「どう考えても相手が悪いだろ」でも自分にも過失があることも! 交通事故の「過失割合」はどう決まる?

2024.07.03 10:00
この記事をまとめると
■交通事故における過失割合は一般的に当事者が契約する保険会社が協議して決める
■実際の事故では当時の状況によって過失割合が変わる
■交通事故のときは勝手に示談するのではなく必ず警察への通報と保険会社に連絡を
事故の当事者になったときには過失が発生する
  交通事故は、幹線道路や高速道路などの交通量が多くて速度が高い場所だけに限った話ではありません。駐車場内での接触、無理な通行による事故など、狭い場所や速度が低い場所でも発生します。今回は、数ある事故のなかでも「この場合でもこちら側に過失割合が発生するの!?」という事故をピックアップして紹介します。
交通事故における過失割合とは?
  交通事故における過失割合とは、発生した交通事故に対する責任の割合のことです。過失割合については、民事上の問題のため、警察が介入することはありません。そのため、一般的には当事者が契約する保険会社が協議して決めます。警察は、事故現場の確認と当事者から状況確認をして事故の事実を記録するだけです。そのため、どちらのほうが悪いかなどの民事には介入しません。
  加入している保険会社が決める交通事故の過失割合は、基本的に動いていれば両者に過失があると判断されるのが一般的です。ただし、動いていたからという理由で必ず過失割合が発生するとは限りません。
  事故が発生したときの状況や事故現場の環境など、さまざまな事情によって過失割合は変わります。そのため、交通事故が発生したときは、当事者同士でその場で示談するのではなく、警察への通報と加入している保険会社への連絡をしましょう。
  交通事故の被害で泣き寝入りしないようにするためにも、通報(警察)と連絡(保険会社)を忘れずに行ってください。
これも過失割合が発生するの!? 事故例の紹介と基本的な過失割合
  交通事故の過失割合は事故の形態や優先関係などによっておおよそ決まっています。ここでは、典型的な事故と基本的な過失割合について紹介します。
  あくまでも基本的な過失割合であるため、ここで紹介している事故と同じ形態の事故だからという理由で、発生した事故の過失割合が同じとは限りません。あくまでも参考程度にお考えください。
動いていれば過失が発生するのが基本
駐車場で駐車しているクルマに接触する事故
  駐車場の枠内に駐車しているクルマに接触する事故では、基本的に追突した側の責任が重くなります。一方、駐車場の枠から発進しようとしたクルマと通路を走行しながら停める場所を探しているクルマが接触した場合は、駐車場の枠内から発進しようとしたクルマの過失割合が高くなります。基本的な過失割合は、駐車場枠から発進しようとしたクルマが70%、通路を走行していたクルマが30%です。
駐車枠に停めるために後退し始めたクルマと駐車場の通路を走行してきたクルマの事故
  駐車場では、そのほかにも駐車しようとして後退を始めたクルマに通路を走行してきたクルマが接触してしまう事故も発生します。この場合は、通路を走行していたクルマの過失割合70%、駐車するために後退していたクルマの過失割合30%が基本です。
走行中に一方がセンターラインをオーバーする事故
  走行中に一方がセンターラインを超えてきた場合の事故も、ドライブレコーダー映像などで目にすることがあります。このようなセンターラインオーバーの事故は、センターラインをオーバーしたクルマの過失割合が100%です。過去の裁判でも100:0の判例となっているケースがあります。
赤信号を無視したクルマとの事故
  赤信号を無視して交差点に進入するという極めて危険な運転をする運転者もドライブレコーダー映像で見ることがあります。この信号無視による交通事故も、信号を無視した側の過失割合が100%です。過去の裁判でも、信号無視したクルマが100%、被害を受けたクルマが0%という判決が下されています。
左折しようとしたときに対向右折車が無理やり入ってきて接触した事故
  交差点を左折しようとしたときに、対向右折車が無理矢理交差点に進入して接触するという事故では、右折車の過失割合が80%、左折車の過失割合が20%となるのが基本です。
事故の際は必ず通報と保険会社に連絡
  ここまで、主な事故事例と基本となる過失割合を紹介していましたが、明らかに納得できるものと、なぜ過失割合が発生するのかわからないという事例があります。
  ただし、ここで紹介した事例と過失割合は、あくまでも基本となる割合です。実際の事故では、事故当時の状況によって過失割合が変わることがあります。
  そのため、交通事故が発生したときは、当事者同士で基本的な過失割合をもとに勝手に判断して示談するのではなく、必ず警察への通報と保険会社への連絡をして、客観的に事故の状況の確認や過失割合を判断してもらいましょう。

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