大豆使用の可能性を広げる、超進化系大豆粉「ミラクルきなっこ」の開発ヒストリー

ヤマトマテリアル(株)は、容器包材・宅配水・エレクトロニクス関連に携わる専門商社です。創業130年余りの社業で培ったノウハウそしてネットワークを駆使し、常に新しい商材の開発、企画提案に取り組んでいます。今回弊社のお客様であった関東学院大学からのご相談により、「ミラクルきなっこ」という代替肉やアレルゲン代替原料など様々な可能性を秘めた大豆粉の商品化にチャレンジすることとなりました。


ミラクルきなっこは、従来の大豆粉に比べ、大豆の「青くささ」や「えぐ味」などの不快な風味を改善し、超微粉砕によりなめらかな舌触りで水に溶けやすく、加工に適した新しい大豆粉です。またアレルギーの原因となる、乳や卵の代替素材としても注目されています。
本ストーリーではそんな「ミラクルきなっこ」の開発ヒストリーをご紹介します。

ミラクルきなっこを開発したのは、関東学院大学栄養学博士である角田博士です。角田博士は女子栄養大学にて博士号を取得（栄養学。Ph.D. Nutrition Science）、関東学院大学人間環境学部教授等を経て現在に至り、ミラクルきなっこの開発の他、食糧難の課題に独自の視点で立ち向かう『食』のスペシャリストです。

関東学院大学で行われた「2010ふれあい祭り」にて、風味改善に取り組んだ大豆アイスを出品していた時の事、乳卵アレルギーの男の子が母親と一緒に「大豆アイスなら食べられるかも」と目を輝かせてやってきました。しかし当時卵黄を混ぜて風味を調整していたので「これは卵が入っているよ」と説明したところ、泣き出してしまった男の子。いたたまれず「来年おいで！食べられるアイスを作ってあげるから」、この出来事がきっかけとなり、角田博士は大豆を用いたアレルゲンフリーの食品開発に取り組むことになります。

大豆は、古くから日本で親しまれてきた食材のひとつ。タンパク質をはじめ、脂質、糖質、ビタミンB1、ビタミンE、葉酸、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、銅など、栄養素の種類がとても豊富なスーパーフード。近年、健康意識の高まりにより、タンパク質補給や、乳・卵アレルギー体質の人も摂取出来る代替食品として大豆粉末を含む様々な大豆加工食品が商品化されています。

しかし、大豆には大豆脂質の酸化や加工工程で生まれるアルデヒド類、ケトン類、アルコール類等に由来する『不快臭』、大豆ポリフェノールの酸化した『渋味』やイソフラボン化合物に由来する『エグ味』等の不快風味が存在します。一般的に大豆特有の不快風味を取り除くために加熱処理をすると、水に溶けづらく、ザラザラとした舌触りになり、加工食品への利用が制限されておりました。


また大豆にはトリプシンインヒビターと呼ばれるたんぱく質の消化を阻害する物質が存在し、過剰摂取により下痢や嘔吐などの健康被害を引き起こす報告もされております。トリプシンインヒビターの活動を低減させる方法としてこちらも加熱処理を行うのですが、過度な加熱は栄養素の破壊などに繋がる懸念がありました。

角田博士は大豆が本来持っている栄養素を失うことなく、大豆特有の不快な風味を改善しながらも、過度の褐変が生じるのを抑制し、且つ水に溶けやすく加工しやすい安
心して食べられる大豆粉を研究・開発(特許取得)しました。弊社ではその特許を用い、ミラクルきなっこを再現できる量産設備を整え、2022年から販売を開始しております。


ミラクルきなっこは食品加工に大変適した大豆粉なので特許を用いた製法により、代替肉「ソイミート」の製造や、牛乳を用いない「ソイチーズ」なども製造が可能です。食物アレルギー、ヴィーガン、ベジタリアン、ハラールなど、幅広い食の嗜好にも対応できるミラクルな食品原料です。代替素材以外にも大豆の栄養素を活かした栄養補助として、ソイプロテイン・調味料・お惣菜・アイスなどの原料としても使用されております。

当初は企業向け業務用(15kg)の販売をメインとしてスタートしましたが、ミラクルきなっこをもっとたくさんの方に知ってほしい、様々な人の健康やアレルギーなどに寄り添った商品となってほしいと考え、昨年より一般消費者向け商品(300g)の販売を開始。ミラクルきなっこは水に溶けやすく、さまざまな料理に加えても料理の風味などに影響を与えません。また大豆の栄養素をあますことなく摂取できることで、子供の栄養面を気にされる母親や、美容・健康の為、中高年女性に絶大な支持を得ています。ご興味のある方は是非下記からお問い合わせください。

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