お正月行事の1つ、鏡開き。お供えした鏡餅を割ることを指しますが、その由来をご存じでしょうか?鏡開きの歴史や意味などを解説し、鏡餅をおいしく食べるための簡単アレンジレシピも一緒に紹介します!
●鏡開きとは?
「鏡開き」とは、毎年1月11日に、お供えしていた鏡餅を下ろして、無病息災を願って食べる行事のこと。お供え物に刃物を向けるのは縁起が悪いとして、包丁は使わず、木槌で叩いて割りますが、「割る」という言葉も縁起が悪いので「開く」という言葉が使われています。
●鏡餅の歴史
鏡餅を供える風習は室町時代から始まったと言われています。もともとの「鏡開き」という行事は、年の初めの「蔵開き」「何々開き」「何々初め」などという、新年の仕事や行事初めの儀式の中の1つでした。
昔、武家では正月に、男性は具足(甲冑)を飾って鏡餅を供え、女性は鏡台に鏡餅を供えていました。これらの鏡餅を正月11日に割って食べる習慣があり、これを「鏡開き」 と言ったのです。
●餅を鏡と言うのはなぜ?
餅の丸い形が昔の銅鏡に似ているからと言われています。
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「鏡開き」という言葉は、おめでたい席で酒樽のふたを割るときにも使われます。酒樽のふたが丸くて平らな形をしていることから、古くから造り酒屋では「鏡」と呼んでいました。そのため、酒樽のふたを割る行為も「鏡開き」と言われるようになったのです。
●鏡餅の飾りの意味は?
鏡餅は新年の神様である「年神様」をお迎えしたときのお供え物で、飾りのすべてに縁起のよい意味があります。いくつかを、抜粋してお伝えします。
・2段の丸餅:太陽と月を表し、「福が重なる」「円満に年を重ねる」という意味。
・橙(だいだい):餅の上にのせます。家が「代々」栄えるようにという意味が込められています。
・裏白(うらじろ):古い葉が落ちずに新しい葉が出てくる、生命力と長寿の象徴です。
・ゆずり葉:世代がゆずられ、続いていくようにという願いから。
鏡開きの餅レシピ
鏡開きをした後の餅やお正月に食べきれなかった切り餅と、野菜を一緒に食べられるレシピです。
鏡餅を小さく分ける方法
鏡開きをした餅を、さらに小さく分ける方法を紹介します。硬くなった餅をやわらかくする場合にも参考にしてください。
1.耐熱容器に餅を入れる。
2.餅がつかるくらいの水を加える。
3.レンジ600Wで20秒ほど加熱し、やわらかさを確認し、足りないようなら追加で加熱する。
4.小さくしやすい硬さになったら取り出す。長時間加熱し続けると溶けてしまうので注意。
材料(2人分)
切り餅:2個(約100g)
キャベツ:3枚
ベーコン(スライス):2枚
ピザ用チーズ:20g
顆粒だし:小さじ1
[A]
お好み焼きソース:適量
マヨネーズ:適量
削り節:適量
作り方
餅は1cm角に切る。キャベツは太めの千切りにし、ベーコンは1cm幅に切る。
耐熱皿にキャベツ半量を敷き、餅をその上に重ならないように並べる。残りのキャベツ、ベーコン、チーズをのせて顆粒だしを振る。
ラップをかけずに電子レンジ600Wで、餅がやわらかくなり、チーズが溶けるまで5分程度加熱する。
Aを順番にかけてできあがり。
●餅とさつまいものご飯
餅の粘りでおこわ風の食感に
材料(2合分)
米:2合
さつまいも:1本(約300g)
切り餅:1個(約50g)
黒いりごま:適量
[A]
昆布だし:380ml
薄口醤油:大さじ1
みりん:大さじ1
塩:小さじ1/4
作り方
さつまいもは洗って、皮ごと一口サイズの乱切りにし、軽く水にさらす。
切り餅は6等分に切る。
米は洗って水気を切り、炊飯器に入れてAを加え、1と2をのせて炊く。
炊き上がったら、お好みで黒いりごまを振る。
最後に
由来や意味を知って、鏡開きの行事を楽しんでください。
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最終更新:2023.12.06
文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影):清水亮一(アーク・コミュニケーションズ)
写真(撮影協力):吉田めぐみ
監修:カゴメ
出典:
農林水産省
「鏡もちの由来と美味しく食べるコツ」(鏡餅の由来)
aff(あふ)2020年1月号「正月に余った餅の食べ方・保存法」(餅の切り分け方、餅とさつまいものご飯)
J-stage
「お答えします、鏡開き」(鏡餅の由来)
広島商船高等専門学校紀要「大崎郷土資料館の特色と課題に関する一考察」(具足とは)
JA信州諏訪「食」(餅のお好み焼き)