  そんな希望的観測が現実となることを、心から期待している。
一緒に発表されたモデルが市販化された例も
日産IDx
  2013年の東京モーターショーで世界初公開された、コンパクトな箱形2ドアクーペ。シンプルでカジュアルなライフスタイルに焦点を置いた「IDxフリーフロー」と、ドライビングシミュレーターから飛び出してきたようなスポーティモデルの可能性を示した「IDxニスモ」の2台が展示された。
  いずれにおいても、ターゲットユーザーとなる1990年以降生まれのデジタルネイティブなZ世代と「コ・クリエーション(共同創造)」する開発手法を採用している。
  身のまわりのものすべてにナチュラルでハイセンスなものを求めているコ・クリエーター(共同創造者)たちが開発した「IDxフリーフロー」は、シンプルかつモダンで居心地のいい内外装を、全長×全幅×全高=約4.1×約1.7×約1.3mのコンパクトなパッケージに構築。
  パワートレインは日常の移動手段としての高い経済性を求めるコ・クリエーターたちの嗜好に合わせ、「燃費性能と加速性能に優れた1.2〜1.5リッターのガソリンエンジンとCVT」を搭載する。
  レースシミュレーションゲーム上で古今東西のあらゆるレースシーンを体験してきたコ・クリエーターが開発したという「IDxニスモ」は、実際に彼らが乗るクルマにもそのイメージが表現されていることを求めた結果として、日産の箱形レーシングカーのイメージを純化。
  ビス止めのオーバーフェンダーで全幅を約1.8mへと拡大し、225/40R19タイヤと軽量ホイール、サイドマフラー、カーボンパネル、真っ赤なアルカンターラ生地のシートとスエード調トリムなどを装着している。
  パワートレインは初代ジューク由来と思われる、高性能な1.6リッターの直噴ターボエンジンと、シンクロレブコントロール制御を実装した6速マニュアルモード付きCVTとの組み合わせだ。
  こうしてできあがった2台は、かたや初代シルビア、かたやハコスカ(3代目スカイライン)のレーシングカーを思わせる、極めてレトロテイストの強い仕上がり。これらを懐古主義的な中高年世代ではなくZ世代が生み出したという点でも非常に興味深く、昨今の昭和ブームを先取りしたようなコンセプトカーだった。
  しかし、2台の「IDx」はそのアイディアすら何かしらの市販車に反映されることなくフェードアウト。7代目S15型シルビア以来の手頃かつハイパワーなFRスポーツカーとなることが、発表当時も強く熱望されていただけに心から惜しまれるが、当時から現在に至るまでの日産の車種構成を見るにつけ、市販化がまったく現実的でないと容易に察してしまうのがただただ寂しい。
ホンダ・スポーツEVコンセプト
  2017年の東京モーターショーで世界初公開された、BEV2ドアクーペ。これに先立って同年9月のフランクフルトモーターショーで世界初公開された小型5ドアハッチバックBEV「アーバンEVコンセプト」と共通のEV専用プラットフォームを採用している。
  扱いやすいコンパクトなボディに、レスポンスのいい電動パワーユニットを搭載し、モーターならではの力強く滑らかな加速と静粛性、低重心による優れた運動性能を実現。
  デザインにおいては、ロー&ワイドのスポーツカーらしいフォルムを継承しながら、ひと目で心に残るカタチや、多彩なライフスタイルに自然と溶け込む親しみやすいフロントフェイス、豊かな張りのある面構成などを用いて、所有する喜びと愛着が感じられる、次世代のスポーツカーデザインを目指した、としている。
「アーバンEVコンセプト」のほうは、後に欧州CAFE(企業別平均燃費基準)対応のため「ホンダe」として2020年に市販化。しかし、メインターゲットの欧州に加え日本でも販売不振を極め、2024年1月に生産を終了した。
  だがこれは当然の帰結といわざるを得ない。ホンダeより8年も先んじて2012年に発売された、同カテゴリーのBMW i3のほうが、ホンダeよりもむしろ先進的なデザインや技術を数多く採用しながら、価格帯は大差なかったのだから。
  しかもデザインモチーフとされたのは明らかに、軽自動車のN-ONEと同じくN360。つまりホンダeはN-ONEの拡大版かつBEV版とも受け取れるため、ますます積極的に購入する意義を見いだしにくいものになっていた。
  かくしてホンダeは、ホンダ車に時折見られる「発表された瞬間から負けが目に見えていてそのとおりになったクルマ」の1台にめでたく仲間入りしてしまったが、その惨憺たる結末をこうして振り返ると、「アーバンEVコンセプトではなくスポーツEVコンセプトを市販化したほうがよかったのでは……?」と、甚だ結果論ながら強く疑問を抱いてしまう。
  そうすれば「S600クーペあるいはS800クーペの現代的再解釈」として、500万円弱の価格帯にも正当性を持たせつつ、競合車のいないオンリーワンの存在として独自性=プレミアムな価値を付与でき、ホンダe以上の販売台数を(場合によっては収益も)得られたのではないだろうか。

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