日銀の「利上げ」は新車販売にも影響! 人気の「残価設定ローン」の金利が上昇する可能性もアリ

2024.04.30 06:20
この記事をまとめると
■3月下旬に日本銀行がマイナス金利政策を解除し、金利を引き上げることを発表
■日本のオートローンでは金利が固定となり、動かないことが多い
■今後、世の中の動きによってはクルマのローンも「変動金利型」が採用されるかもしれない
金利の引き上げ発表で新車購入の雲行きが怪しい
  3月下旬、日銀(日本銀行)がマイナス金利政策を解除し、金利を引き上げることを決めたとの報道がかけめぐった。その報道を受け、さっそくメガバンクの一部は定期預金金利の引き上げを発表している。
  定期預金していても、その金利の低さを嘆くのは日本では当たり前の光景となっていた。先日1980年代の某ドラマを見ていたら、銀行内のシーンで「定期預金の金利5%キャンペーン」といったポップが貼ってあり驚いてしまった。
  金利が上がるのは何も定期預金だけではない。報道では住宅ローンを例にして、ローン金利の上昇を懸念していた。もちろん、新車販売などにおけるマイカーローンの金利についても上昇懸念はあるといえよう。
  かつて、日本で新車がもっとも売れていた1980年代、つまりバブル経済のころの新車ディーラーが提携信販会社のローンを仲介するディーラーローンの金利は10%以上が当たり前であった。購入予定の新車の所有権をディーラーなどの名義に留保、つまり担保にすることで借りやすいというメリットがある代わりに、当時の銀行など金融機関のマイカーローン金利と比べても高い金利が設定されていたようである。
  その後、ディーラーローンに限った環境変化として、2000年代に入ると外資ブランドが当時の日本人のリース嫌いなども考慮したようだが、3年や5年先の車両の残価を支払最終回分として据え置き、月々の支払い負担を軽減するリース型ローン、いまでいうところの残価設定ローンを展開するようになり、これが日系ブランドへも波及していくようになる。
  残価設定ローンは、短期的な乗り換え促進も含めた新車の販売促進をねらったものであり、いまではメーカー系信販会社の商品をディーラーでもメインで扱うようになっている。新車の販売促進や、顧客の囲い込みを目的としていることもあり、メーカー系信販会社が戦略的な金利設定、つまりバブル経済のころに比べれば低金利化に拍車がかかり、いまでは4%を割り込むあたりから5%が一般的となっている。
  ディーラーローンの特徴というか日本のオートローンの特徴は、原則金利の変動がないこと。これは契約期間内での変動だけではなく、誰であっても審査が通れば同じ金利で利用することができることを意味する。
オートローンの金利も変動型に!?
  たとえばアメリカでは一部富裕層が小切手を切るなどして新車購入する以外は、現金での新車購入はマネーロンダリング防止という面もあってそれができず、リースかローンを組むのが一般的。しかも、申込者個々のあらゆる貸し付け履歴が審査対象となり、申請者個々で審査後に示される金利や、融資額(車両代金の一部になることもある)が異なるとのこと。
  たとえば、日本では誰もが知る有名企業の社員が新車購入するためにローンを申し込んだそうだが、アメリカ国内での貸し付け履歴がないとのことで審査が通らなかったと聞いたことがある。
  諸外国では増販特典として「金利0%キャンペーン」をよく行うが、金利0%にするための審査は厳しく、「金利0%になることはほとんどない(事情通)」とのことなので、人寄せパンダ的なキャンペーンとして展開しているようである。
  あるディーラーにて「日本では金利0%はなかなかないですよね」と聞くと、「そりゃ申し込んだ人すべて金利0%になりますからね」と話してくれたことがある。それでも、外資ブランドでたまに金利0%というキャンペーンを行うことがあるが、販売促進効果もそれほど目立っていないようなので一般化はしていない。
  日本を除けば、新車購入では現金一括払いがほとんどなく、ローンやリースが一般的となるのは新興国でも同じ。欧米が軒並み利上げに走ったときに、新興国でもさまざまな思惑から利上げに走った。その結果、オートローンの金利も上昇して新車需要に水を差す結果になっているとも聞いたことがある。
  今回の日銀の決定がどこまで影響を与えるかは計り知れないところ。ただ、状況次第では住宅ローンのような懸念が起こりうる可能性もあるだろう。いまの日本の住宅ローンは「固定金利型」と、「変動金利型」がある。諸外国のオートローンは変動金利型となり、支払期間中に金利がアップすることもある。今後の利上げの影響次第ではオートローンであっても、両方が用意されるかもしれない。
  残価設定ローンについては、支払最終回に一定の条件内に走行距離や内外装の状態が維持されているかチェックだけをして清算するのが一般的(俗にいうクローズエンド)。しかし、一部輸入ブランドなどでは、これに加え支払最終回時点での相場を基にした再査定を行って清算(俗にいうオープンエンド)するタイプも用意されている。
  もちろんオープンエンドタイプのほうが、リスクが高まるので残価率など支払い条件が良かったりする。これは、残価設定ローンにおいて、設定残価率に基づいて残価が算出されるのだが、人気高級ブランド車だと、清算時に実際再査定すると人気の高さから設定残価以上の査定額になることが多いことがあるようだ。
  残価設定ローンならば3年や5年払いが一般的なので、利用期間中に金利が変動するケースはあまり想定できないこともあり、変動金利タイプは馴染みにくいものと考えている。なので、いま想定できるのは、動向次第では金利全体が高めになっていくこともあるものと考えている。
  前述したように、残価設定ローンは顧客の囲い込みや短期での乗り換え需要など、販売促進策のひとつとも捉えられているので、やたらと金利が上昇するということはないとも見ている。

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