生活者のカーボンニュートラル実践にむけて、クレジットカード会社としてできること

2022.08.18 16:02
クレディセゾンは、「サービス先端企業」という経営理念のもと、独自のノウハウ、経営資源、社員一人ひとりの知見を活かしながら、社会の発展・課題解決に貢献し、今よりももっと便利で安全・安心、豊かで持続可能な社会を目指しています。
これまで次世代育成を目的とした中高生向け金融教育プログラム「出張授業~SAISON TEACHER~」や、赤城自然園の運営による環境保全や地域活性、そしてグローバル事業を通した東南アジアを中心とした新興市場におけるファイナンシャル・インクルージョンの取り組みなどを進めてきました。
また、2021年8月には、社会・環境課題解決に向けたサステナビリティ活動に関する代表取締役の諮問機関として「サステナビリティ推進委員会」を設置し、持続可能な社会の実現に向けて活動を進めています。
<クレディセゾンのサステナビリティ>
2022年6月、国内初※1の決済データを活用する気候変動対策をテーマとしたコンセプトクレジットカード「SAISON CARD Digital for becoz」(以下:becoz card/ビコーズカード)の発行を開始しました。
<6月2日ニュースリリース>
今回、クレディセゾンだからできるサステナビリティ活動は何か、ということにこだわって誕生した『becoz card』の開発背景について、デジタルマーケティング部の牧野さん、戦略企画部の大曲さんにインタビューを行いました。
戦略企画部 大曲さん(左)・デジタルマーケティング部 牧野さん(右)
◆国内で初めて、カード決済データから個人のCO2排出量がわかるクレジットカード誕生!
ー『becoz card』の商品概要について教えてください。


牧野:『becoz card』は、データサイエンスを扱う株式会社DATAFLUCT が提供する個人の CO2 排出量の可視化 ・オフセットが可能なサービス 『becoz wallet(ビコーズウォレット) 』に、クレジットカード決済データを自動連携させることで、日々の生活でのCO2 排出量を可視化することができるというサービスです。
『becoz wallet』に、毎月カードのご利用明細が自動連携されるので、どのお買物、カテゴリーでCO2の排出量が多いのか、前月との比較して増減があるかなど、ご自身の消費活動の傾向を把握することができます。


大曲:さらに、減らす努力をしてもどうしても排出してしまうCO2について、CO2削減活動に投資することで埋め合わせるカーボン・オフセットプランを選ぶこともできます。環境問題に少しでも取り組みたいというお客様の具体的なアクションプランまでサポートしています。
※デジタルカード発行後の CO2 排出量可視化までのイメージ




ーこのサービスが生まれたきっかけを教えてください。


牧野: 昨今、異常気象による世界各地の被害が報じられる中、日本でも企業を中心とした経済活動でカーボンニュートラルを目指す動きが広がって、若年層を中心に個人の環境意識も着実に高まってきています。
そのような中、クレディセゾンでは2021年8月にサステナビリティ推進委員会の発足を受け、気候変動に対して当社が企業としてできることはないかとワーキンググループで検討を始めていました。


大曲:生活者の脱炭素意識調査から、脱炭素の取り組みは大企業や政府だけでなく、生活者も取り組むべきことと思っている人が約7割もいる一方、約半数以上が何をすればよいかわからない、という結果が出ています※2。
そのような折、DATAFLUCTがスウェーデンのインパクトテック企業Doconomyとサービス連携し、決済データからCO2排出量を可視化するDoconomyのアルゴリズムを活用したソリューションを提供する、というニュースを目にした当社社長の水野が、「決済データを通じたCO2排出量の可視化は、生活者のアクションのきっかけになるのでは?」とすぐにDATAFLUCTの久米村代表にアポイントを取りました。


牧野:その後プロジェクトチームが組成され、私は決済データ活用の担当者としてジョインしました。DATAFLUCT が保有する AI 等に関する先進的な技術やノウハウ、Doconomyの CO2 排出量可視化に関する技術、そして当社のペイメント事業におけるノウハウを掛け合わせることで、先進国に遅れを取っている日本のカーボンニュートラル推進に、どう貢献できるか、どのようなサービスがよいか議論を重ねました。
その結果、カード決済データを通じて、生活者にカーボンニュートラルに向けた行動変容の選択肢を提示する、という方向になりました。
◆地球環境によいことをしたい、という潜在的なニーズに応えるサービスへの挑戦
ーサービス開発までスムーズに進んだのでしょうか?


