富士山の麓「御殿場高原 時之栖」で展開するチョコレートショップ「Normandie Chocolat」、深刻なカカオ豆不作問題に直面し持続可能な美味しさを追求する開発ストーリー

2024.06.11 11:00
「カカオの世界を楽しむ」
富士山の麓、静岡県御殿場市に位置し、「御殿場高原 時之栖」内で展開するチョコレートショップ「Normandie Chocolat」。
2019年にBean to Bar ラボを併設、「カカオの木」としてリニューアルし、カカオ豆を仕入れチョコレートバーになるまでの一貫製造を行う。
焙煎工程でカカオの豊かな香りを引き出し、出来上がった新鮮なチョコレートで新たな商品に息を吹き込む統括シェフショコラティエ、それが横田恭平だ。
製造工程における温度や時間を、カカオ豆の状態や季節ならではの湿度を見極めながら、仕上げたい商品ごとに適切に定める。
記録を続けながら商品になる部分にのみ、確かになっていく感覚を費やす。
その傍ら、新しいものを生み続けるたびに繰り返し排出される多くのカカオの廃材を目にし、廃材となる部分をアップサイクルして、商品として生まれ変わらせることはできないか。可食部のみに着眼するのではなく、チョコレート職人の目線でカカオやチョコレートを持続可能なものへ変換させるためにはどういったことができるか。
カカオの全てを使って「カカオの世界」をプロデュースできるのではと問いかける。


このストーリーでは、「Normandie Chocolat」の統括シェフショコラティエ横田がカカオハスクの活用とサステナブルの取り組みに奔走し、株式会社ソーイ様との協業で実現した「RE:カカオテリーヌ」の開発秘話について紹介する。
廃棄されるカカオハスク、サステナブルと共に美味しさをカタチにしたい
チョコレート製造に欠かせないカカオの実。その中でチョコレート製造に使われているのはカカオ豆という種子の部分だけで、実にカカオの実の5%〜10%に過ぎず、残りの90〜95%は残滓として廃棄される。その上、更にそのカカオ豆の外側の殻(カカオハスク)はチョコレート原料としては利用価値が低いとしてこれまで廃棄されてきた。
横田はこのカカオハスクを一部再利用し、2021年に紅茶や黒糖を加えて「CACAO CHAI」として商品化した。煮出したカカオハスクからは、カカオが含有する食物繊維、ポリフェノール、脂質、ビタミン、ミネラルを抽出することができ、さらに一緒に加えたジンジャーや数種類のスパイスが体の巡りを整え、リラックス効果やデトックス効果を期待できることから、健康な生活を気にされる女性を中心に話題となって回った。
だが、出がらしの「ゴミ」が残ることが気がかりだった。


これより横田はカカオハスクの有効活用は非食品ではなく、完全に食品に傾く。
カカオハスクを栄養として体内に取り入れ、そのまま消化させてしまってはどうだろうか。アップサイクルに必要なのはサステナブルと共に美味しいということ。
体が、心が、喜ぶことを、チョコレート職人としてカタチにしたい。アップサイクルで美味しいを表現したい。そして繋げたい。
カカオハスク
サステナブルな未来を共に歩む企業と出会い、第一弾・ショコラテリーヌの開発へ
フードロスの観点からも大いにカカオハスクの活用は重要だと感じ始めていた。
そんな中、株式会社ソーイ様と出会う。
カカオハスクの処理について相談をし、アップサイクルとごみゼロを同時達成する技術の「UP 0 TECH®プロジェクト」がカカオを余すところなく利用できる循環システムの構築の一歩となると感じた。ソーイ様は基本理念として「頂いた命を余すところなく全て美味しく頂く」ことを掲げてられている。また温暖化の原因の一つとして取りざたされているCO2の排出量を少しでも抑えるために、廃棄物を燃焼させるのではなく、逆に消費し切ることへと移行させるための発酵技術によるアップサイクル法を確立されていたので、カカオハスクのごみゼロ化をご提案いただく。
「発酵とは美味しくないものを美味しくする力」として、科学的なアプローチに成功しているソーイ様の業績と、サステナブルな未来を共に考えるパートナーでありたいと懇願し、協業を依頼した。


