2026年に指定野菜追加が決定 サカタのタネが語る、ブロッコリーが国民的野菜になるまでの歴史

2024.05.27 14:00
農林水産省により、2026年度から国民生活上の重要な品目である『指定野菜』に追加されることが決定したブロッコリー。その歴史は世界的に見てもこの100年、日本では40年で急激に消費が拡大した野菜です。それまでは、ヨーロッパの一部で消費されるマイナーな地方野菜という位置づけでした。


なぜブロッコリーは広まったのか。その背景には、現在ブロッコリーの種子世界シェア約65%(2023年現在、自社推計)、日本の種苗メーカーである株式会社サカタのタネの品種開発と普及活動がありました。本ストーリーでは、世界と日本国内のブロッコリー普及の歴史、および当社の取り組みについてご紹介します。
マイナー野菜時代からいち早く品種開発 アメリカでのヒットへ
ブロッコリーは地中海沿岸が起源とされ、1920年代にイタリア系移民がアメリカで生産を始めたことが、本格的な商業用生産の始まりといわれます。当社は1960年代半ば頃からブロッコリーの品種開発を手掛けていますが、当時のブロッコリーは収穫期のそろいが悪く、生産者が何度も畑に入り収穫する必要がありました。そこで当社は、多くの系統の試作と選抜を繰り返し、生育のそろいがよく、花蕾の品質がよいブロッコリー「グリーンデューク」を開発しました。「グリーンデューク」により、生産者の収益性の向上に寄与し、品質のよい青果が流通することで、ブロッコリー消費拡大にも貢献しました。
ブロッコリー普及のきっかけを作った「グリーンデューク」
2026年指定野菜に 日本での生産拡大
かつて日本ではブロッコリーよりもカリフラワーの生産・消費がさかんでしたが、1970年代に入ると緑黄色野菜ブームの中でブロッコリーが注目を集めていきました。1980年に当社は収穫のそろいがよい品種「緑嶺」を開発し、長野県や北海道、埼玉県など主要産地に普及しました。その後開発した品種「ピクセル」「おはよう」は、栽培適応幅の広さや青果の品質のよさから日本のブロッコリー生産拡大に大きく貢献しました。特に「おはよう」は一定の耐暑性がありながら、低温伸長性があるため栽培適応性が広く、さらに寒さの中でも花蕾が紫色にならない性質(アントシアンフリー)を持つため、大ヒット品種となりました。同品種は現在日本で最も栽培されているブロッコリー品種です(2024年5月現在、サカタのタネ推計)。
日本で広く栽培されているブロッコリー「おはよう」。名前の由来は試作番号「SK3-084」の「084」から。「こんにちは」「こんばんは」という品種もあります
ブロッコリーの魅力をイベントで 世界の消費拡大戦略
新しい野菜であるブロッコリーが普及するには、どのように食べるのかを合わせて紹介する必要があります。当社はブロッコリーの消費拡大を目指し、世界中でブロッコリーの魅力を伝えるイベントを実施してきました。


例えば、2007年からは研究者による講演や産地を見学するフィールドツアー、有名シェフによるクッキングショーを開催する「ブロッコリー・カンファレンス」を各国で実施しています。こうした取り組みをきっかけに、スペインでのブロッコリー消費量は飛躍的に上昇しました。ブラジルでも2016年に「ブロッコリー・カンファレンス」を開催し、同国でのさらなる消費拡大が期待されます。
世界的な普及の裏に、タネの安定供給あり
ブロッコリーの作付面積が増加すると、当然タネの大量かつ安定した供給も必要となります。ブロッコリーの種子生産は露地栽培で、広大な面積が必要です。当社は1960年代からのノウハウと技術を蓄積、また、北半球と南半球によるリスク分散や新しい採種地の継続的な開拓など、高品質種子の安定供給を実現してきました。
ブロッコリー種子生産
海外向け情報サイトで世界へ発信、ブロッコリーのさらなる消費拡大を目指して
世界中で消費されるようになったブロッコリー。しかし、まだまだ消費拡大に至っていない地域も多くあります。サカタのタネでは海外向けのブロッコリー情報ウェブサイト「Broccoli Lovers」を開設するほか、SNSを利用してブロッコリーの魅力を発信しています。現在インド向けに発信しているInstagramでは、ブロッコリーのおいしい食べ方や栄養面の情報のほか、有名インフルエンサーとのコラボレーションも実施し、多くの反響を得ています。同国ではブロッコリーはまだまだマイナーな野菜という位置づけですが、消費拡大に向けた施策をこれからも実行していきます。


日本では、ウェブサイト「知ろう!食べよう!ブロッコリー大好き!」(
)を立ち上げ、栄養や効能、生産者のおすすめレシピなどを掲載し、ブロッコリーを広くアピールしています。


2020年の日本の一人当たりのブロッコリー消費量は約1.2kg、アメリカは約4.6kg、イギリスは約4.2kgである(※)ことを考えると、まだまだ拡大の余地があります。サカタのタネではこれからもブロッコリー消費拡大に向けた取り組みを推進します。
※一人当たりのブロッコリー消費量は国際連合食糧農業機関(FAO)・政府統計を基に、2020年にサカタのタネが推計
5/27~6/2 JR横浜駅北改札内、東急線横浜駅B3F改札内ビッグ8にて、ブロッコリー広告展開中
※駅および駅係員へのお問い合わせはご遠慮ください。
※改札内に入るには駅入場券が必要です。

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