牧野:決済データを活用した様々な協業を担当していますが、法人向けのソリューションが中心で、お客様に還元できるサービスが提供できたらいいなと思っていました。今回、会員様に還元できる新たな決済データの活用の未来が見えたので、とてもワクワクしましたが、このサービスを提供する目的や世界観など、お客様に共感いただけるサービスにするために、両社の思いがぶつかることもありました。


大曲:カーボンニュートラルのソリューションにおいても、法人向けは増えていますが、個人の生活者へのサービス、特に金融サービスでの取り組みは国内で例がなく、本当に顧客ニーズはあるのか、事業として成功するのか、といった社内の声が出るなど、決して平坦な道のりではありませんでした。
ーなぜ両社の出会いからわずか9ヵ月でサービスの提供にいたったのでしょうか?


大曲:カード決済データを通じて、生活者がカーボンニュートラルに向けた行動変容の選択肢を持つ、という世界観の実現への強い思いがあったからこそですが、クレディセゾンらしいサステナビリティを目指す中、当社だから実現できたといえることが二つあります。
一つは、提携カードとして全く新しいカードを開発するには、コストも膨大で、期間も年単位でかかることがありますが、すでに170先以上の協業実績がある、スマホ完結の決済サービス『SAISON CARD Digital』のスキームを活用できたことです。


牧野:もう一つは、当社が約2,600万人のカード会員様のご利用データなどを統合管理し、最適化された情報配信を行うなど、マーケティングへのオルタナティブデータ活用事業にすでに取り組んでいたことが大きいです。
カード決済の多くは、クレジットカード会社もしくは決済代行会社などを経由して当社に決済データが届きます。そのため、同じ加盟店でカードを使ったとしても、クレジットカード会社や決済代行会社ごとに登録されている加盟店名が異なっており、そのままでは決済データとして活用することができません。
2018年から、煩雑に表記される加盟店データを、会社名、ブランド名、カテゴリーなどに統一表記で分類するデータクレンジングを行っています。そのため、今回決済データを算定する、DoconomyのCO2 排出量可視化技術「Åland Index(オーランド インデックス)」に容易に紐づけることができたのです。
※カード決済データ連携時のCO2排出量可視化イメージ
◆『becoz card』から生まれるお客様や企業、そして社内における新しいコミュニケーション
ーこのプロジェクトにおける、お客様や社内の反応はどうですか?


大曲:6月のDATAFLUCT主催の環境イベントで、来場するお客様と直接お話をする機会がありました。「おもしろい取り組みですね」と興味を持ってくださる方がとても多かったのが印象的でした。


牧野:学生さんや小さなお子様を連れた親子連れなどが多く、若年層の世代の方たちが環境問題に興味関心をお持ちなんだと実感しました。ポイントが付くとか、お得なカードかどうか、ではなく、環境に何かよいアクションをしたい、という方にきっかけを提供したい、という思いに共感いただけたことが嬉しかったです。


大曲:またこのプロジェクトは、発案者である財務経理部長をリーダーに、私たちデジタルマーケティング部、戦略企画部に加え、東・西日本営業部、広報室などが参画し、部門横断型で推進しています。各部の役割に固執することなく、ネットワークやアイデアを活かして、ポジティブに楽しみながら活動しており、他部門や社員個人での参加もウエルカムで、社内活性につながる開かれたプロジェクトになっていると感じています。
※環境イベントに部門横断型プロジェクトチームで参画