何からプロジェクトを始めよう。横田は迷うことはなかった。
商品開発の第一弾はショコラテリーヌでスタートすることを決めていた。
発酵の力でカカオハスクをペーストにした「カカオハスクペースト」を、ショコラテリーヌの生地へ添加しアップサイクルしてみたところ、カカオハスクのざらつきは全くなく、通常の商品よりも滑らかさが増しているような気がした。
実にアップサイクルの美味しさに驚いた。チョコレートとしての利用の可能性を大いに感じるだけに留まらず、美味しさの広がりの可能性も大きく感じた。
                   UP0TECHⓇ開発者 〈株式会社 ソーイ〉
                              石垣 哲治 博士
「サステナブル×美味しさ」花開く、発酵カカオハスクの配合量を追求
かつてから販売しているショコラテリーヌは濃厚チョコレートの艶やかな食感が特徴的で、舌の温度で溶ける上品な仕上がりにリピーターも多い。
人気の商品でプロジェクトを進めた理由として、横田の頭の中では思い描く商品があった。
カカオ豆の皮と実の全てを楽しめるという商品コンセプトのもと、Bean to Barチョコレートをつくり上げたカカオ豆と、そのカカオ豆の廃材箇所のハスクを使用した単一性に特化したショコラテリーヌをつくり上げることだ。
各国から仕入れるカカオ豆は豊かな風味を持ち、余韻が長いもの、消えては現れるものなど面白いほどにさまざまである。その土地の土壌で作られたカカオの特有な個性を感じながら、大自然の恩恵を十分に楽しんでもらいたい。時間をかけてゆっくりと。
口に含んだ冷たいひんやり感の中で、まず放たれる香りは何なのか。口溶けに違いがあるのか。「カカオハスクペースト」の配合によってもショコラテリーヌの食感や風味が変わる為、ベストの配合を目指して失敗を繰り返した。
これだと思った瞬間があった。
瑞々しい食感とカカオの余韻が最も残る配合を確立させた。チョコレート作りの中で廃棄処分するごみを減らせるという絶対的な化学が目の前に存在する自信から、「美味しい商品を作るために「カカオハスクペースト」を使用する」という考えに専念できた。
チョコレート職人ならではのこだわりで完成した「RE:カカオテリーヌ」、美味しさ+αでアップサイクルを
もったいないを無くすことから始めた考えは、チョコレート職人ならではのこだわりへと化していった。
カカオの廃材を美味しくアップサイクルさせて、ごみをゼロとし、カカオの世界を一層楽しめる商品を作り上げた。
2024年バレンタインの催事に出店した百貨店のECモールでは、横田の作り上げたカカオテリーヌは完売となった。ショコラテリーヌに「カカオハスクペースト」が使用されたことで後味にカカオの余韻が引き延ばされ、カカオ豆すべての味を感じることができる商品だと話題となった。
横田はこの商品を「RE:カカオテリーヌ」と名付け、想いを綴る。


横田
「RE」の持つ意味は、「繰り返し」「再び」なので、丸く円を描くように循環させているという思いを込めています。またメールの返信の件名で「RE:」が付きますが、その返信ということをイメージして、単に一方通行ではなく、返信のメールを受け取った時の嬉しさの表現という想いも込めて命名しました。
                       シェフショコラティエ 横田恭平


カカオ豆生産地である西アフリカでの天候不順を背景に深刻な不作となっているカカオ豆の現実。横田は今まで以上に、大切に育てたカカオ豆の生産に関わる全ての人のために、また未来の地球のために、持続可能なものへと変換できるように、次なる美味しさを求めた「 RE: 」の新たな可能性を追い続ける。


株式会社 ソーイ
300年近く受け継ぐ発酵DNAを軸に、イノベイティブな発酵技術を展開する企業です。サステナブルな社会を実現するために、植物性の食品廃材に特化し、コーヒー残滓全ての完全アップサイクルを実現しました。「頂いた命を余すところなくすべて美味しく頂く」をモットーに、コーヒーに限らず多様な食品廃材を発酵のチカラで食材・食品・化粧品へと転換し、ごみゼロにする技術の「UP0TECH®(アップゼロテック」を世界に向けて展開しています。
*UP0TECHは、株式会社ソーイの登録商標です。


【会社概要】
社名: 株式会社 ソーイ
本社所在地:静岡県沼津市山王台14-43
代表取締役:石垣 哲治
事業内容:発酵技術のコンサルティング、 アップサイクル事業、無添加食品・健康食品の開発・販売
HP: 
株式会社 時之栖
約9,800坪の広大な敷地の中に、さまざまなタイプの宿泊施設や天然温泉、地ビール醸造所や各種レストラン、サッカーグラウンドやアクティビティ、おみやげや贈答品が揃うショップなど、大人から子供まで楽しむことができる複合レジャー施設です。
雄大な富士山と自然の中で、非日常の空間をお愉しみいただけます。
時之栖冬の風物詩であるイルミネーション「ひかりのすみか」や日本一の高さを誇る噴水レーザーショーなど、季節のイベントを随時開催しており、ご宿泊はもちろん日帰りでもお楽しみいただけます。




【会社概要】
 社名: 株式会社 時之栖
 住所: 〒412-0033 静岡県御殿場市神山719
 代表取締役:庄司政史
 事業内容: ホテル・旅館旅行・観光業
 HP :

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