採れたてが食べられる!しそ(大葉)の簡単プランター栽培

2023.04.19 09:25
新鮮なものほど香りがよいしそ。家庭菜園で育てれば、採れたての格別なおいしさを楽しむことができます。プランターで栽培するコツや、収穫時のポイントについて紹介します。

記事では青じそを紹介しますが、赤しそも同様の手順で育てることができます。
葉だけでなく、芽や花、実も食べられる
しそは葉を食べるイメージが強いですが、芽や花や実も楽しめます。
若芽である芽じそは、赤しそなら「紫芽(むらめ)」、青しそなら「青芽(あおめ)」と呼ばれ、刺身のつまなどに使われます(この記事では苗から育てるため収穫はできませんが、種から育てた場合は収穫が可能です)。
また、花が咲いた穂は「花じそ」「穂じそ」と呼ばれ、刺身のつまや薬味などに用いられます。
しその実は、穂じそから実だけを外したもので、塩漬けやしょう油漬けにして食べます。
芽じそ(紫芽)、葉じそ、花じそ、穂じその画像を見る
準備するもの
しその苗:2~3株
深さ15cm以上のプランター
培養土
鉢底石
移植ごて(小型の園芸用シャベル)
ジョウロ
園芸用ハサミ
化成肥料
苗選び
苗は4月ごろから園芸店などに出回ります。節間(せつかん:茎についている葉と葉の間隔)が詰まっており、濃い緑色で葉や茎が元気な苗を選びましょう。
memo
・しそは種からも育てられますが、温度管理が難しいので、苗から育てるのがおすすめです。
・また摘芯(※)すれば、わき芽からどんどん枝が増えていくので、2~3株あれば十分です。

枝の先端の芽を摘み取ること。
植えつけ
プランターの土に穴をあけ、ポリポット(簡易のビニール容器)から出した苗を植えつけます。苗と苗の間隔は20cmほどあけましょう。植えつけたら、土をならします。
植えつけ直後は風通しのよい日なたに置き、水は底からあふれ出るまでたっぷり与えます。しばらくしたら半日陰に移しても、十分に育ちます。水は、土が乾いてきたタイミングで、たっぷり与えましょう。
ポリポットから出した苗を植える
追肥
植えつけから2週間ほど経って、本葉が7~8枚になったら、化成肥料10g程度をまいて、軽く根元に土を寄せながらなじませます。以降、1週間に1回ほど追肥をします。
害虫の駆除の仕方
黒くブツブツしたアブラムシやハダニ、白くブツブツとしたアザミウマなどの害虫がつきやすいので、見つけたら駆除します。殺虫剤は使わずに、水を勢いよくかけて吹き飛ばすか、葉を摘み取りましょう。収穫した葉をそのまま食べるため、もしも殺虫剤を使用した場合は、2~3週間は収穫をやめましょう。   
摘芯
草丈が30cmほどになったら、主枝の先端を園芸用ハサミで切り取り、摘芯します。これをすることによって葉の数が増え、たくさん収穫できるようになります。
収穫
草丈が30~40cmになったら、必要な分だけ葉を収穫します。下葉を残して、上のやわらかく大きな葉から収穫していきます。
収穫が始まったら、2週間に1回を目安に、化成肥料を10gほど追肥します。
memo
青しその香りを堪能するために、葉の裏側に分布している香りのもととなる「腺鱗(せんりん)」に触れないようにしましょう。葉柄(葉の根元部分)を持って収穫し、洗う時もこすったりせず軽く振り洗いして、料理に使います。
上部の大きくやわらかい葉から収穫
赤しその葉の収穫
赤しそは、梅干しの漬け込みやしそジュースなどで一度に大量の葉を使うので、株ごと引き抜いて収穫します。   
赤しそジュースの作り方はコチラ
花じそ・穂じそと、しその実の収穫
●花じそ・穂じそ
葉を収穫後、穂の花が1/3ほど咲いたら、花じその収穫時期です。また、穂先に2~3輪残しているものを収穫すると穂じそになります。どちらも、穂の付け根から切り取って収穫しましょう。
●しその実
1つの穂に2~3輪の花が残る状態になったら、しごくようにして穂から実を収穫します。
最後に
葉だけでなく、花や実まで食べられるしそ。家庭菜園ならではの豊かな香りを食卓で楽しんでください。
しそ(大葉)を使った簡単レシピはコチラ
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しそで巻いたかしわの天ぷらおにぎりのレシピはコチラ藤田 智さんプロフィール
藤田 智
藤田 智
恵泉女学園大学教授・副学長
1959年秋田県湯沢市生まれ。宮澤賢治に憧れ、岩手大学農学部に入学し、同大学院修了。向中野学園高校教員、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現職。専門は、園芸学、野菜園芸学。野菜栽培に関連する著書は140冊を超え、「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」や日本テレビ「世界一受けたい授業」などのTVにも多数出演する。家庭菜園や市民農園の指導、普及活動を通じて、野菜づくりの楽しさを広げる取り組みを行っている。
ホームページ/藤田 智さんプロフィール
[しそ]料理のアクセントに使いたい、栄養豊富な名脇役
[しそ]料理のアクセントに使いたい、栄養豊富な名脇役
料理の香りや味のアクセントとして好まれるしそ。利用する部分によって、芽じそ、葉じそ、穂じそ、実じそなどと呼びます。
一般家庭におなじみなのが葉じそ。葉じそには「赤じそ」と「青じそ(大葉)」があり、赤じそは初夏~夏が旬。「青じそ(大葉)」と呼ばれる緑のしそはビニールハウスで一年中つくられ、通年で手に入れることができます。
最終更新:2023.04.19
文:アーク・コミュニケーションズ
写真:谷山真一郎
監修:藤田智、カゴメ
参考文献:
『野菜とハーブのプランター菜園』藤田智監修(ブティック社)
『ベランダですぐ始められる コンテナで野菜づくり』藤田智(日本文芸社)
『藤田智のやさい作り大全』藤田智監修 NHK出版編(NHK出版)
『新・野菜の便利帳』板木利隆監修(高橋書店)
出典:
独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)広報誌「大きな目小さな目」2022年春号(しその腺鱗)

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