オプション設定はほとんどなし! BYDの「買いやすさ」追求の戦略は脅威的!!

2024.01.23 06:20
この記事をまとめると
■BYDをはじめ中国メーカーがお手頃なBEVを市場投入して存在感を示すようになっている
■BYDのモデルはオプションの設定が少なくお買い求めやすいことも好印象となっている
■柔軟にタイ市場に対応する中国系企業の姿を見ると、数年後は日本も同様な状況になっているかもしれないと感じる
オプションが少なくて悩まないから買いやすい
  世界的にみるとテスラとともにBEV(バッテリー電気自動車)販売台数トップ争いを展開しているのが、中国BYD(比亜迪汽車)。“日本車潰し”というアプローチも指摘される欧州勢力の前のめりにも見えるBEV普及への取り組みだが、欧州ブランドで積極的にラインアップを拡大しているのは、日本ならば1000万円超えの高級ブランド車が大半となっている。
  この傾向は欧州市場でも同じ。そんな欧州にBYDをはじめ中国メーカーがはるかにお手頃なBEVを市場投入し、大衆層をターゲットに存在感を示すようになると、慌てて規制をかけると騒ぎ出しているのはご存じのとおり。
  確かに中国製BEVの価格設定は魅力的なものとなっている。すでに中国国内をはじめ豊富な販売実績もあるので、安かろう、悪かろうは少なくとも海外で展開しているブランドにはあてはまらないといえる。ただ、買い求めやすい、それだけで富裕層以外でBEVに興味を示す人を惹きつけているというわけでもなさそうである。
  たとえば日本国内で販売されているBYD車をみると、装備一覧表で見る限りはアット3ではオプション設定はなく、ドルフィンではV2Lアダプター(AC充電口)のみがオプション設定されていた。ETCやリヤにもドライブレコーダーをつけようとすると、ディーラーオプションのようなものが設定されているようだが、以前より簡素化傾向にあるとはいえ、メーカーオプションの多い傾向のある日本車に比べると非常にシンプルなものとなっている。
  中国系以外のICE(内燃機関)車での欧州からの輸入車でもオプション設定はシンプルなものとなっているが、BYDはそのなかでもシンプルさが目立っている。メーカーオプション設定が少ないということは、それだけ生産コストも抑えることができるわけで、フランスでBYD車が本格販売されたころ、現地のニュースでBYDオーナーに話を聞くと、購入時にオプションがほぼなくて買いやすいことに満足感を示すコメントを述べていた。
タイ市場で好調な中国系メーカーが日本市場を席巻する日も近い!?
  新車購入を面倒なことと捉える声もよく耳にするが、そのひとつが数多く用意されるメーカーオプションのなかからどれを選んでいいかわからず、しかも一定数メーカーオプションを選ばないと十分な装備内容にならない傾向などがある点についての面倒さを指摘するものがある。
  この点については前述したフランスでのコメントをみると、「世界共通認識なんだなぁ」とも感じた(諸外国は在庫車から選ぶのが原則だが、在庫車個々で装着されているオプション内容が異なっており、過剰に装着されている在庫もあって、その辺りの見極めが面倒なようだ)。
  すでに先日訪れた、「バンコク国際モーターエキスポ」会場でも7つの中国系ブランドがブースを構えるタイでも、単に買い求めやすいという理由でバンコクなどの都市部を中心に中国系BEVが目立ってきているわけでもない。
  中国系ブランドのなかでも急速に販売シェアを伸ばすBYDは、ディーラーネットワークの構築やより有益な現地パートナーの選択による現地に根付いたセールスプロモーションで買いやすさも追求している。単に魅力的なモデルであったり、割安な価格設定だけではやはり限界があり、売り方を確立しないと持続的に一定台数を売り続けることは難しいだろう。
  BYD以外でもタイではリアルディーラーでの対面販売がメインのように見える。BYD以外のある中国系ブランドでは、ディーラー敷地内にボディ色も多彩で豊富な在庫を用意し、平日でも(ちなみにタイではディーラーは日曜原則休み)ショールームにはたくさんのお客がいた。
  中国系のなかでも、とくに現地の状況を反映したセールスプロモーションも重視しながらタイ市場で展開しているBYD。中国系企業らしいスピード感をもって総合判断しながらタイ市場で頭角を現している姿に、数年後というのは言い過ぎかもしれないが、「日本市場でもこうなるのかなぁ」と思わず考えてしまった。

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