ー今後のサービス展開について教えてください。


牧野:8月18日から『becoz wallet』のアップデートに伴い、毎月の決済データのCO2排出量を確認いただくことができます。日々のお買い物の中で、どのカテゴリーが、どの決済の排出量が多いのか、まずは知っていただくことができます。そして、結果を受けて今日からの買い物で工夫をしてみる、オフセットプランを使ってみるなど、CO2削減に向けていろんな選択肢があることを体感していただきたいです。


大曲:『becoz card』を通じて、新たなマーケットを創造してきたいです。すでにいろいろな事業者の方から多数お声をかけていただいて、ディスカッションを始めています。共感してくださる事業者の皆様とのコラボレーションを通して、会員様により多くの選択肢を提示していきたいと考えています。


※1 クレディセゾン調べ(2022年8月時点)
※2 引用元:博報堂「生活者の脱炭素意識&アクション調査」①意識篇結果


<決済データ連携開始のリリースはこちら>
【会社概要】
会社名 :株式会社クレディセゾン
代表者 :代表取締役(兼)社長執行役員 COO 水野克己
設立 :1951 年 5 月 1 日
所在地 :東京都豊島区東池袋 3-1-1 サンシャイン 60・52F
HP:
企業サイト :
<公式SNS>
・Twitter クレディセゾン(CREDIT SAISON)@kaori_saison
・LINE SAISON NEWS @saisonews

あわせて読みたい

テーブルチェック、グローバル決済ブランド「Visa」と共催
PR TIMES
データドリブンなOOH運用を進化させる鍵「生活者行動の解像度をいかに高められるか」
アドタイ
昭和レトロな「アデリアレトロ」とコラボした「アデリアレトロ シーリングスタンプ」販売!
PR TIMES Topics
チュチュアンナのアプリ販促 3年でLTV伸長率135%を実現できた理由
アドタイ
CO2排出量で購買行動は変わるか JCBなどが実証実験
アドタイ
日本に上陸したこのトロフィーは一体? 歴史あるヨットレース「アメリカズカップ」を知ろう
antenna*
アダストリアのサプライチェーンを通じたGHG排出量算定・削減に向け「C-Turtle(R)」を導入
PR TIMES
挽き板フローリング「オール国産材」が商品単体の環境負荷情報の認証「EPD Hub」を日本の登録で初めて取得しました。
PR TIMES
"木育"で自然の素朴さと温かさを感じ創造力が鍛えられる2in1木製三輪車 発売
PR TIMES Topics
DATAFLUCTのPerswellが、経済産業省主催「SUPER-DXコンテスト」で優秀賞を受賞。「スーパーマーケット・トレードショー」での表彰と展示が決定。
PR TIMES
よりエシカルに生まれ変わる小田急グループ交通網 100%再生可能エネルギー由来の電力で運行開始
ELEMINIST
dアニメストアCMに須田景凪氏の新曲起用
antenna
バリューデザイン、プラットフォーム型お店アプリ「toypo」との機能連携を開始 小規模店舗でも初期費用を抑えて「独自Pay」の導入が可能に
PR TIMES
株式会社チヨダのプライベートブランド「ハイドロテック ウルトラライト」は環境省の「製品・サービスのカーボンフットプリントに係るモデル事業」に参画し、カーボンフットプリント(CFP)を算定いたしました。
PR TIMES
自分に合ったお仕事バッグが見つかる!バッグメーカー エースのポップアップストア 石川県で初開催
PR TIMES Topics
アルミリサイクル材を使用した「PremiAL R70」をセブン‐イレブン店舗に日本初(※1)導入
PR TIMES
カクヤスグループ、本社ビルや配送センターに再生可能エネルギーを導入開始
PR TIMES
これがにんじんジュース? 驚きのカゴメ新商品を体験レポート
antenna
地域の観光課題を可視化する、地方自治体・DMO向けサービス「じゃらんエリアダッシュボード」の提供開始
PR TIMES
「“喜び” のイノベーションで、より良い未来を」めざすAOKIグループがファッション事業のAOKI店舗に 『ソーラーカーポート』 を設置
PR TIMES
にんじん本来の味わいを詰め込んだ「カゴメにんじんジュース 高β―カロテン」のおいしさを体験!
antenna