結果同じ金額でも「オプション総額」が高いとユーザーは腰がひける! トヨタが売れる理由のひとつに「ディスプレイオーディオ」の標準化がある

2024.09.15 07:00
この記事をまとめると
■トヨタ車では一部車種を除けばほとんどの車種でディスプレイオーディオを採用している
■トヨタ以外ではETC車載器やドライブレコーダーはオプションとなるがトヨタでは標準装備
■必須アイテムの装着で追加料金が発生しないのは販売促進向上につながる
新車ではディスプレイオーディオの採用が進む
「10月らしいのですが、トヨタ・ルーミーが法規対応を中心とした改良を行うそうです。そのときに新たにディスプレイオーディオが採用となるようで、販売現場では昨今の諸物価高騰もあり、車両価格の目立った上昇を懸念する声が聞かれます」と事情通が話してくれた。
  トヨタ車では多くのクルマというか、一部を除けばほとんどの車種でディスプレイオーディオが採用されているが、確かに現行型のルーミーを見ると、オーディオレス状態が標準であり、ディーラーで従来タイプのカーナビやオーディオを装着することになっている。
「現場のセールスマンに聞くと、ルーミーを希望するお客はそれほどディスプレイオーディオには興味を示さない傾向の人が目立つようで、前述したように車両価格上昇のほうが気になってしまっているようです」(事情通)。
  カーナビといえば、かつては新車購入時には「マストアイテム」としてセレクトするオプションだったのだが、いまはスマホのナビアプリ画面をカーナビ機能のない車載ディスプレイに映し出して活用する人も目立ってきたので、過去ほどマストアイテムとはなっていないが、商談にて見積りを作成するときにセールスマンから、「カーナビはどうしますか?」と聞かれれば、「とりあえず」と選んでしまう装備である。
  そのカーナビ機能だが、トヨタ車ではたとえばカローラクロス(Xグレードを除く)ではディスプレイオーディオが標準装着されていれば、「コネクティッドナビ」を利用することができる。しかも、本来は有償サービスなのだが、5年間は無料で利用することができる(一部車種では対応はしていない)。
  つまり、新車購入時に種類豊富なディーラーオプションのなかからカーナビを選ぶといったことで悩む必要もないし、25万円から30万円ほどを新たに見積書に加算して計上する必要もない。また、一部車種を除き前方のみならば(セットオプションで前後も可能)トヨタ車ではドライブレコーダーも標準装備となり、ETC車載器も標準装備となっている。
  たとえばカローラ・クロスの中級グレード以上の購入を検討する際には、見積書にカーナビ本体、前方ドライブレコーダー(リヤは録画機能付きバックガイドモニターをオプション選択する必要がある)、ETC(2.0ユニット)はオプションとして計上する必要はない。仮にこれらをオプション選択しようとすれば、やはり50万円前後は新たに計上されるものと考えていたほうがいいだろう。
  支払総額比でどうなるかは別としても、オプションとして別に50万円から60万円計上するかしないかというのは心理面でも大きい。「『他メーカー車ではオプションなのに』という感覚が芽生え、結果的にトヨタ車にお得感を抱き、トヨタ車を選ぶ人がいることも、トヨタ一強の背景にあるといっていいでしょう」(事情通)。
必須アイテムとなったものを標準装備化していくトヨタの賢い戦略
  また、ドライブレコーダーやETCでは、標準装着となるのであと付け感がないということもトヨタ車にお客を惹きつけているのではないかと事情通は語ってくれた。
  カーナビの販売や取り付けは、新車ディーラーの有力な収益源にもなっている。トヨタ以外のメーカーと、メーカー系ディーラーでは長年の商慣習のようなものからなかなか脱却できていないとも表現できるし、カーナビのディーラーでのあと付けは、コネクティビティ面でも日本車の対応への出遅れが一部でささやかれる背景にあるのではないかと筆者は考えている。
  もちろん、トヨタ以外のメーカーでもメーカーオプションでビルトインタイプのコネクティッドナビを用意しているので、選択肢としてディーラーオプションを残すことはいいのだが、セールスマンの心情からいけば、より自分の会社が儲かるディーラーオプションを勧めてしまいがちになるのは仕方ないことなのかもしれない(ディーラーオプションナビにもコネクティッド機能付きのものはある)。
  カーナビもドライブレコーダーもETCも義務装着ではなく任意装着なのでオプション扱いとするのが原則なのかもしれない。ただ、装着されていて邪魔なものでもない。オプション総額が高額になってしまうと、購買意欲もなかなか高まりにくい。車両価格は当然本来オプション扱いの機能を標準装備すれば高めになるだろうが、「これだけついていてこの価格か」という割安感さえ失わなければ、さまざまな装備の標準装着化は販売促進向上につながるのではないかと考えている。
  もちろん、カローラクロスなどのように、半ば「レス仕様」とも呼べる廉価グレードを設定しておけば、必要ないと考える人はそちらを選ぶはずである。

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