何年経っても誰も追いつけないのはナゼ? ホンダN-BOXがいつまでもトップ独走するワケ

2022.06.29 17:20
この記事をまとめると
■いま日本の乗用車でもっとも売れているのがN-BOX
■N-BOXはホンダのスーパーハイト系軽自動車
■ライバル多数にもかかわらずN-BOXが圧倒的な強さを誇る理由を解説する
圧倒的な商品力の高さを誇るN-BOX
  軽自動車、というより、日本の乗用車でもっとも売れているのが、ホンダのスーパーハイト系軽自動車のN- BOXである。2021年度(2021年4月~2022年3月)の乗用車、軽自動車を含めた販売台数でヤリスやカローラを退けたNo.1であることはもちろん、2022年1-6月期も、どうやらN-BOXが首位独走のようなのだ。直近の軽自動車だけの販売台数ランキングでは、4月は15450台と、2位のスペーシアの7600台の倍以上の売れ行きだ。5月は僅差でスペーシアに抜かれたものの、部品不足で生産が滞っていたためで、受注は絶好調。6-7月に盛り返すことは間違いないと想像できる。
  スーパーハイト系軽自動車にはスペーシア、タント、ルークスといった強力なライバルがいるものの、どうしてN-BOXが独走状態を長年、維持し続けているのか? その理由をザックリ言ってしまうと、圧倒的な商品力の高さ、ということができる。標準車、エアロ仕様のカスタムともに、ミニステップワゴンのような堂々とした見映えが頼もしく、カスタムともなれば高級感マシマシ。軽自動車らしからぬ存在感さえ放つのである。
  ホンダ独創のセンタータンクレイアウトを生かした低床パッケージによる室内空間の広さ、上質感でも、クラストップレベル。軽自動車枠の日本の道にジャストなサイズでありながら、室内が驚くほど広いという商品力は、日本の一般的ユーザーにとって、じつに大きな魅力となるはずで、ターボを選べば一家に一台のファーストカーになりうる実力さえ持ち合わせているというわけだ。
  具体的に説明すると身長172cmの筆者のドライビングポジション基準の実測で、後席頭上空間/最大膝まわり空間はN-BOXが250~265mm(後席シートスライド位置による)/420mm。スペーシアが同270~280mm/340mm。タントが同270mm/355mm。ルークスが同250mm/400mm。総合的にN-BOXがもっとも余裕ある後席居住空間を実現していることになる。
  スーパーハイト系軽自動車は大容量な室内空間、後席格納による広大なラゲッジスペースを持つのも大きな特徴だが、重い荷物の出し入れにかかわるラゲッジスペースの開口部地上高を見ても、N-BOXは優秀だ。具体的には(筆者の実測値)N-BOX480mm、スペーシア510mm、タント590mm、ルークス490mmである。
軽自動車とは思えない上質な乗り心地
  小さいクルマだからこそ気になる安全性能の一端を担う先進運転支援機能の充実度も素晴らしく、ホンダセンシングを全グレードに標準装備するほか、2021年12月のMCではこれまた全グレードに、パーキングブレーキの操作を簡便にし、ACCの作動領域を広げ、一時停止時にブレーキを踏み続けなくて済む電子パーキングブレーキとブレーキオートブレーキホールド機能を標準化。
  こちらはライバルの場合(スペーシアはそもそも足踏み式ブレーキのまま)、タント、ルークスにしても、一部上位グレードのみの装備となってしまうのである。そう、そうした、日々使う、あれば絶対に便利で快適になる先進装備満載なのが、現在のN- BOXということになる。とはいえ、2021年12月以前の電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能がない時代でも、売れまくっていたのだから、そこだけにとどまらない魅力がそもそもあったと言い換えることもできる。ちなみにACC(アダプティブクルーズコントロール)の作動領域が0-135km/hともっとも広く、高速道路120km/h時代に適合しているのも、このN-BOXなのである。
  一方、スペーシアは、後席格納時のフラットさ、スリムサーキュレーターの装備などでN-BOXをリードしているものの、すでに説明したように電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能は、スズキ全体としても未装備。
  スーパーハイト系軽自動車の元祖と言えるタントは”子育てカー”のイメージが強く、カスタムになれば突然、精悍なスタイルにはなるものの、センターピラーレスの特殊性は好みがわかれるだろうし、スライドドアから運転席にアクセスできる子育て世代だからこそ嬉しい便利さを備えていても、ネーミングからくる生活臭を拭い去ることは難しいのかも知れない。ルークスは先代NAモデルの場合、あまりの動力性能不足が有名だった!? が、現行モデルはデイズのスーパーハイト系モデルとして、SOSコール、プロパイロット1.0などを備え、最初から電子パーキングブレーキを一部グレードに用意。後発だけに燃費性能や装備面でもがんばってはいるが、N-BOXというブランド力には敵わない……という印象なのである。
  そして何と言っても、N-BOXの強みは走行性能だ。最新モデルともなれば、軽自動車とは思えない上質かつ重厚な乗り心地、車内の静かさ、車体の剛性感を示し、それこそ軽自動車に乗っていることを忘れさせてくれるほどの走行感覚を味わせてくれるのである。パドルシフトさえ備えたターボモデルともなれば、高速道路を使ったロングドライブも、先進運転支援機能の充実度や視界の良さ、安定感の高さからドライバーも乗員のストレス最小限。走れば走るほど、使えば使うほど、その魅力、商品力の高さを実感できる筆頭がN- BOXということになる。
  また、ホンダNシリーズにはN-VANもあるが、このN-BOXも今、大流行のアウトドアや車中泊にも対応できる使い勝手の良さを備えているのである(この点ではライバルも同様だが)。そう、ある意味、万能すぎる軽自動車、スーパーハイト系軽自動車がN-BOXであり、それはもう、売れない理由が見つからないのである。

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